ケンタウルス座~個人と個を超えたレベルの意識をつなぐもの カイロン・フォロス・ネッソス | ホメオパシー ビューティー ラボラトリィ 912

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KANAZAWA HOMOEOPATHY
912 Queenie Laboratory

カイロン(2060 Chiron)キロン

 

ケンタウルスグループのリーダーとみなされている。実に、1/3の時間を、土星の軌道内(つまり木星・土星間)で過ごすので、内惑星であり、外惑星でもある。その残りの軌道は、土星と天王星の間にある。そのため、土星が表す肉体と人生の目的のなかに、斬新な展望や叡智を特徴とするウラニアン意識のいかりを下ろすことの象徴である。自己変容の旅、魂や傷の治療、そして個を超越したアイデンティティーによって宇宙という子宮に入ることにかかわりがある。

 

神話では、カイロンは、見捨てられたサタンとニンフ・ピリヤの息子であった。彼はアポロに育てられ、多くの技能を身につけた。カイロンは、こうして数多くのギリシャのヒーローのよき指導者、訓練者として、予言、癒し、狩猟、アーチェリーなどを教えたのである。彼は、偶然にもヘラクレスによってけがをしたが、不死身であるので、死ぬことができなかった。しかしながら、彼には自らを癒すことができず、毒を塗られた(ヘラクレスが、その弓矢を浸したヒドラの血を含んだ)傷の苦しみに、さいなまれた。最終的に、カイロンは、山の岩につながれ、来る日も来る日も、ワシに肝臓をついばまれるという拷問を受けていたプロメテウスと、運命を交換した。この契約によって、カイロンは死ぬことが許され、ケンタウルス星として、宇宙に送られたのである。

 

 

フォロス(5145 Pholus)フォルス

 

このケンタウルス星は、1992年に発見され、土星と海王星の軌道間を、常軌を逸して移動している。神話では、フォロスは、シレヌスと灰のニンフとの息子である。彼は名高い予言者、易者であり、ディオニッソスに与えられた、ワインの入った神聖な瓶を守っていた。洞窟にケンタウロス を訪れたヘラクレスは、食後に、このワインを所望した。しかしながら、ワインを開けると、たちまち酔わせるようなにおいが漂い、そばにいたケンタウロスを、残らず凶暴にした。これは、惑星のカイパーベルトに対する(ワインと酔った状態をつかさどる)ネプチューンの影響に相似している。ヘラクレスは、暴れまわる彼らに向けて、ヒドラの血で毒された矢を放ち、多くを殺し、(既述のように)カイロンを傷つけた。フォロスは、ヘラクレスの弓の力にあまりに驚いたので、その1本をよく調べた──が、取り落とし、それが足に刺さったため、自らの命を落とした。カイロンが、長期間にわたって苦しんだのに比べ、フォロスの死の運命は、突然であり、痛みを伴わなかった。占星術では、フォロスは守護者であり、神聖なる液体のシンボルであり、幻覚を起こさせる植物であり、集合的な夢のような現実である。フォロスは、ネプチュニアンの集合体の至福と恍惚のなかに入るために、個人的な意識を溶解する。ヘラクレスの勇気と勇敢な行動だけが、恐怖と混沌の破壊的な力に立ち向かうことができるのである。そのため、フォロスは、義務と解放、秩序と混沌、そして制御と恍惚との間の対立をも表す。これには、薬物中毒の問題も含まれている。

 

 

ネッソス (7066 Nessus)ネッスス

 

このケンタウルス星は、1993年に発見された。この星の軌道は、楕円形で約124年と、土星の軌道を超えているが、冥王星の内側にある。天王星や海王星の軌道とは交差する。ネッソスは、ヘラクレスに起因する暴力事件の生き残りの一人である。エべナス川に着くと、ネッソスは、自ら船頭となった。その役割は、冥王星の支配下にあるハデスの黄泉の国への川を渡すカロンの役目に似ている。後に、ヘラクレスは洪水の最中に、妻のデイアネイラを伴って川を渡ろうとした。ヘラクレスは、ネッソスにデイアネイラを導かせることに同意すると、自分は先に水中を歩いて渡った。ところが、ヘラクレスが後ろを振り向くと、ネッソスがデイアネイラを犯そうとしていたので激昂し、ヒドラの血の毒に侵した弓で致命傷を負わせた。死の間際に、ネッソスはデイアネイラに、どうにか自らの血(おそらく精液と混じったもの)を渡し、それは、ヘラクレスの彼女への貞節を守らせるほれ薬であると約束した。しばらく後に、ヘラクレスが競技のために遠出する折に、デイアネイラは、それを使うことに決め、そのローションを彼のチュニックに塗りつけた。しかしながら、彼女は、弓についていたヒドラの血が、その死の間際にケンタウロスの血に混じっていたとは、夢にも思わなかった。ヘラクレスは、服を腐食し、肉をも蝕むこの毒の作用によるひどい苦痛にさいなまれたが、その服を引きはがすことができなかった。結局彼は、その拷問から免れるために、薪で焼かれて死ぬことを望んだ。彼は、天国でヘラクレス座として、不滅の存在になったのである。

 

ネッソスのテーマには、報復と過去世における行為のカルマ的な結末が含まれている。その魂の未完の取り決めが、表面化する。使者のみが、自らの死を招くことができるというのは、ヘラクレスに与えられたお告げである。そこには、お膳立て、罠、あるいは何らかの形で犠牲になるような要素も含まれている。それは、この話のなかでのデイアネイラの役柄、そしてヘラクレスとネッソスの川での設定、そして、デイアネイラとの結婚生活に終止符を打つこと、そして/あるいは、ケンタウロスを殺すことであった。復讐の必要性もまた、この小惑星の特徴である。血液の毒性には、現代の人間に影響を与えている。HIV/AIDSをはじめとする多くの疾患に関係があり、それは、強い情欲にかられた性衝動(多くのケンタウロスがそうであった)の結果なのである。