⑰ キケンな街?横浜
一番人が多いと聞いて、横浜駅 に来た!
駅の近くの商店街はすごい人だかりだが、少し離れると全然人いない。
さっそく 日本一周アンケート をはじめるが、
ヤンキーみたいなダボダボの服きた兄ちゃんや、顔真っ黒のギャル!
そんなコワイ系の若者がなんと350人くらいいて
「日本一周してるんですけど・・」
「はぁ!?だから何じゃ!殺すぞ!」と、言わんばかりの顔で
にらみつけられたり、あと・・無視の連発!!
無視されるのは慣れてきたはずやのに やっぱさみしい・・
そんな中 見たことがある顔を発見!!
雑誌 メンズエッグ のモデル○○さんや!
興奮しながら握手を求めると、やさしくオッケイしてくれ
腰の低さにビックリした。ぜひがんばってほしい!!
「俳優もいいけど、モデルもかっこえぇなぁ!!」ゆーすけ
「お前男前やし、背も180あるから絶対いけるって!」
「そう?(笑) あ、アイス1個でいーか?」ゆーすけ
「オウ! 悪いな ・・・・・ 」けんじ
よし! 無視されてもがんばるべ!! パッチ
⑮ しんちゃんち
沖縄で出会った大事な友達しんちゃんの 実家(東京)に
おじゃまさせてもらいました。
家族みんなで食卓を囲み メシを食う。 どこにでもある
ごく普通の家庭だと・・・ 思っていた・・
お母さんは一番よくしゃべり、権力も持っている かなり元気なお母さん。
お父さんは厳しそうに見えるが、酒を飲むとジョークも言うしおもしろい。
マリちゃん(姉)は 保母さんでかわいい!
マキちゃん(妹)は 松浦あや似の声で、頭のいい受験生。
しんちゃんは みんなに言われっぱなしで一番下の存在。(パシリ)
タクちゃんさん(姉ちゃんの彼)は かっこいい 頼れる兄ちゃん的存在。
けんじ ゆーすけ は この輪に入れてもらい
おいしい料理とお酒をいただき、何年ぶり?ってくらい
涙を流しながら 大笑いした。
でもしんちゃんの家は 他の家とは違った・・・
しんちゃんは、お母さんの調子が悪くて ウチに呼べるか分からない
と言っていた。
でもオレ達バカ2人は
ご飯が食べられる!
風呂に入らせてもらえる!
と喜んで、お母さんの体のことなんて気にもせず、
強引にしんちゃん家に来た。
お母さんは ガンだった。
4年前に医者に、あと1年の命かもしれない!と言われていたという。
今も薬を飲んでガンとたたかってる
いつ また悪くなるか分からない
でも、誰一人そんなそぶりを見せない。
家族と別れてから オレは一人で泣いた・・
お母さんがめちゃくちゃ元気な理由・・
しんちゃんに口うるさく しっかりしろ!と連発する理由・・
そんな母さんを毎日見てる家族。
みんなの事を思い出すと涙がでてくる・・
オレにはみんなの気持ちがわからない
くやしいけど わかりません
でも 大好きです
来るなと言われても また会いに行きます
死んだら絶対許さないっすからね!
オレ達が夢をかなえるまでに
しんちゃんがしっかりするまでに
バカどもに またカツをいれてください!
また会いに行きます
~番外編~ 4,感動の「再会」と涙の「別れ」
‥‥‥一ヶ月
‥‥‥二ヶ月後
風も冷たくなってきた11月初め。
沖縄からのフェリーが鹿児島港に着く。
真っ黒に日焼けした二人の若者が、二ヶ月ぶりに
鹿児島の大地を踏み締めた‥‥
「ただいま、鹿児島!」けんじ
「おかえり(笑)」ゆーすけ
約束の一ヶ月間を過ぎた辺りから、よし子さんの方にもう少し
遅れるということを伝えると、
「うちの方はだいじょうぶだから、ゆっくりしてらっしゃい(笑)」
と言って頂き、気楽に沖縄を周ることができた。
とはいえ、二ヶ月も長居してしまい忘れ去られていると思っていた。
到着したことを知らせると、港まで迎えにきてくれるとのこと
だったが、ここはあえて甘えずに、 ヒッチハイク で行くことにした。
沖縄で車はなく、ずっとヒッチだったので、よし子さんの家
(串木野)まで約1時間くらいすぐ行けるだろうという自信はあった。
始めて30分くらいで一台の車が止まる。
熊本からドライブに来ていた 女の子二人組 が、一回通り過ぎたけど
気になってまた戻って来てくれたらしい。
ありがたく乗せてもらって、楽しく会話をしながら懐かしの
串木野までやってきた。
二人の女の子と別れて、よし子さんの家の前までやってきた。
ピンポーン‥
二ヶ月ぶりの再会に緊張の一瞬
‥ガチャ。
「た、ただいま帰りました!!」
「‥‥あっら~!!(仰天)おかえり!心配してたのよ!」
まるでわが家のような感覚で、なんだか安心した。
教頭先生とガスも帰ってきて、あまりのうれしさに抱き合った。
教頭先生が
「よし、今日はみんな集めてバーベキューだ!」
と言い、たけさん、つるさん、もろさん、しおさんを呼び
パーティー が始まった。
いろんな事がありすぎて なにから話せばいいか分からなかった
が、一生懸命沖縄での出来事を話した。
沖縄のおみやげで買ってきた 泡盛 や焼酎を飲みながら、
少し肌寒い11月の夜に、炭の温かさと ヘタクソなギター を
弾きながら、夜中まで語り明かした。
みんな口を揃えて
「お前達はいい経験してるよ。羨ましいわ!」
と言ってくれた。
自分のしたいことを自由にしている人間に必ず付いてくるものは
「今やっていることは本当に正しいのか?」 という恐怖の感情。
だから、こういう一人一人の励ましや応援の言葉は、
オレ達に計り知れないほどの 勇気 と 力 を与えてくれる。
その日は教頭先生の家に泊めさせてもらった。
よほど居心地がよかったのか?串木野に 5日間ほど 滞在した。
その間、たけさんともろさんが通っている大学に 生徒のフリを
して 遊びに行ったり、ガスとカラオケで マイクの奪い合い をしたり、
つるさんに串木野名物 『マグロラーメン』 を食べさせてもらったり、
よし子さんの家でビビりながら『呪いのビデオ』をみんなで見たり、
みんなとたけさんの彼女で日本三大砂丘、鹿児島の 『吹上浜』 の
夕日(写真)を見に行ったりと、本当に楽しい時間を過ごした‥‥‥
しかーし、オレ達は日本一周をしているのだ!
(危うく忘れかけていた…。)
そして、みんなにもやることはある。
二人で相談して、 明日の朝串木野を出ることにした。
そのことをみんなに伝えると、つるさんが
「じゃあ今日はみんなで飲もう!」
と言い、たけさん、もろさんと5人で、行きつけの居酒屋に入った。
つるさんは、人の 好き嫌いが多く 、嫌な人とは酒も一緒に飲まない
らしい。
(つるさんのことを一番よく知っている、たけさんが言っていた。)
そのつるさんが、自分から誘ってくれて、しかも 一番飲んでいる ‥。
なんだかちょっとうれしかった。
そして今日は、いつもみたいにバカ騒ぎするだけじゃなくて
真剣な話しもした。
その中でつるさんが言っていた印象深い一言
「俺に子供ができたとき、どんな資格や肩書きよりも
日本一周の『肩書き』が欲しい。」
オレ達が共感しないわけがない!
(日本一周の肩書きかぁ‥、なんかいい言葉やなぁ。)
お酒の弱いゆーすけも今日は、本当によく飲んだ。
けんじは飲みすぎで、もう立っていられない様子。
「みんなとの出会いにカンパーイ!!」
とか言いながら、大盛り上がりだった。
店をでるとき、なぜかノリでその場にいるすべてのお客さんと
一緒に写真を一枚‥‥ (ご迷惑おかけしました。)
最後の夜もたけさんが泊めさせてくれるみたいで、家の前に着き
みんなと別れようとした、 そのとき ‥‥
「‥‥グスンッ、グスン」
つるさんの目から涙がこぼれ落ちる。
今までつるさんは、オレ達に体を張った 『笑い』 を提供して
くれたり、場を盛り上げる リーダー的な存在 だった。
そのつるさんが、オレ達の目の前でボロボロ泣いている。
「‥お前らと出会えてほんとに‥グスンッ、よかった‥よ。」
それを見ていた親友のたけさんも、うっすらと涙ぐんでいる。
想像もしていなかった二人の泣いている姿を見ていると、
ゆーすけとけんじも自然に涙が出てくる。
月明かりの下で、男4人がワンワン泣いている。
今考えれば変わった光景だが、そのときはそんなこと考える
余裕もなく、何度拭いても出てくる涙を必死におさえていた。
「お前らが日本一周したってこと、『桜島』行くまで
死んでも言わせんでね!」
ちょっと前から、日本一周のゴールは鹿児島の桜島にしろ!
とみんなからジョーダン半分で言われてきた。
考えていたが、このときはっきり答えが出た。
「当たり前じゃないっすか!オレ等はバカでアホで
どうしようもない人間ですけど、約束だけはちゃんと
守りますから!(笑)」
涙も大分おさまったところで、つるさんと抱き合い
握手して別れた‥‥。
ゆーすけ はたけさんの家の布団の中でも、ずっと
泣いていた。
これだけ泣いたのは初めてだろう。
それほど ゆーすけ の中で、この人達と別れるのは
辛かったんだろう。
思えば、みんなと過ごした時間もほんのわずかだ。
なのにまるで、昔から付き合っている 親友 みたいに
仲良くなることができた。
いい人間関係をつくるのに問題なのは、 『時間』 では
ないことが本当によく分かった。
泣き疲れたのか、いつのまにか深い眠りについた。
朝起きて、長い間お世話になったたけさんの家にお礼を言い
出発しようとするとたけさんが、
「お前らに俺の大好きな詩をプレゼントするよ!」
と言い紙を渡された。そして、
「俺にとってもお前らと過ごした時間は、本当に大切な時間だった。
ありがとう! 今よりずっと強く、たくましく、そして、優しい
人になって、オレ達が待っている鹿児島に帰って来い!!」
‥‥昨日あれだけ泣いたのに、また涙が出てきそうだった。
ガマンして最後は笑顔で別れた。
「バイバーイ!!みんな、ありがとう!!」
二ヶ月ぶりに愛車「やっちゃん号」に乗り、北を目指した。
人生は出会い。
出会いがあれば別れは必ずある。
悲しい事だけどこれが現実。
でも、人間はそうやって強くなっていくもの。
オレ達は常に新しい出会いを求めていきたい。
そして、別れに涙する。
『涙の数だけ強くなれるよ♪』(岡本真夜)
パッチ の旅はまだ始まったばかりです!
教頭先生、よし子さん、ガス、たけさん、つるさん、もろさん
しおさん、(犬のプル)。
みんなと出会えた事はオレ達にとって誇りです。
串木野(鹿児島)に帰ってくるときは、人間的にも成長して
帰ってきます! どうか見守っていてください!
そしてまた、同じメンバーで飲めたらいいなぁ(笑)
たけさんの大好きな詩
一本の長くて孤独な川のように 僕は夢に向かって走り続けている
立ち止まらずに先へと進んでいる 一本の樹の小さな枝のように
僕は自由を求めて手を伸ばし続けている もっと先へと
あきらめないで 古くて泥まみれの道のように
僕は重荷にうんざりしている でもどんどん行くんだ もっと先まで
くたびれて問題だらけのこの地球のように
生まれてからずっと僕は転がりっぱなしさ ぐるぐる回れ
止まっちゃいけない だって陽のあたる場所はかならずあるから
そいつは誰にでも希望がある場所で 僕の貧しく不安な心も
追っ掛けるべき場所なんだ そうさ 陽のあたる場所はかならずある
命がつきてしまう前に 陽のあたる場所を見つけなくてはいけないよ
~完~
~番外編~ 3,最高の出会い、そして沖縄へ!
『 時が止まる 』 とはこのことだ。
10何人かいる先生達は、一瞬にしてこっちを見て固まった。
みんな口が半開きになり、?マークが飛び出している。
勇気を出してこの空気から抜け出そうと、
「すいません、僕達は福井県から来て日本一周している者なんで
すけど、あのぅ‥‥ここに車を置かせてください!」けんじ
‥‥シーン。 (無理かなぁ。。。)
その時、奥の部屋から40代後半くらいの強面の男性が出てきて
オレ達の方に向かって、 ものすごい形相 で歩いてくる。
(ひえぇー!殺される!)‥‥すると、
「私はここの教頭だ。どんな事情であれ、学校の駐車場を
貸すことはできない!」
「は、はい!すいませんでした!」帰ろうとすると、
「‥‥だけど、わたしも昔は旅をしていたから旅人は好きだ。
よかったら詳しい話しを聞かせてくれ!」
と、空いている教室に案内された。
見た目はすごく堅そうな ガンコ親父 って感じだったので
予想外の出来事にただ驚いた。
オレ達の名前、年齢、住所、体重、好きなお笑い芸人、
そして…、沖縄へ行きたいこと、一ヶ月間車を置かせてもらえる
場所を探しているということ、などオレ達のことは 包隠さず話した 。
教頭先生も最初は怪しんでいたが(当然だろう)、
少しは信用されたみたいで、前より 優しい顔 になっていた。
そして、
「よし、わかった!串木野という所にある、わたしの実家。
嫁に言っておくから車はそこに停めなさい。」
「えっ!い、いいんすか!?」
「君達みたいな若者、わたしは好きだ!沖縄から帰ってきた
時の、土産話を楽しみにしているよ!」
「あ、ありがとうございます!!(涙)」
大龍小学校、バンザーイ!!教頭先生バンザーイ!!
(本当にうれしくて、教頭先生に抱きつきたかった!けど、やめた…)
少しでも早く行きたかったので、今日車を停めに行って
明日の昼の便で 沖縄に行こう!となった。
仕事の忙しい教頭先生は、今日は家に帰れないみたいで
残念ながら ここでのお別れとなった。
串木野までの地図を書いてもらい、 「行ってきます!」
と言い、握手して別れた。
鹿児島市内から串木野までの道のり、約1時間。
辺りはすっかり暗くなって、道もどんどん田舎っぽくなってくる。
「ほんまにえぇ人やったなぁ!行ってよかったわ!」ゆーすけ
「そやなぁ!でもなんか、うまくいきすぎて怖いわ!」けんじ
(…確かに。) →串木野到着!!
ピンポーン♪ 「はぁーい!」
教頭先生の奥さんはどんな人か楽しみに待っていると、
まぁ、 ベッピンさんではないか!!
あの教頭先生からは想像もつかない奥さんの よし子さん は、
優しい顔で二人を迎えてくれた(笑)
車を車庫に入れさせてもらい、 「コーヒーでもどうぞ」 と
言われ、実家に上がらせてもらった。
そこには、 外人が一人? と、オレ達と同じくらいの 男が二人? と
犬が一匹 いて、みんな驚いた顔でこっちを見た。
「はじめまして!」 と挨拶をしながらも、心の中では
どういう家族構成やねん! とツッコミざるを得なかった。
聞くとまず、外人はアメリカからホームステイできている
17歳のシャイボーイ、 ガス 。 教頭先生とよし子さんの息子は、
大阪に行っていていないけど、その友達の たけさん と つるさん が
ガスと遊ぶために家に来ている。(犬の プル もかわいい♪)
少し遅れてたけさん、つるさんの友達である、 もろさん 、 しおさん も
やってきた。そして、よし子さんとガス、たけさん、
つるさん、もろさん、しおさんからオレ達に 質問の嵐!
オレ達も負けじと、 質問しまくり!
すぐにみんなと打ち解けて、4人とガスでファミレスに行った。
お金のないオレ達のことを気遣ってくれて、
「なんでも好きなもん食べろよ!」 と言ってくれた。
遠慮せずに食いまくった!
夜も遅くなり、たけさんが
「明日、港まで送ってくから今日はウチ泊まっていけ!」
と、言ってくれた。よし子さんとガスに別れを言い、
もろさんとしおさんとも別れた。
つるさんとオレ達で、たけさんの家にお邪魔して、
久しぶりの布団で死んだように眠りこけた‥‥ZZZ
あれっ?
昨日まではあれだけ悩んでいたオレ達。
日本一周がなくなりそうな雰囲気だったのに、
今のこの全く正反対な状態。
なぜ?
大龍小学校に行ったから。ただそれだけ。
絶対いける!と思いながら、ほんの少しの勇気を出し
たった一つの行動をとっただけ。
全然たいしたことはしていない。
『 毎日が冒険 』
高橋歩が言っていたことを思い出した。
どれだけかっこいい事を考えていたとしても
どれだけかっこいい事を言ってみても
やらなきゃ終わりだ
実際に行動することが大事なんだ
実際に行動すること、行動すること‥‥行動‥行動、行動‥
朝。 鹿児島に来て初めての、 気持ちのいい朝 。
オレ達の沖縄行きを祝ってくれるかのような太陽の日差し。
たけさんの愛車に乗り込み、 「SAM41」 を聞きながら
ノリノリで鹿児島港に向かう。
途中、たけさんとつるさんがなにやら ヒソヒソ話 ‥‥。
気にもとめず、思い描く沖縄の海。
港に着き、フェリー乗り場に向かおうとする ゆーすけ と けんじ の
手を引っ張り、 ゆーすけ の手には 『ラークマイルド』 、
けんじ の手には 『パーラメント1』をそっと渡す。
「えっ??」 ゆーすけ と けんじは突然のことに驚く。
しかし、二人の言葉を遮るかのように
「気をつけて行ってこいよ!」たけさん
「一ヵ月後、大きくなったお前らを楽しみに待ってるぞ!」
つるさん
昨日オレ達の吸っていたタバコの銘柄を、覚えておいてくれて
さっき、買ってくれたんだ‥‥
あまりの驚きと、こみ上げてくるうれしさに
ゆーすけ と けんじ は、うっすらと目に涙を浮かべながら
「ほ、本当に…ありがとうございます!」ゆーすけ
「帰ってきたらまたしゃべりましょう!」けんじ
「じゃーな!バイバーイ(笑) 」たけさん、つるさん
「バイバーイ!!(笑)」ゆーすけ、けんじ
たった一日、いや、 数時間 一緒に過ごしただけなのに
よし子さん、ガス、たけさん、つるさん、もろさん、しおさん。
会ったばかりのオレ達に、気を使わせることなく、
家族のように 、 親友のように 、優しく楽しく接してくれた。
お礼の言葉も見つからない。
ゆっくりと動き出すフェリーの上から、鹿児島にしばらくの
別れを告げた。
そして、遠く沖縄の島へ‥‥‥ 続く
~番外編~ 2,危機一髪!パッチ復活だ!
「人の『怒り』なんていうのは30分もたてば忘れてしまう」
時と場合によるが、まさにその通りだ。
ついさっきの 『怒り』 がウソのようになくなり、自分で言ってしまった
「日本一周やめる!」 という言葉が、頭の中に繰り返し聞こえてくる。
「オレは悪くない、あいつが悪いんや! あいつが
「戻ってきて」と言うまで絶対戻ってやらんからな!」
しかし、 けんじ の性格をよく知っている ゆーすけ は、そんなことは
絶対ないということを分かっていた‥。
ゆーすけ のいなくなった車の中は、シーンと静まりかえり、暗い空気が
漂っていた。
「オレ一人で日本一周する!」 とは言ったものの、これから何を
どうしていいかさっぱり分からない。 不安だけが募っていく。
「クソッ!‥ なんでこんなことに‥‥」
二人とも変なプライドがジャマをして、 「ごめん」 の一言も言えない。
やりきれない気持ちで、いっぱいいっぱいだった。
次の日
ゆーすけ は、駅のホームで死んだように座っていた。
鹿児島に来てすぐは、見るものすべてが新鮮で毎日ドキドキしていた。
しかし今では、回りを見ても何も感じない。
何度も 「福井に帰ろう」 と思ったが、 地元にいる 家族や友達 になんて
言えばいい? みんなの期待を胸に出てきたのに、合わす顔がない‥。
でも、いつまでもここにいる訳にはいかない。
自分との葛藤だった。
目を人ごみの方に向けると、ハンカチで汗を拭きながら暑いスーツに
身を包み、 ロボットのように 無表情な顔で歩いているサラリーマン。
(これでいいんか…?)
客が入っても「いらっしゃいませ」の一言も言わない、
無愛想な 売店のおばさん。
(本当にこれでいいのか?)
杖をついて歩いているおばあちゃんにぶつかっても、
何事もなかったかのように 歩いていく若いカップル。
(‥‥‥。)
当たり前の生活、くだらない人間関係、息をしているだけの
死んだような人間になりたくなくて‥、自分で何かをしたくて、
挑戦してみたくて、日本一周しようと思ったはずだ。
(オレの‥いや、オレ達の日本一周はこんな簡単に諦められる
ものやったんか?)
‥‥‥
‥‥‥
(‥‥いや、絶対に違う!!)
ゆーすけ は立ち上がり、少しずつ歩き出した。
(‥‥謝ろう。何を言われてもいい、土下座してもいい!
オレはあいつと日本一周したいんや!!)
いつのまにか走っている自分に気づきながらも、急いで港に向かった
その頃 けんじ は、一人何気なく本屋さんに入っていった。
そして ある本 が目につき、手にとった。 その本とは‥
『毎日が冒険』 サンクチュアリ出版
著者:高橋歩(たかはしあゆむ)はどこにでもいる普通の高校生だった。
しかしある日、「このままじゃダメだ!」と思い、無一文から店を出した
り、自分の自伝を出版したり、世界一周旅行をしたり仲間と自由な旅をし
て、今では沖縄に移住し、島プロジェクトという開発を進めている。
この本はオレ達の日本一周の、 キッカケ となった素晴らしい本だ。
けんじはいつのまにか、夢中になって読んでいた。
【本の一部】
どんなにかっこいい事を考えていたとしても
どんなにかっこいい事を言ってみても
やらなきゃ終わりだ
実際に行動することがなによりも大事なんだ
「‥‥‥ 」けんじ
今の カラッポ になった頭の中には、まるでスポンジが水を
吸いこむようにどんどん入っていく。
読み終えたときにはもう、 スーパーサイヤ人 3 になっていた。
こんなことで悩んでいる自分がバカバカしくなり、すぐさま
ポケットから携帯電話を取り出して
「けんじやけど‥‥話したいことあるから港まできて…えっ!?
もう向かってるって!? わかった!!オレもすぐ行く!」
もとあった場所に本を置き、急いで港に向かう足は
とてつもなく軽かった。
この時 けんじ は、本でこれだけ人の心を動かせて、意識を
180度変えることができる。 (本ってすげぇ‥)
と思うと同時に、もし自分が書いて出した本をみんなが
読んでくれて、感動して、少しでも、
「自分も何かしないと!」と思ってくれたら、マジで
最高やろなぁ! と思った。
港にて
二人とも少し緊張気味で、
「‥‥やめるなんて言うて悪かった。‥ごめん。」ゆーすけ
「‥いや、オレの方こそごめん。言いすぎた。‥‥もう一回
考え直すか?(笑)」けんじ
「‥‥おう。 それでオレちょっと考えたんやけど‥‥、
学校って駐車場広いやんなぁ(笑)先生に頼んで車置かして
もらおーぜ!!」
「アホか! そんなことでき‥‥いや、いいなぁそれ!!
やってみよ!」
「よっしゃ!!」二人
二人は握手を交わした。
パッチ完全復活!! である。こうなったら誰も二人を止められない。
なぜかって?
それは 運も神も天使もすべて 、オレ達に微笑むからである (イエーイ!)
そして、超スーパーハイテンションで車を走らせ着いた先は
鹿児島市、 大龍小学校 。
「よし、行くか!」ゆーすけ 「おし!」けんじ
職員室の前まできて、 「せーのっ!」
ガラガラガラーーー!! 「すいませーん!!」二人
「‥‥‥‥ ! 」先生達
続く
~番外編~ 1,『日本一周』 終わり!?
ここで 『☆パッチ☆1万人と出会う愛と感動の日本一周物語★』
の ゴール を発表しよう!
それは 鹿児島県の桜島 だ!
福井県出身の けんじ と ゆーすけ が、なぜ桜島をゴールに選んだのか?
話せば半年くらいかかるが、この 愛 と 感動 の物語を、どうしてもみんなに
聞いてもらいたくて、この記事を書くことにした。
涙もろい方へ 、ここまで見たらハンカチのご用意を。
では、どうぞ♪
2004‐9/2‐18:40 福井県大飯町にて
「気合い入っとるかー!!」けんじ
「もちろん! 入りまくりであります!!」ゆーすけ
二人は堅く握手をする。
「それでは出発しまっせー!」けんじ
「いざ沖縄へ!!」ゆーすけ
買ったばかりの愛車、 『やっちゃん号』 (33万円なり)に
荷物と夢を大量につんで、静かに走り出した。
そう、パッチの日本一周記念すべき一県目は、北海道ではなく 沖縄 だったのだ!
その頃のオレ達は、 日本一周アンケート もしてなかったし、本 を出版して
1000万部売る とゆうはっきりした目標もなかったのだ。
(もちろんパソコンもなし)
そのかわり、大阪で修業した、 鉄板焼き の 露店販売 でお金を
稼ぎながら日本全国を旅するとゆう計画だった。
絶対いける! という根拠のない 自信 と、 勢い だけはあった。
沖縄を一県目に選んだのもたいした理由があるわけでもなく、ただ
「行きたいから!」 (適当。)
ちなみにもう一つの理由は、 日本の一番暑い時期に一番暑い沖縄に行きたかった。
反対に一番寒い時期に一番寒い北海道。 という感じだ。
沖縄に行く計画はこうだ!
車で鹿児島まで→鹿児島港からフェリーに車を積んで沖縄へGoー!(完璧!)
中古だが、まだ無傷な『やっちゃん号』で鹿児島までぶっ飛ばした!
「沖縄着いたら、まずなにする!?」けんじ
「やっぱり最初に、あの透き通った青い海で泳ぎたいわぁ!」ゆーすけ
「楽しみやなぁ!!(笑)」けんじ
そして‥‥‥、
「沖縄まで車一台、 8万円です(^_^)」
「マ、マジっすか!!?」
ガタガタガタ!!...
...計画が音をたてて崩れさった。 (事前に調べておきましょう。)
二人とも2万円程度しかなく、自分の分のフェリー代でいっぱいいっぱいだ。
「どーすんべ!?」
初めての壁にぶち当たり悩みまくる二人。
緊急ミーティング が開かれ、話し合いの結果4つの選択肢があげられた。
一つ目:鹿児島を日本一周のスタートにする!
( 何か中途半端やなぁ‥‥ 沖縄じゃないとイヤだー! )
二つ目:鉄板焼きでお金をためる!
( 夏が過ぎてしまうやん! 時間かかるし! )
三つ目:車を置いて人間だけで行く!
( 車の置き場所は!? 沖縄での移動手段は!? )
四つ目:『どこでもドア』を作る!
( 無理じゃー!! )
結局なにも決められずに、時間だけが過ぎていった。
出発したときの 「やってやる!」 という気持ちもどこかへいき、
(やっぱり金なしで日本一周なんて、考えが甘かったんかなぁ。)けんじ
(今までとてつもない数の人達に「世の中はあまくないぞ!」
とか言われてもまったく聞く耳を持たなかったけど、
今その意味がめちゃくちゃ分かる。) ゆーすけ
「常識」 「不可能」 「無理」
今まで縁がないと思っていた言葉が、頭の中をかけめぐり
どんどん、どんどん マイナス思考 になっていった。
しかし、地元の友達や親にデカいことを言って出てきた手前、
「なんとかせんと!」 と焦る気持ちがどこかにあった。
「もう一度話し合って考えよう!」
しかし、この事が最悪の事態を招いた‥‥
「どーするよ? 早よ決めんと何もできんで‥‥。」ゆーすけ
「お前はどうしたいん?」けんじ
「早く沖縄行きたい!!」ゆーすけ
「そんなん分かってるわアホ! もっと考えや!」けんじ
ブチッ!
「なんやその言い方!? オレが何も考えてないと思っとんか!!」 ゆーすけ
「ちゃんと考えろってことや!」けんじ
「‥‥‥ 」 ゆーすけ
「わかったわかった! 、お前と話しとっても時間のムダやわ」けんじ
「ほな、もうやめよ! 日本一周なんかもうええわ!!」ゆーすけ
ピクッ
「あっそ! じゃあオレ一人で行くしお前帰れや邪魔やから!!」けんじ
「‥‥‥ 」ゆーすけ
「‥‥‥」けんじ
(ムカつくわ!!怒) 二人
荷物をまとめ、一人車をおりる。
ゆーすけ の日本一周はここで終わった
⑭ 旅の仲間と再会!
今日 千葉県 で、 ある人 と会う約束をしていた。
今から半年前、二人が日本一周始めてすぐに知り合った二人、
しんちゃん(20才) と、 こやっさん(30才) 。
二人ともそれぞれ、 自転車で 日本一周をしているという
タフなヤロー達だ。 (しかもしんちゃんはママチャリ…)
今では二人ともマジメに仕事していて、
オレ達が千葉市に来たと言ったら、4人でメシでも
食いに行こうとなったのだ。
二人の顔を見るなりすぐに過去の記憶が甦り、
懐かしさなどみじんも感じなかった。
二人は前と変わらず、 しんちゃん は天然でマジメで
これでもか!ってくらい純粋なヤツ。
こやっさん は物事をよく知っていて頭はいいけど、
それを自慢するわけでもなく30才とは思えない
子供っぽさがあり一緒にバカなことができるヤツ。
デニーズ に入りメシを食いながら、 朝の6時 まで語り明かした。
オレ達の今後の計画を話したり、二人のことを聞いたり、
出会ったばかりの時、4人がバカなことをやっていた時の
ことを大笑いしながら時には真剣に…
とにかく、最高の時間を過ごすことができた!
しんちゃんとこやっさんに出会えてホントによかったと
心から思う!尊敬もする!
オレ達4人は、楽しく学び、感動しあい、
『人生』という地図の中で一生『旅』を続けよう!!
⑬ 未来都市!?成田空港
千葉市 に向かう途中
「←成田空港」 という看板が目についた。 ゆーすけ の頭の中で
成田空港
↓
ドラマの撮影現場(グッド ラック!)
↓
‥‥ 木村拓哉!!
というバかな方程式が浮かんだ。 (キムタクが大好きな二人)
キュルキュルキュル!!
「オイ!どこ行くねん!」けんじ
「成田空港に決まってるやん!キムタクに会えるかもよ(笑)」ゆーすけ
「‥‥よし、行こ!」けんじ
‥‥単純(汗)
空港に近づくにつれて道路沿いに、ワシントンホテル、
ヒルトンホテル など、金持ちにしか行けないような
高級ビジネスホテルが立ち並んでいる。
その中を 高級リムジン ‥とは正反対の、
ポンコツやっちゃん号が走り抜ける。
そして
「な、なんじゃこりゃあぁぁ!!!?」
空港に着くとそこは、 一つの街? かと思うほど、
広い!明るい!車で動いても道に迷いそうなデカさだ!
興奮しながらもなんとか、 第一ターミナル まで行けた。
中に入ると…そう、まさにドラマの 『別れ』のシーン に
出てきそうな場所や、出発、到着を知らせるバカデカい
電光掲示板 などがあった。
それを心配そうに見ている乗客達の真似をして、
腕時計を見ながら、さも自分達も行くかのようなよそおいで、
「出発はまだかね!」ゆーすけ
「次の便までもうしばらくお待ちを!」けんじ
などとやってみる。
言いたいだけだ…。
帽子をかぶっている人を下から覗き込んだり、
さんざん探したが、 芸能人すら 見当たらない。
売店のお姉さんに聞いてみると、普段から見慣れているみたいで、
「この前は勝俣見たよ」 と平然と言っていた。
「よし、キムタクが現れるまでここで待ち伏せや!」ゆーすけ
「おっしゃ!」けんじ
…3分後。
「やーめた!もう行こーぜ(笑)」ゆーすけ
「ほんまや、腹減ったわ!」けんじ
B型な二人でした。