印旛沼周辺の化石 その76 | 関東化石採集の旅

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5月19日(日)に腕足小僧さん、石灰藻さんとの化石採集で新に採集された二枚貝を本日はアップいたします。



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タマキガイ科
和名 : ベンケイガイ
学名 : Glycymeris ( Veletuceta ) albolineata
殻長 : 71mm 殻高 : 59mm
産地 : 千葉県印西市大字吉高字仲村
産出層 : 下総層群 木下層
産出頻度 : 運
特徴 : 殻は丸みのある亜四角形で大型。殻質は厚くやや膨らむ。殻表には針で突いたような小刻点がある。内側の靭帯面は平滑、歯板が長い。

現世種は、北海道南部~徳之島までの水深3~20mの砂泥底に生息。

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靭帯面と歯板を拡大しました。
他のタマキガイ科では、殻頂付近の歯板は連続しません。

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殻表の一部を拡大しました。




何百枚もの『タマキガイ』を確認して、ようやく『ベンケイガイ』が発見できました。
感無量です。(^_^)v

ちなみに千葉県南部地域の下総層群 上泉層からは『ベンケイガイ』がたくさん採集できますので、化石としては珍しい種類ではありません。










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シオサザナミガイ科
和名 : エゾマスオ
学名 : Gobraeus kazusensis
殻長 : 78mm 殻高 : 44.5mm
産地 : 千葉県印西市大字吉高字仲村
産出層 : 下総層群 上岩橋層
産出頻度 : 運
特徴 : 殻は小判形でやや大型。殻質は薄いが硬く、膨らみは弱い。殻表は細かい成長線を除いては平滑。殻頂は低く、背縁ほぼ中央に位置する。
木下層から産出する『アケボノキヌタ』に類似するも殻に透明感、色、光沢が無い。

現世種は、東北地方、北海道以北の潮間帯上部の砂泥底に生息。








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スエモノガイ科
和名 : フクレスエモノガイ
学名 : Thracia itoi
殻長 : 56mm 殻高 : 40.5mm
産地 : 千葉県印西市大字吉高字仲村
産出層 : 下総層群 上岩橋層
産出頻度 : 強運
特徴 : 殻は小判形でやや大型。殻質は薄く壊れやすい。膨らみは強い。後端狭く開く。殻頂はわずかに後傾する。右殻の殻頂には欠刻がある。殻頂から後腹隅へ鈍い稜が走る。後縁は丸みがある。殻表には顕微鏡的な顆粒がある。歯は無いが、右殻の歯丘は少し突出して靭帯を受けている。


現世種は、東北地方~北海道の水深10~50mに生息。



仲村の上岩橋層の露頭からは、今後もアップをしていない新らたな二枚貝が採集される可能性は大きいです。理由は『上岩橋層の貝化石を余り採集しないうちに鶴巻・舟戸の露頭が消滅してしまった。(T-T) 』ためです。
でも、この度、仲村で上岩橋層の露頭を新発見したので、この露頭が消滅する前に全力で採集をします。



明日は『掛川周辺の化石 二枚貝編 その4 』です。