学びを止めない、というのはこういう事なのかもしれない。 | パスカル進学教室 教室長のブログ

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千葉県茂原市にある学習塾、パスカル進学教室の教室長の雑記です。
学生さんや保護者の方々に役立つような情報を配信できたら…と思います。

塾をやっていると、
高IQの子がやってくるときがあります。

覚えている子はたくさんいますが、今日はY君の話を。
小学校の理科の授業で、
「金属を温めると、温める前に通った金属の輪を通らなくなります。
理由を考えてね。」と先生が言ったそうです。

実験を行い、話し合う。
Y君の話が、少しかみ合わない。なぜか?
他の生徒は「金属の体積が増えたから(輪を通らなくなった)」
だったのですが、Y君は
「(どうして金属が大きくなるのか?の理由を考えて)
 金属を構成している固まり(中学で原子と習うものですね)が
 少しスキマができるのではないか?」
だったからです。

Y君は教科書等で予習をしないタイプ。
教科書よりもさらに踏み込んで考えていました。
・体積が増えるのがスキマが原因なら、やわらかくなるのだろうか?
・かたいのに、スキマが出来たり戻ったりはあり得るのだろうか?
と、考えたものの、他の生徒から「何言ってるかわからない」と言われ、
他のグループの発表でも「金属の体積が増えたから」が正解。
「どうして金属の体積は増えるの?」と聞いても誰も答えてくれない。
そして、友達の「教科書にそう書いてあるし。」・・・

そこでY君は「なるほど。教科書で予習をすればみんなと話がかみ合わない、ということはないのか」と考えたそう。

この話を聞いて、彼の創造性が失われたらいやだな、と思ったので
「小学校の教科書ではそこまでしか習わないんだよね。
 でもね、これから先の勉強でもっと深い『どうして?』を学ぶことができるよ。
 例えば今回の金属は『熱膨張』って・・・」
と、色々話をして、
教科書を予習するのも大切だけど、そこからさらに踏み込んで色々考えると世界が広がることを話しました。


そんなY君から連絡があり、
来年から某大手機関の研究職として働く、と。
マニュアルのさらに一歩先へ、頑張ってほしいです。