動物が可哀想な目に遭う話です。


動物好きの方

毒親トラウマがある方

Uターンお願いします。





小学生の頃、ハムスターを飼っていました。




今でこそ母親はモラハラ系ネチネチタイプの毒親ですが

若かりし頃はハイパー多動系暴力親でした。




ある日

いつものようにたわいもないことで母が大爆発。

怒った原因は全く覚えてません。

記憶に残らないくらい些細なことで怒るのが日常茶飯事でした。



ハムスターのケージを思いっきり投げつけました。




もちろんケージは大破。




壊れたケージの中から泣きながらハムスターを探しました。






ハムちゃんは奇跡的に無傷。






ただ、大破したケージの代わりになるような物が

家には無く…


仕方なく段ボールにおがくずを敷いて飼うことにしました。






数日後

案の定、段ボールを掘ってハムちゃんが脱走




その時は運良く廊下で発見。

すぐに捕獲して事なきを得ました。






やはり段ボールでは無理です。


でも、ケージを母にねだっても買ってもらえず…。

誤魔化し誤魔化し段ボールで飼育し続けました。


昔からそうです。

バツが悪いのか、プライドが傷つくのか、非を認めるのが嫌なのか… 

自分が暴力で破壊した物を、治したり購入したりすることは一回もありませんでした。






ある日、またハムちゃんが脱走しました。



家中大捜索。

でも、探しても探しても見つからない…。




必死の形相でハムちゃんを探す私に母が一言。

「トイレに落ちてたよ。」






絶句。




当時、実家はボットン便所でした。

相当深いです。




急いでトイレに行き、穴を覗き込みます。




真っ暗で何も見えない。


けど微かに、か細い「キィ…キィ…」という声が奥から聞こえてきます。






子供心ながらにもう無理だと分かりました。



でも諦めきれず、持っていた100均のバトミントンのラケットで拾い上げようとしました。




もちろんそんな物でボットン便所の底まで届くわけがありません。




それでも


もしかしたらハムちゃんが、自分の力でラケットを掴んでくれるかもしれない。


爪先だけでもラケットの網に引っ掛かれば、助けられるかもしれない。



そう思ってトイレの穴にラケットを差し込み続けました。




いつまでもトイレから出てこない私に、母は

私さっきトイレしちゃったもん。もう無理だよ。諦めなよ。」

との衝撃発言。




「なんでハムちゃんいるのにおしっこするの!?」

「ハムちゃんにおしっこしてから私に知らせたの!?」

「なんで先に知らせてくれないの!?」




大激怒で母に詰め寄りました。

(小学生の語彙力なのでもうちょっと支離滅裂だったかもしれません。)




母は

「だってしょうがないじゃん!」

「トイレ使うなって言うの!?」

とこれまた大激怒。






結局ハムちゃんは救い出せず、声は聞こえなくなりました。






絶対にトイレで用を足したくない。

でも、用を足さないわけにはいかない。




ハムちゃんの件の後初めてトイレで用を足す時、とてつもない罪悪感に襲われました。


「ごめんなさい、ごめんなさい…」

と言いながら、泣きながら用を足しました。






後日


学校でペットの話になることがありました。


友達がハムちゃんの話を振ってきました。




どうして良いか分からず、正直に事の顛末を話しました。




すると

「なんで見捨てたの?」

「可哀想!」

「お風呂でおしっこすればいいじゃん!」

「ボットン便所の汲み取りの業者さんに助けてもらえばいいじゃん!」

という返事。






…今思えば

可哀想、と感じるのも

業者に助けてもらえば、と提案するのも

小学生らしい真っ直ぐな優しさだったと納得することができます。


でも、あの時の私にはとても辛かったです。



お風呂で用を足すなんて思い付かなかった…。

親の助け無しに業者を呼ぶことなんてできない…。

できたとしても、母に許してもらえるわけがない…。

業者がそこまでしてくれるかも分からない…。


色々言いたいことはありましたが


母がダメと言ったものはダメなんだ。

だから私は諦めるしか無かった。

なのに何でそんなこと言うの?


当時の私はそんな風に思っていました。






私は未だにボットン便所が苦手です。

この令和の時代にボットン便所なんてめったに出会わないですけどね



特に

底の見えない、深くて暗いボットン便所は大嫌いです。



あの暗闇から、ハムちゃんが私を恨めしそうな目で見ているような気がしてきます。



亡骸もなく

お墓を作ることさえできず

あんな最期を迎えさせた癖に、冥福を祈ることさえおこがましい


ハムちゃんには、ただただ申し訳なく思うことしかできません。