一つ前のブログ記事「警察に被害相談」で岡田幸之東京医科歯科大学教授の論文に言及したが、岡田幸之教授は、刑事精神鑑定で刑事責任能力を判断する構造として、下記の8つのステップを提唱した(文献)。

 

(1)精神機能や症状に関する情報収集

(2)精神機能や症状の認定

(3)疾病診断

(4)精神症状や病理と事件の関連性の抽出

(5)善悪の判断や行動の制御への焦点化

(6)法的文脈における弁識能力、制御能力としてみる具体的な要素の特定

(7)弁識・制御能力の程度の評価

(8)法的な結論

 

要するに、岡田幸之教授は、2013年に精神医学専門家に8つのステップを発表した後(文献)、2018年に刑法専門家にほぼ同様の内容について発表したことになる(一つ前のブログ記事)。

 

2013年の論文では岡田幸之先生の所属は、国立精神・神経研究センター 精神保健研究所 司法精神医学研究部と記載されている。

 

岡田幸之先生は、共編集者として2019年2月に中山書店から「刑事精神鑑定ハンドブック」を刊行している。

 

しかしながら、岡田幸之教授は、マイクロ波聴覚効果に関する知見もなければ、マイクロ波聴覚効果を応用した無線通信システムに関する知見も全くなく、疑似科学を提唱しているのに過ぎない。この点については、小職が論考をまとめることになるのでしょう。

 

文献

岡田幸之. "責任能力判断の構造と着眼点: 8 ステップと 7 つの着眼点 (特集 精神鑑定の科学化を目指して)." 精神神経学雑誌 vol. 115, no. 10 (2013): 1064-1070.