皆様、こんばんは。
今日は飯岡層から産出した大型の『シラスナガイ科』についての考察です。
まずは、産出した化石を見てください!
【合弁標本 1】
殻長 : 35.52mm
殻高 : 31.03mm
殻幅 : 計測不能
【合弁標本 2】
殻長 : 26.41mm
殻高 : 25.04mm
殻幅 : 15.15mm
【離弁標本 1】
殻長 : 30.45mm
殻高 : 26.58mm
【櫛歯の形状を拡大】
【殻表の成長肋・放射肋を拡大】
【離弁標本 2】
殻長 : 30.19mm
殻高 : 26.61mm
【櫛歯の形状を拡大】
【殻表の成長肋・放射肋を拡大】
飯岡層から産出した、これらのシラスナガイ科は、当初は『オオシラスナガイ』だと思っていました。
しかし、先日、ネットで『千葉県立中央博物館』のデジタルミュージアム『犬吠層群の化石』をみていたところ…
当該、シラスナガイ科の化石を『ミノシラスナガイ Limopsis uwadokoi ( Oyama .1951 )』と掲載しています!
あれ? あれ? (´・ω・`)?
早速『ミノシラスナガイ』について調べてみました!
【 日本近海産貝類図鑑 】
和名 : ミノシラスナガイ
学名 : Limopsis uwadokoi Oyama.1951
殻長 : 32mm
殻高 : 25mm
特徴 : 楕円形、後腹隅方向へのび、膨らみは弱い、殻表は平滑、腹縁は平滑。
※ 生息地域や生息水深についての記述なし!
【 原色 日本貝類図鑑 】
和名 : ミノシラスナガイ
学名 : Limopsis uwadokoi OYAMA
特徴 : 殻は類円形で後部僅かに延びる。殻表には長毛の厚皮を被り脹れは弱い。彫刻は甚だ微弱で、鈎面はやや長く歯も僅かに多い。本州東北部以北80~100fms.
ちなみに『オオシラスナガイ』の記述を見てみると…
【 日本近海産貝類図鑑 】
和名 : オオシラスナガイ
学名 : Limopsis belcheri Adams & Reeve. 1850
殻長 : 32mm
殻高 : 25mm
特徴 : 楕円形、後腹隅方向にのび、膨らみは弱い。殻表はほぼ平滑。殻皮は褐色、粗い毛皮状で厚い。腹縁は平滑。銚子 ~ 九州、水深 100~800m、砂泥底。
【 原色 日本貝類図鑑 】
和名 : オオシラスナガイ
学名 : Limopsis tajimae SOWERBY
特徴 : 殻は後方に延びて斜楕円形で毛皮がある。殻表の彫刻は甚だ微弱である。他は殆ど前種 (シラスナガイ)同様であるが内縁は刻まれない。本州東北部以北80~100fms。
なんだ、なんだ、なんだ!(´・ω・`)?
おい、おい、おい!おい!(´・ω・`)?
図鑑の解説文を読んでも画像の殻形状をみても『ミノシラスナガイ』と『オオシラスナガイ』の特徴の違いが全く見えてきません…
強いて違いをあげるならば、毛皮の濃さだけ…
化石は毛皮付いていないし… (*ToT)
そうだ!私は既に『オオシラスナガイ』を採集していました!
静岡県掛川市の大日層から産出する大型のシラスナガイ科は『オオシラスナガイ』と判定されています。
以下に画像を掲載します。
【大日層産出 オオシラスナガイ】
【離弁標本A】
殻長 : 26.79mm
殻高 : 23.14mm
産地 : 静岡県掛川市大字細谷
【櫛歯の形状を拡大】
【殻表の成長肋・放射肋を拡大】
【離弁標本B】
殻長 : 29.21mm
殻高 : 26.41mm
産地 : 静岡県掛川市大字細谷
【櫛歯の形状を拡大】
【殻表の成長肋・放射肋を拡大】
おい、おい!
飯岡層で採集した『シラスナガイ科』の二枚貝とどう違うのよ!(´・ω・`)?
毎度の比較方式で違いを見つけて……
『飯岡層産出の化石と大日層産出の化石を比較』
【離弁標本Aと離弁標本1を比較】
右側 : 離弁標本A (飯岡層産出)
左側 : 離弁標本1 (大日層産出)
【離弁標本Bと離弁標本2を比較】
右側 : 離弁標本B(飯岡層産出)
左側 : 離弁標本2(飯岡層産出)
う~ん、う~ん???
どうみても同じ種類です!
(´・ω・`)?(´・ω・`)?(´・ω・`)?(´・ω・`)?
誰か助けてぇ~ (´д`|||)