メンバーのお名前や雰囲気をお借りしたお話です。
最初のお話はこちら ⇒ 「夢見の部屋①」
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一人でぶつぶつ言っては一生懸命話しかけてくる。
夢で見た子と同じだったからびっくりしちゃって
言葉が出なかっただけなんだ。
それに同じ年頃の子と話すのもすごく久しぶりだったから。
「名前なんていうの?」
「僕は智。」
「智くんか~。よろしくね。」
「うん。こちらこそ。」
「初めて会ったけど、最近来たの?」
「ううん。もうずいぶん前だよ。」
「あれ? なんで会わなかったんだろう。
この研究所にいるんだよね。」
「うん。この建物。」
「へ~、ここにもいるんだ。」
「ここにもって?」
「俺はあっち。」
翔くんが指さしたのは3階建ての大きな建物。
同じような形のが3つ並んで建っていて、ちょっとアパートみたいな感じ。
「あそこには人がたくさんいるの?」
「え~っと、2つは研究室だから研究員の人がたくさんいるよ。
俺達訓練生は一番向こうのに住んでる。」
「訓練生?」
「下は7歳から上は14歳まで、今は15人かな。」
「そんなに?」
「うん。そっちは?」
「こっちは・・・僕一人。」
「えっ? 一人? ここに一人でいるの?」
「うん。」
「寂しくない?」
「寂しいけど、病気だから仕方ないの。」
「病気なの? 何の?」
「よくわかんない。」
「ふ~ん、すごく元気そうだけど。」
不思議そうに首を傾げる。
「だから外に出たのも初めてなんだ。」
「えっ? うそ!」
翔くんが目をまん丸くして驚く。
「ふふっ、ほんと。
翔くんは? よく温室に来るの?」
「ううん。たまたま通りかかったら智くんが見えたから。
俺、訓練をさぼって遊びにいくとこだったんだ。」
「さ、さぼって?」
そんなことしても大丈夫なのかな。
「だってさ。ただ走るのなんてつまんないでしょ?
球技とかならまだいいんだけどさ。」
「球技ってバスケットとかテニスとか?」
「そう。俺はサッカーが好きなんだけどね。
智くんは何が好き?」
「僕? 僕はどれもやったことがないんだ。」
「あっ、そっか・・・、ごめん。」
「ううん。」
翔くんは自由に外に出て何でもできるんだ。
なんだか羨ましい。
「智くん?」
翔くんが俯いた僕の顔を心配そうに覗き込む。
「あ、ごめん。なんでもないよ。」
「じゃあ、初めての冒険の旅に行こうか。」
「冒険?」
「そう。裏の林に小川があるんだ。
一緒に行ってみない?」
「えっ? でも・・・。」
「いいじゃん。行こうよ。」
一緒に温室を出て、裏側へと回り込む。
「ここから行くんだ。」
翔くんが木々のちょっとした隙間に足を踏み入れる。
「ここ・・から?」
林の中は暗くて、なんだか怖い。
「大丈夫だよ。ほら。」
翔くんが僕に向かって手を差し伸べてくる。
「あ・・・。」
これ・・・。
何度も夢で見た光景だ。
夢の中ではどうしてもこの手を取れなかった。
この手を取ったら何かが変わるのかな。
それとももしかしたらこれも夢で、一瞬で消えちゃったりするのかな。
「どうしたの?」
「・・・ううん。なんでもない。」
夢でもなんでもいいや。
この手を取って先に進んでみよう。
そう決心して翔くんの方へと手を伸ばした時、
「智? どこ?」
遠くから僕を呼ぶ声がした。
「あっ、やっべぇ。
こっちには入っちゃいけないって言われてるんだ。
怒られちゃう。」
翔くんが肩をすくめて舌を出す。
「智?」
先生の声が近づいて来る。
「じゃ、小川はまた今度ね。」
「あ・・また、また来てくれる?」
「うん。また来るよ。」
にっこりと笑うと、バイバイっと手を振って走って行ってしまった。
「バイ・・バイ・・・。」
もっとお話ししたかったな。
やっと会えたのに、僕、何も聞けなかった。
いつからいるのかな。
翔くんも僕と同じように夢を見るのかな。
≪つづく≫
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ダブルダッチ、みんな結構必死でしたね。相葉さんとかすごい飛びあがってる(笑)。
リスみたいな顔で食べてる潤くんをみんな不思議がってる時に、「問題です。問題ですよ。」って
言ってるニノさん。ほんとにすごい。潤くんの考えてることがわかった?
それともそれ聞いて潤くんが咄嗟に変えた?
鍋食べて汗だくの翔さん、「今、試合中」 (笑)。