中に飛び込み夜空が最初に見た光景は………闇だった

左右前後そして頭上、気が付いたら足元まで…………闇が支配していた

伸ばして指先が闇に溶けているみたで見えない

「 ここは部屋の中の筈だが………何なんだこの空間は………とにかく進むしかない」

夜空は恐る恐る歩き出した






緋色はカーテンを見つめながら

「………初めから狙っていたのか、いやそれはないか、ここに呼ばれる事なんて予想出来ないし……」

頭を振りそれを追い出すが

「呼ばれる事が初めから分かっていたら」

新たな事が出てくる

「魔法を使って倒れたのは……いやあの夜空だぞ、そんな考えができる訳が無い…………もしかしたら私の知らない顔があるのか」

長い付き合いではないが、それなりに夜空の性格は知っているつもりだ

人見知りで知らない人が近づいてくると直ぐに私の後ろに隠れる、後先考えずに魔法を放つ馬鹿で、それでも笑うと可愛い

「少し考え過ぎかな、それにしてもこの中はどうなっているんだ」

緋色は恐る恐るとカーテンに手をかけるが

「……動かない………何故……」

固まっていて動く気配がない

「夜空………大丈夫かな。早く帰ってきなさい、飽きるくらい怒ってあげるから」







何も見えない闇を歩いているが終わりが来ない

「とりあえず休憩しよう」

相変わらず周りは闇が支配していて何も見えない

「やはり可笑しい、こんなに歩いたのに終わりが来ない………まさか幻術なのか」

しかし魔女王が使うとは聞いたことない


「やはり来たか夜空」

なんとなくわかる

声は前方から聞こえてくるが正確な位置を知りたいから

「魔女王なのか」

時間を稼ぐことにした

「その通りだ、貴様らが言う魔女王だ」

「あまり驚いてないようだが」

「 あのカーテンを超えてきたのは貴様で二人目だ、普通の奴等なら怖くて動けないからな、やはり人見知りは何をするかわからないな」

「一人目は?」

「…………ゼロだ」

あれならやりかねない

「じゃゼロはあなたに会っているのか」

あと少しで居場所が分かる

「会っていないな、あいつ途中で気を失ったからな、あと少しだったのに残念だよ」

「じゃ私が会えば……」

わかった……あそこにいる

「一番目だな、何か褒美でもやる」

気づかれないようにゆっくりと歩を進めると辺りの闇が無くなってゆくカーテンが現れた

この先に魔女王がいる

「褒美ね………じゃ直に貰いにゆくよ」

夜空は一息入れてカーテンに手をかけ一気に引いた視界の先ににいたのは……………………





魔女王…………その真の姿を見た者はいない

……………七人組ですら…………多分いないが……

もしかしたらゼロなら………………




緋色は青ざめながら頭を地面につけ

「大変お見苦しいものを………許してください魔女王様、早く夜空も」

と頭を抑え地面につけた

「二人とも顔を上げよ」

それを聞いた夜空は一番に上げた直後私の背後に隠れた

「夜空!何をしているんですか?魔女王様の御前ですよ、早く私の横に来なさい」

しかし夜空が出てくる気配が無い

もしかしたら何処かに逃げたのではと思い振り返ると小さくなりいた

「まあよい、そのままで、さて今日は何故呼ばれたかわかっているだろうな」

やはりあの事だ

それなら本人が謝罪でも言い訳でもすればいいのに、当の本人は私の後…………

仕方がない

「夜空が魔法を使ったが、敵の殲滅に失敗した上に気を失ってしまった………私がいなかったら命が危なかった……ですか」

話しながら後を見るが、相変わらず小さくなっていた

「その通り、夜空は魔法を過信しすぎる、そういう事が起こる可能性も計算しながら使わないといけない、緋色は夜空が魔法を使う時は周りの安全も確認するべきだ、何かあったら直ぐにかけより魔法を止めるべきだった、二人とも悪いと言える」

魔女王様の言うことは分かるが何か納得できない

真理のカードは使われないとわからない

気がつくと夜空は横にいた

相変わらずぼーとしていて何を考えているかわからない

「さて何か言う事はあるか」

「……………真理の……」

その直後、横にいた夜空がいきなり動いて

(夜空……何をする気………)

カーテンに手をかけて

(……まさか……)

少し開いて

(魔女王様の姿が見られるかも……いやそれはまずい、止めなくては、止めなくては、止めなくては!)

意外すぎる行動に体が動かない

その中に飛び込んでいった

「えっ?夜空?夜空!魔女王様ってどんな姿をしているの」

カーテンの中からの返事は無かった



ここは闇の世界

とある村に俺と夢枕が宿泊していた

神に誓って言う

別に変な事はしていない

それに嫌がる夢枕を説得して部屋は別々にしてあるが、夢枕がおしかけてきているから、あまり意味がないが

「 ねぇあなた、こんな事してるとまるで新婚旅行みたいだね」

「そうだな」

と言って夢枕を見ると満面の笑顔だ

目は見えない筈なのに、見えているみたいにこちらを見ている赤い瞳を見ていると、吸い込まれそうな感覚になり思わず視線を外す

(ほんとは見えているのでは)

時々そんな考えが頭に浮かぶが頭を振りそれを追い出す

「それよりもうすぐ夕食だな、食べたいものあるか?」

「私………あなたが食べたいな」

「それは却下な」

「(チィ)それよりお願いがあるんどけど」

今確かに舌打ちをしなかったか

「 初詣に行きたいな」

「えっ?この闇の世界にもあるのか」

「あるよ、何でも叶えてくれる万能な神様がいる神社だよ」

何でも叶えてくれるって凄くないか

それより気になる事を言っている

「神様ってあの神様なのか」

「あれ以外は無いと思うけど」

まあ今いるのは闇の世界

神族がいても驚かないが

「近いのか」

「えっと……少し歩くかな、山道を」

「仕方ないな、じゃ行くか」

あれから山道を登ること一時間、目的地に着いたがそこは

「夢枕………ここがそうなのか」

「あなた間違いなくここだよ」

氷結の洞窟の前だった

中にいるのはドラゴンのアリルの筈

「さあ中に入りましょう」

俺はいつでもあの薬を使える様にして中に入ったら、人で溢れていて、一番奥に神社らしき建物があった

「前は無かったぞあんな物」

もしかしたら戦いに集中していて見えてなかったとか

そして前方から

「これは馬鹿夫婦、まさか初詣に来たのかそれならガッポリと賽銭をしてゆけよ」

アリルが近づいてきた

「お前ドラゴン族だろ、神社なんてしていいのか」

「瑛太知らないのか、この闇の世界ではドラゴンは神様なのだ、さお早く崇めなさい沢山賽銭をしなさい」

「この前は無かったぞ」

「この時期限定だ、ドラゴン族も金欠で何かで稼がないといけないからな」

ドラゴン族も金次第か

「 あなた早く御参りしましょう」

夢枕に急かされて賽銭箱の前まで来ると

「おなたと何時までも仲良くできますように、あと沢山の子供が欲しいです、九人、十一人…………よろしくお願いがします」

そんなに作って何をする気だ

まさか

九人…………野球

十一人………サッカー

そんなことないわな

「あなたお願い事した?私は済んだよ」

俺の願い事は

(キラリンが早く元に戻りますように、それと夢枕と何時までも……………………)

「終わったぞ」

「じゃあなた早く帰って晩飯にしましょう、じゃアリルちゃんばいばい」

「おう、また来年も来な、馬鹿夫婦」

来年も闇の世界にいたら考えてやるが

こうして氷結の洞窟を後にした