赦しー「インビクタス/負けざる者たち Invictus」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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観る映画が、あなたの、わたしの、人生のヒントになる。
ここは、SCREEN(私設)研究所。

潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。

荒れた草地で
サッカーに興じる子どもたち

警官に先導された車が通ると
歓声を上げ 口々にマンデラの名を繰り返す

通りを隔てた向かい側は 整備されたグラウンド
ラグビーチームが練習している

コーチは忌々しそうに”歓声”を見つめ
呟く
「今日からが屈辱の始まりだ」



ー1990年2月11日
 ネルソン・マンデラ氏 釈放

そして彼は
全人種が参加した選挙で選ばれ
南アフリカ大統領に就任した





当時、マンデラ氏釈放と
初の黒人南アフリカ大統領就任のニュースを
TVで見たとぼんやり記憶している

アパルトヘイト(人種隔離政策)という言葉も。



国のトップは変わったが
状況は何も変わっていない

就任初日
荷物をまとめる前政権の職員たち
さらに警護班として公安がやってくる

彼を”マディバ”と慕う部下ですら
「あいつらに皆殺された」
と反発を隠せない

それでも大統領は
 「赦しが魂を自由にする」
と教え諭す
———警護班は新政権・多民族の象徴、笑顔でいろと。

そして
「銃に守られながら話したくない」
と彼らをドアの外に立たせ
全職員を集めて

「過去は過去。我々は未来をめざす。力を貸して欲しい」

と頭を下げる

 


ラグビーは
白人からもたらされたスポーツ

代表チーム スプリングボクスは
アパルトヘイトの象徴だ

白人は ボクスを応援し
黒人は 敵チームを応援する

当時大敗を喫し
「南アフリカの恥」と非難されていたチームの
エンブレムとカラーを変えようとする 国家スポーツ評議会

全会一致の採決にも
大統領はひとり反対する・・・



アフリカーナー(ヨーロッパ系白人)たちの宝物=ボクスを
取り上げたら
彼らの支持は得られない

謹み深さ
奥ゆかしさと
寛大な心を持て、と。





・・・まるで神様?
いや、彼もひとりの人間。
日課の早朝散歩、警護の者に家族は元気かと尋ね
「大統領のご家族は」と問われると
「家族?4300万人もいるよ」と散歩を取りやめ引き返してしまう。
・・・長いこと、誰も訪ねてこない家。


やっと会えた娘は
ボクスの主将と笑顔で並ぶ父の新聞記事を指し
「家から私たちを追い出した警官みたい」
と批判する

人種対立問題の根は深い
教会で配られる古着の中にあったボクスのジャージ
黒人の子は受け取らない
「本物よ」と首をかしげる白人
黒人は理由を知っている
「それを着ると殴られる」・・・




大統領は
 ”ひとつのチーム ひとつの祖国”
キャンペーンを展開
ボクスに ラグビーワールドカップPRの為
黒人地区の子どもたちへコーチを依頼する

スプリングボクスは
アパルトヘイトの象徴から
新しい南アフリカの象徴へと変わってゆく。


 「国民は誇れるものを求めている」




そして1995年
ラグビーワールドカップ開催

大方の予想を裏切り
勝ち進むボクス

だが優勝は?








好きなシーン

★ ラグビーは嫌いだ
 警護班のトップ、ジェイソンの口癖。


★ 国家スポーツ評議会へ乗り込む大統領。
 背後に立った部下に無線で伝える「スマイル(笑顔だ)」
 いやジェイソン、君が笑ってない。笑


★ 「彼のような人は初めてだ」
 お茶に招かれたスプリングボクス主将・ピナールの
 なんとも不思議そうな顔ったら!


★ 我々にも神の祝福が必要だ
 試合で南アフリカ共和国国歌を歌うよう伝える主将に、反発する選手たち。
 「強制はしない」と立ち去るピナールが冒頭を読んでみせる歌詞
 「神よ、アフリカに祝福を」


★ エリスパークスタジアムに近づくSAAジェット機!
 ・・・職権乱用な応援、大好きよ機長w


★ 「全国民4300万人の応援のおかげです」


★ どんな神であれ感謝する
 我が負けざる魂に