~番外編~ 3,最高の出会い、そして沖縄へ!
『 時が止まる 』 とはこのことだ。
10何人かいる先生達は、一瞬にしてこっちを見て固まった。
みんな口が半開きになり、?マークが飛び出している。
勇気を出してこの空気から抜け出そうと、
「すいません、僕達は福井県から来て日本一周している者なんで
すけど、あのぅ‥‥ここに車を置かせてください!」けんじ
‥‥シーン。 (無理かなぁ。。。)
その時、奥の部屋から40代後半くらいの強面の男性が出てきて
オレ達の方に向かって、 ものすごい形相 で歩いてくる。
(ひえぇー!殺される!)‥‥すると、
「私はここの教頭だ。どんな事情であれ、学校の駐車場を
貸すことはできない!」
「は、はい!すいませんでした!」帰ろうとすると、
「‥‥だけど、わたしも昔は旅をしていたから旅人は好きだ。
よかったら詳しい話しを聞かせてくれ!」
と、空いている教室に案内された。
見た目はすごく堅そうな ガンコ親父 って感じだったので
予想外の出来事にただ驚いた。
オレ達の名前、年齢、住所、体重、好きなお笑い芸人、
そして…、沖縄へ行きたいこと、一ヶ月間車を置かせてもらえる
場所を探しているということ、などオレ達のことは 包隠さず話した 。
教頭先生も最初は怪しんでいたが(当然だろう)、
少しは信用されたみたいで、前より 優しい顔 になっていた。
そして、
「よし、わかった!串木野という所にある、わたしの実家。
嫁に言っておくから車はそこに停めなさい。」
「えっ!い、いいんすか!?」
「君達みたいな若者、わたしは好きだ!沖縄から帰ってきた
時の、土産話を楽しみにしているよ!」
「あ、ありがとうございます!!(涙)」
大龍小学校、バンザーイ!!教頭先生バンザーイ!!
(本当にうれしくて、教頭先生に抱きつきたかった!けど、やめた…)
少しでも早く行きたかったので、今日車を停めに行って
明日の昼の便で 沖縄に行こう!となった。
仕事の忙しい教頭先生は、今日は家に帰れないみたいで
残念ながら ここでのお別れとなった。
串木野までの地図を書いてもらい、 「行ってきます!」
と言い、握手して別れた。
鹿児島市内から串木野までの道のり、約1時間。
辺りはすっかり暗くなって、道もどんどん田舎っぽくなってくる。
「ほんまにえぇ人やったなぁ!行ってよかったわ!」ゆーすけ
「そやなぁ!でもなんか、うまくいきすぎて怖いわ!」けんじ
(…確かに。) →串木野到着!!
ピンポーン♪ 「はぁーい!」
教頭先生の奥さんはどんな人か楽しみに待っていると、
まぁ、 ベッピンさんではないか!!
あの教頭先生からは想像もつかない奥さんの よし子さん は、
優しい顔で二人を迎えてくれた(笑)
車を車庫に入れさせてもらい、 「コーヒーでもどうぞ」 と
言われ、実家に上がらせてもらった。
そこには、 外人が一人? と、オレ達と同じくらいの 男が二人? と
犬が一匹 いて、みんな驚いた顔でこっちを見た。
「はじめまして!」 と挨拶をしながらも、心の中では
どういう家族構成やねん! とツッコミざるを得なかった。
聞くとまず、外人はアメリカからホームステイできている
17歳のシャイボーイ、 ガス 。 教頭先生とよし子さんの息子は、
大阪に行っていていないけど、その友達の たけさん と つるさん が
ガスと遊ぶために家に来ている。(犬の プル もかわいい♪)
少し遅れてたけさん、つるさんの友達である、 もろさん 、 しおさん も
やってきた。そして、よし子さんとガス、たけさん、
つるさん、もろさん、しおさんからオレ達に 質問の嵐!
オレ達も負けじと、 質問しまくり!
すぐにみんなと打ち解けて、4人とガスでファミレスに行った。
お金のないオレ達のことを気遣ってくれて、
「なんでも好きなもん食べろよ!」 と言ってくれた。
遠慮せずに食いまくった!
夜も遅くなり、たけさんが
「明日、港まで送ってくから今日はウチ泊まっていけ!」
と、言ってくれた。よし子さんとガスに別れを言い、
もろさんとしおさんとも別れた。
つるさんとオレ達で、たけさんの家にお邪魔して、
久しぶりの布団で死んだように眠りこけた‥‥ZZZ
あれっ?
昨日まではあれだけ悩んでいたオレ達。
日本一周がなくなりそうな雰囲気だったのに、
今のこの全く正反対な状態。
なぜ?
大龍小学校に行ったから。ただそれだけ。
絶対いける!と思いながら、ほんの少しの勇気を出し
たった一つの行動をとっただけ。
全然たいしたことはしていない。
『 毎日が冒険 』
高橋歩が言っていたことを思い出した。
どれだけかっこいい事を考えていたとしても
どれだけかっこいい事を言ってみても
やらなきゃ終わりだ
実際に行動することが大事なんだ
実際に行動すること、行動すること‥‥行動‥行動、行動‥
朝。 鹿児島に来て初めての、 気持ちのいい朝 。
オレ達の沖縄行きを祝ってくれるかのような太陽の日差し。
たけさんの愛車に乗り込み、 「SAM41」 を聞きながら
ノリノリで鹿児島港に向かう。
途中、たけさんとつるさんがなにやら ヒソヒソ話 ‥‥。
気にもとめず、思い描く沖縄の海。
港に着き、フェリー乗り場に向かおうとする ゆーすけ と けんじ の
手を引っ張り、 ゆーすけ の手には 『ラークマイルド』 、
けんじ の手には 『パーラメント1』をそっと渡す。
「えっ??」 ゆーすけ と けんじは突然のことに驚く。
しかし、二人の言葉を遮るかのように
「気をつけて行ってこいよ!」たけさん
「一ヵ月後、大きくなったお前らを楽しみに待ってるぞ!」
つるさん
昨日オレ達の吸っていたタバコの銘柄を、覚えておいてくれて
さっき、買ってくれたんだ‥‥
あまりの驚きと、こみ上げてくるうれしさに
ゆーすけ と けんじ は、うっすらと目に涙を浮かべながら
「ほ、本当に…ありがとうございます!」ゆーすけ
「帰ってきたらまたしゃべりましょう!」けんじ
「じゃーな!バイバーイ(笑) 」たけさん、つるさん
「バイバーイ!!(笑)」ゆーすけ、けんじ
たった一日、いや、 数時間 一緒に過ごしただけなのに
よし子さん、ガス、たけさん、つるさん、もろさん、しおさん。
会ったばかりのオレ達に、気を使わせることなく、
家族のように 、 親友のように 、優しく楽しく接してくれた。
お礼の言葉も見つからない。
ゆっくりと動き出すフェリーの上から、鹿児島にしばらくの
別れを告げた。
そして、遠く沖縄の島へ‥‥‥ 続く