ニューヨークの良心。誰にでも開かれた場所 ー「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。

ニューヨーク公共図書館は、私にとってはやはり

BANANA FISH」で知ったNYPL




・・・いい夢みたいね、と見過ごす司書らしき女性と、走り出す子どもを諭す母の声が聞こえるすぐ横で、英二からの手紙を握りしめ微笑むアッシュ・リンクス

ものすごく平和な景色の中で、彼が息絶える、という強烈過ぎるラストシーン




☆☆☆☆★




世界中の図書館員の憧れの的であり、ニューヨーク有数の観光スポット。本作の主役は、荘厳な19世紀初頭のボザール様式の建築で知られる本館と92の分館からなる世界最大級の〈知の殿堂〉ニューヨーク公共図書館だ。この図書館は、作家サマセット・モーム、ノーマン・メイラー、トム・ウルフ、画家アンディ・ウォーホルなど文学、芸術などの分野でも多くの人材を育ててきた。またここは世界有数のコレクションを誇りながら“敷居の低さも”世界一と言えるほど、ニューヨーク市民の生活に密着した存在でもある。その活動は、「これが、図書館の仕事!?」と、私たちの固定観念を打ち壊し、驚かす。

(公式サイトより)

http://moviola.jp/nypl/






2009「パリ・オペラ座のすべて」

2014「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝」


どちらも、フレデリック・ワイズマン作品なのよね。

なんつーかこの方、余計なモン入れずに記録してくのが上手すぎて、すんなり観れちゃうところがとても好き。

(音楽もつけないから余計にね)






「BANANA  FISH」ではNYPLはニューヨーク市立図書館と呼ばれていて

ごくフツーの図書館ぐらいに捉えてたけど図書館、なのに観光名所って時点でフツーのじゃないよねw

ストリートキッズでも日本から来た若者でも受け入れちゃう受け皿の広さ。





途中、ホームレスに対しての議論があり。

どう対応するか、の前に


NYPLにやって来る彼らと

共に、どうするか?


・・・を見てるんだ!と感じて

思わず唸った。

誰一人、切り捨てもしなきゃ見放しもしないのか!とね^_^





それはもちろんホームレスだけに関わらず

ネット難民へも

就職難民へも


偏見と差別と戦う人へも

子育てに迷う人へも

スタンスは同じ。




一緒に、共に

何ができるか?





・・・カーネギーの精神、ここに極まれり。といったところだけど

事はそう簡単には運ばない

考え、議論し、決めていかなきゃならない事は、山のようにある。

その過程に、まるで透明人間か幽霊スタッフかのようにカメラが入り込んでいるのだから、面白くないわけがない!






…これが、ホントの世界だからね。

と、無言のうちに念を押されてるかのようだよ。

それが、目指す世界への道のり、道半ばだとしても。





「アメリカの良心」とはジェームズ・スチュアートだけど

NYPLは「ニューヨークの良心」と呼んでもいい場所なのではないかしら。





後半、スタッフミーティングの中での話

“点を線に変える”が印象的。

「また次の企画か、と考えないで。

全部つながっているの」




これも、それも、次も、その次も

ぜんぶ、全部。





点を線に変える

「図書館は民主主義の柱」次の一手は必ず、つながっている。


この場所が

Public(公共:誰にでも開かれた)場所である限り。


誰一人、見放さない場所というヴィジョンを持ち続ける限りね^_^






(ニューヨークの街を走り続けた“奇跡のような生”が、安堵の眠りにつくには、おあつらえ向き過ぎる場所なのねT^T)





それも、数の仕合わせ。




★★★☆☆




《かずの葉の庭》主宰

|★|高橋 早苗プロフィール

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