食事量が足りない動物に胸が痛む時 Praticiens à faible revenu | 天パパパは動物のお医者さん

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天パパパはアウェイな動物のお医者さん。獣医師になろうと思ってなった訳ではないからこそ見える世界を書いてます。獣医師、講師、夫として感じる恋愛を綴ってます。趣味はパフェ巡り。TWICEの김 다현と元宝塚の花總まりさんとFemme séduisante qui parle français&CPの推し活中

うちの動物病院では、受付の際に予算の有無や希望金額を看護師に伝えられるような配慮があります。





予算がある場合は、予算に合わせて治療方針を組み立てたり、金銭的な配慮をします。





それでもって、特に予算希望のない犬を診察したんだけど。





背骨が触れるくらいの痩せ方に、病気かなと一瞬思ったんだけど、よく食べるという飼い主の返答に、問診を続けていくと、なんとなくピンときました。






新米の獣医師なら、血液検査をしましょうと言ってしまうような病的レベル。





肥満の犬や猫に「ちょっと減量しましょう」と促す事はよくあるけど、






「食事を増やしてくださいね」って言うフレーズって、原因を察してしまうと、ちょっと苦しくなる。




 


診察後に看護師から聞いたんだけど、「スーパーならドッグフードは安いかなあ、野菜を追加しようかなあ」とご夫妻が待合室で話していたそうです。






この犬のフィラリア予防薬は、僕の一存で半額以下で処方しました。






その分でドッグフードを買って欲しいから。






犬がお腹を空かせてるなんて不憫でならない。






お金がなくても治療や予防をしようと思うだけでも立派だと思う。





動物医療は、人間である飼い主の生活があってだから。





お金がない時には真っ先にカットされる部分。






僕は、お金がない人の気持ちを最大限汲んであげられる獣医師でありたい。






ここは譲れないポリシーがある。






稼いで年収を高くするために獣医師をやってる訳ではないし。





「開業獣医師の平均年収は1400万くらいってデータがあるらしいよ」って妻に言われたけど‥ へーって感じ。






そのデータに入るなら、僕はぶっちぎって底辺所得の開業医なんだけど‥





夢とか目標は人それぞれ。その想いをどこまで叶えるか、自分が必要とされているか、そこは年収でははかれないものなんだけどなあ。







とりあえず、この診察後にスタッフと意見を出し合いました。





それは、飼い主さんたちの気持ちに看護師が常にアンテナを張って、気持ちを汲みながら動物医療に携わって欲しいから。





そういう動物病院作りが僕の夢なんで。