Winback 2 | ~ 嵐気に包まれて ~

~ 嵐気に包まれて ~

嵐さんのメンバーのお名前や雰囲気をお借りした読み物です。
腐的描写や暴力的シーンがあります。
気を付けてご訪問ください。
山、大宮、櫻葉、モデルズ、にのあい等、様々なCPのお話がありますので
お気に入りのCPでお楽しみください。

メンバーのお名前や雰囲気をお借りしたお話です。

 

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カートの前後左右を制服姿の警備員達が取り囲み、
瀟洒なロビーには似合わない物々しい雰囲気だ。

先ほど相葉の腕を掴んだ男は女性客個人の護衛のようで、
今はその斜め後ろにピタリと張り付いている。

 

「ひぇ~、すごい荷物ですね。それにすごい警備だし。

 佐々木さん、あの人いったい誰なんですか?」

 

相葉が目を丸くして女性クルーに尋ねる。

 

「ちょっと・・ほんとにわからないの?」

 

佐々木が呆れたように相葉を振り返ると、

「松尾香織様よ。
 VIPのお客様のお顔は覚えておきなさいって言ったわよね。」

少しいらだった口調で告げる。

 

「あ~、あの人が・・・。」

 

「研修の時に資料を渡したでしょう?

 他にもVIPの方が大勢いらっしゃるから失礼のないようにしてね。」

 

相葉にとっては今回がクルーズ船での初めての勤務で、
彼女は指導員のような立場なのだ。

 

 

 

 

「これはこれは、松尾様。」

 

キャプテンがオフィサー達を従えて松尾を出迎える。

 

「アルテミスのキャプテンを務めております石井と申します。

 この度は松尾太郎画伯生誕100周年記念式典に当艦を選んでいただき、
 ありがとうございます。

 式典の準備は全て整っておりますので、後ほど担当の者から
 ご説明させていただきます。」

 

松尾太郎とは5年前に亡くなった著名な画家で、今年が生誕100周年に当たるのを
記念し、このクルーズの期間中にパーティーと絵画のオークションが行われることに
なっていた。

松尾香織は松尾太郎の娘で、今回の式典とオークションの主催者だ。

 

「警備の方は大丈夫なんでしょうね。」

 

「勿論です。 松尾記念館と同等以上の厳重な警備態勢を敷いておりますので
 どうぞご安心ください。」

 

松尾画伯の絵画は国内外を問わず大変人気があり、かなり高額で取引されている。

オークションともなればそれなりの点数が持ち込まれるはずで、
警備態勢が物々しくなるのも無理はない。

 

「そう。 ならいいわ。」

 

松尾香織はそっけなくそう応じると、ハイヒールの音を響かせながら隊列の先頭を歩いて行く。

 

 

「なんか怖そうな人ですね。」

 

肩をすくめた相葉が声を潜める。

 

「いい? 松尾様のお荷物には絶対に手を触れないこと。

 ただでさえみんなピリピリしてるんだから、余計な騒ぎは起こさないでね。」

 

「アイアイサー!」

 

調子よく敬礼をする相葉に

「は~・・・まったく。」

佐々木がお手上げだとでもいうように両手を広げて天を仰ぐ。

 

≪つづく≫

 

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メンバー以外の名前がたくさん出てきちゃって面倒くさくてすみません。

覚えなくて大丈夫ですからね。

あと題名について1話の時に言おうと思って忘れてたんですが、本当は動詞で
"win back"となり、"奪還"とか"取り返す"という意味を込めてます。
どうしてかはおいおいね。

 

 

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