カンザシギボウシの見分け方 Identification of H. nakaiana | 温泉とギボウシ・・・ときどき猫

温泉とギボウシ・・・ときどき猫

ブログの説明を入力します。

カンザシギボウシは 長崎県 愛媛県 徳島県 三重県 そして韓国に 自生している

渓流沿いの石灰岩質を中心に 見られる


カンザシギボウシは その学名を Hosta nakaiana  藤田博士(1976) Schimid博士(1991)

その種小名は 昭和初期 植物分類学を 指導的に進めた 中井猛之進博士に 由来する


中井博士(1930) 前川博士(1935)は イヤギボウシ Hosta capitata と記載している

capitataは 「 頭状の 」 と言う意味

イヤギボウシも カンザシギボウシと同種として 扱われることがある



それでは カンザシギボウシ 同定のポイント



①  『 葉は 披針形 片側脈数は4~7本 』
    『 葉縁は 波打つ 』
 『 葉脚は切形 葉と茎が はっきりと 区別できる 』

イメージ 1


上は 韓国済州島産の個体



②  『 葉裏脈上は ざらつかず 滑らか 』

イメージ 2


カンザシギボウシは殆どざらつかず イヤギボウシはざらつく これが 両種を見分けるポイント



③  『 花茎は 稜状 苞は厚く碗状で 開出しない 』

イメージ 3


オトメギボウシも稜状となるが それほど稜の本数が 多くない



④  『 花茎の先端に 花が集中する  苞は開出せず 開花時に萎れ始める 』

イメージ 4


この花のつき型が 髪飾りの様で カンザシという名の 由来となった 

他のギボウシと見分ける 最大のポイントとなる



⑤  『 花は濃い紫色 白い奥中央部に 脈が一本はっきりと入って 独特な色彩 』  

イメージ 5


この花の色彩型は 花茎が稜状となる オトメギボウシにも 似ている



⑥  『 花期は6月~7月 』

イメージ 6


花期は比較的 オトメギボウシよりも 少し早目



一般に カンザシギボウシ ( Hosta capitata ) とされることがあるが 

ここでは イヤギボウシとの 形態学的異同を認め 別種とした


それにしても これほどまでに 形態学的特徴を 風情に乗せて 命名した 

先人のセンスに 驚くばかり 


・・・・・ 毎年 花が咲くと この花を切って 女性の御髪にと 思うのだが ・・・・・