MOON -12ページ目
どうにか振り払おうと足掻く
ねぇ誰か名前を呼んで
私はちゃんとここにいると教えて
窓の外の世界が少しずつ明るくなって
鳥の鳴き声が聞こえて
私はまだ世界と繋がれているのだと
安心する
トントンとiPhoneを叩く
モールス信号のように。
高層ビルの群れに囲まれる世界に
罵声罵倒が飛び交う世界に
飽き飽きして
ありもしないリセットボタンを
押してしまいたい衝動に駆られる
私が見たかった空は
何処かへ消えてしまった
昨日見た夢が
現実なのか夢なのか
分からなくて
ただ泣いていた、夢の中で
久々に聞いたその名前に
少しまだ動揺する私がいた
私の本質は変わっていない
変わりゆく世界を
椅子に座ってただ眺める
世界と私の間に
少しだけ摩擦を感じた
真っ白な朝がやってくる
朝に相応しいのは白だ
まっさらな今日がまた、やってくる
悲しいことは
私の世界が誰かによって侵食される事
誰かの些細な言動で
あっという間に崩れいく事
あっさりと黒く染まってしまう
あなたはきっと気付かない
いつものように笑う
私の心を壊すこと
気付かずに笑う

