職人列伝 孫パワー編 | 魚のハリセンダンス

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ウソだらけです

どうも、今日行った現場は凄かったです。

9階建てで、その9階に仕事が残っています。

行きまして、若手に先に上がって仕事しよってくれ。

で、駐車場に停めに行きます。

で、現場に戻って荷物を担いでエレベーター前に行くと。

 

ない!エレベーターが無い!!

 

一瞬フリーズします。確かにあったもの、乗った事があるものが無い!!

突き抜けて、宇宙(そら)まで行ったか?

止まり損ねて、地下まで潜ったか?

若手は諦めて登っている模様。

自分もエッチラオッチラ登ります。

で、登ると若手はもう仕事をしていました。

何なんだよ!この状況は!

 

 

そうしていると、仕事をしているおじいさんが話しかけてきます。

75歳でして、お盆期間中もずっと働いていた。

今⑦現場回っていると言います。

 

「すごいじゃないです、毎日現場回れますよ!一週間で一回り!

ひょっとして共産党員ですか?勲章を貰おうとしてるでしょ!」

と、いつものジョークを飛ばします。

 

で、話を続けると、

「いや、孫の為に働いてるんだよ」と、言いますので。

「何人お孫さんが居るんですか?」と、訊くと。

「一人」と、答えます。

「ちょっと待ってください、一人の為にこんなに働てるんですか?」と、言うと。

「そうよ、お小遣い2万円やけね」と、嬉しそうに言います。

「ちょっと待ってください、だとお年玉はいくらになるんですか?」

と、根掘り葉掘り訊きます。

「大体、5万」と、答えます。

「・・・・・・」俺でさえ全盛期でお年玉合計5万円とか行かなかったぞ。

「恐ろしいですね、孫パワー!」

「そうやろ?」と、答えます。

「兎に角、ぶっ倒れない様にしてくださいよ」と、言って別れました。

下の階に若手が既に待っているから。

伯父さんは俺に着いて来て話していたから。

 

で、そのおじさんから聞いたのは。

エレベーターは大雨の時に階段からエレベーター内部に水が落ちてショート。

結果、見事動かなくなると言う話。

直す、直ると言い続けて、未だ直らず。

何なんだよ!!

 

そうしていたら、階段を登ってくるおばさん一人。

もう、ゲロゲロ状態。

「キツそうっすね。」と、言うと。

「もう、仕事が終わったぐらいにキツイ」と、ゼェゼェ答えてくれます。

「いや、まだ9時台ですよ、諦めて下さい」と、私答えます。

なぜなら、私はもう降りていく仕事しかないから。

 

ホント、世の中って言うのはうまく行かないモノです。

そして、実に恐ろしいのは孫パワー!!

このくそ暑い中に9階まで毎日階段で登って来て、

75歳が汗だくで働いてるからね。

孫に聞かせてやりたいよ。