手にとって、なにげに開いたページには、あの赤。
短いアラスカの秋の、ピークが僅か一日だという、原野の秋色。
彼言うところの
『えも言われぬ美しさ』も、
上映会場に飾られていたパネルに比べれば
製本されて色が落ちているが、目にしたあの時の感触を思い出すには充分だ。
言葉にならない、ならなくても想うだけで充分な、あの。
第三番を観ていて、
「これから何度となく繰り返し観る(だろう)ものになってしまったな・・・」
と思ったんだ。
・・・彼は、南東アラスカのどこかで、
グラスファイバーのカヤックと出会ったろうか。
ダメだな、すっかりヤラれているよ(笑)。
この本も彼の死後編集されている。
今までに読んだものとダブるところが沢山ある。
彼の言葉は、それでいいのだとも思う。繰り返し繰り返し・・・
何ひとつ同じものなどない季節は、また来る。
くりかえしくりかえし・・・
ひとつ初めての話といえば、アフリカへの旅の話か。
ジェーン・グドール。
第四番。
『どれだけ多くの国に出かけても、地球を何周しようと、私たちは世界の広さをそれだけでは感じ得ない。
が、誰かと出会い、その人間を好きになった時、風景は、はじめて広がりと深さをもってくる。』
・・・そんな旅を私はまだ、していない。
まだ。
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