皆様、こんばんは。
今日は飯岡層で一番良く採集できる多産種です。
この化石が張り付いている岩を見付けて割るとハズレ無しで色々な貝類やウニ、珊瑚が採集できます。
たくさん画像を用意していますので、お楽しみ下さい。
【第1標本】
イタヤガイ科
学名 : Amusium languidum Ozaki, 1958
殻長 : 22.37mm
殻高 : 22.53mm
産出頻度 : 多
特徴 : 殻は円形で小型。殻質は薄く半透明で膨らみは弱い。殻表には両殻ともに微細な輪脈が周縁付近に認められる。耳状部は小さく、大きさはほぼ同程度。
右殻と左殻とは大きさが異なり、左殻の方が右殻より一回り大きい。
【第1標本 周縁付近の輪脈拡大画像】
【第2標本】
殻長 : 19.61mm
殻高 : 19.89mm
【第2標本 耳状部拡大画像】
【第2標本 周縁付近の輪脈拡大画像】
【第3標本】
殻長 : 22.84mm
殻高 : 23.90mm
【第4標本】
殻長 : 22.13mm
殻高 : 23.22mm
【第4標本 耳状部拡大画像】
【第5標本】
殻長 : 24.11mm
殻高 : 23.41mm
【第1合弁標本】
右殻 殻長 : 22.30mm
右殻 殻高 : 22.53mm
左殻 殻長 : 19.25mm
左殻 殻高 : 19.09mm
【第1密集標本】
やや散在型の密集標本。保存状態が良好である。
【散在型の中にあった保存良好な標本】
【第2密集標本】
折り重なるように多数の個体が密集している。ただし、保存状態は良く無い。
これらの標本は『千葉県立中央博物館』のデシダルミュージアムでは、『アラスカニシキ』と鑑定しています。
しかし『アラスカニシキ Parvamussium alaskaense (Dall, 1871)』の特徴である左殻に認められる弱い放射肋や15本前後の内肋が、この産地から産出する当該化石からは認められません。また、右殻の輪脈も周縁付近以外は認められません。
故に明らかに『アラスカニシキ』とは異なります。
【日本近海産貝類図鑑のアラスカニシキ】
しかし、1個体だけ良く観察をしたところ『アラスカニシキ』に認められる弱い放射肋が確認できる個体がありました。でも15本あるはずの内肋が1本も確認できませんでした。やはり『アラスカニシキ』では無いようです。
【周縁付近に弱い放射肋が認められる標本】
【周縁部の拡大画像】
もしかしたら『アラスカニシキ』の祖先に該当するのかもしれませんね?
(´・ω・`)?
次回で二枚貝は最後の掲載になります。
二枚貝の最後の種類は勿論、あれですよ!あれ!( が、やはり『いちじく標本です!』)