メンバーのお名前や雰囲気をお借りしたお話です。
最初のお話はこちら ⇒ 「夢見の部屋①」
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突然、パパとママのところに帰れるって言われた。
「えっ? 病気は?」
「治ったんだよ。
もう外に出てもいいんだ。」
「ほんと!?」
病気が治ったの?
特に治療もしてないし、身体の調子も変わったことはないけど・・・。
でもパパとママのところに帰れるのはすごく嬉しい。
松本先生が車で送ってくれたのは、前に住んでいたのとは違う家。
少し大きいし、新しくてきれい。
「ここが僕の家?」
「そうだよ。」
お引越ししたのかな。
「智、ここでお別れだ。」
「えっ?」
・・・そうだよね。
パパとママの所に帰るってことは、
先生とはお別れしなくちゃいけないんだよね。
哀しくて涙が出て来た。
「ふぇ・・えっ・・また会えるよね?」
「ああ・・・会えるよ。」
「うぇ~ん・・先生・・・。」
「ははっ、智は泣き虫だな。」
先生は僕を抱きしめて、背中を優しくさすってくれた。
いつもこの手に慰められてきた。
「智・・・。今まですまなかったな。」
「うっく・・えっ?」
なんで謝るの?
「ほんとに・・ごめん・・・。」
先生の手にぎゅっと力がこもる。
「せん・・せい?」
先生も泣いてる?
どうして?
先生も僕と別れるのが哀しいのかな。
だったら嬉しいな。
「ほら、もう行きなさい。
パパとママが待ってるぞ。」
先生が僕の涙を拭ってくれる。
温かな手。
「・・・うん。 ぐすっ・・・。」
「元気でな。」
最後に先生がとんっと背中を押してくれて、
僕は一人でうちへと向かった。
玄関を開けてくれたパパは、今にも泣きそうな顔で笑ってて、
その後ろには知らない女の人と、僕より小さな女の子と男の子がいた。
「智! お帰り!」
「パパ~!」
パパに抱きついてわんわん泣いた。
「元気だったか?」
「うん・・ひっく・・。」
「ははっ、大きくなったな~。」
「パパ、あの・・・ママとお姉ちゃんは?」
「ああ・・・。 パパとママは別れたんだ。
わかるか? 離婚したんだよ。」
「離婚?」
「彼女が新しいママだよ。
そしてお前の妹と弟だ。」
「智くん。よろしくね。
さあ上がって。ご飯にしましょうね。」
新しいママは笑顔で僕を家に迎え入れてくれたけど、
妹と弟だっていう子達は口をへの字にして僕のことを睨んでた。
≪つづく≫
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だめだ~。久しぶりに文字数制限で入らない。仕方ないので2つに分けて、続きは明日にします。
暗い場面はさっさとすませたかったんだけど・・・。
そして例によって主役の画像が出せないっていうね(笑)。年齢が若すぎちゃう。
インスタにアップされた2001年のほっそい身体(笑)。ほんとに華奢。
これって一年ごとのを出してくれるんでしょうか。