阿吽 番外編 ~俺の陰陽師① | ~ 嵐気に包まれて ~

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嵐さんのメンバーのお名前や雰囲気をお借りした読み物です。
腐的描写や暴力的シーンがあります。
気を付けてご訪問ください。
山、大宮、櫻葉、モデルズ、にのあい等、様々なCPのお話がありますので
お気に入りのCPでお楽しみください。

相葉さんお誕生日企画の短編です。

現在連載中の「阿吽」の番外編となります。 なので、にのあいです。おねがい

 

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~和也語り

 

 

 

あれは俺が小学校3年生の時。

 

 

「や~い、嘘つき!」

「嘘は泥棒の始まりなんだぞ。」

 

「嘘じゃないもん!」

 

「馬鹿じゃないの?」

「あんなのアニメの話だろ?」

 

「違うよ。 だってほんとに・いたっ!」

 

クラスメートの投げた雪玉が肩に当たる。

3日前に降った雪は、陽の光で表面が溶けて氷のように固くなっていた。

 

「やった~! 命中!」

「よし、僕も。えいっ!」

 

ヒュッ! バシャン!

 

道路に落ちた雪玉がはじける。

 

 

 

 

小さい頃から人には見えないものが見えてしまった俺は、

その言動の奇妙さからクラスメートの格好のいじめの的だった。

 

友達なんて一人もいなかった。

 

 

バタバタ・・・。

 

「あっ、逃げたぞっ!」

 

必死に走って近くの公園に逃げ込んだ。

 

都会には珍しく大きな木々に囲まれた公園で、

北東の一角には小さな神社があった。

神社の近くは妖もあまり出没しないので、

安心して過ごすことのできる数少ない場所だったのだ。

 

どこか隠れるところは・・・。

辺りを見回した俺は、ひときわ大きな楠の幹にぽっかりと空いた洞を見つけた。

 

あれ? こんなのあったっけ。

 

 

「あれ~? 二宮の奴、どこ行った?」

「どっかに隠れてんじゃないか?」

 

近づいて来る声に、慌ててその中に潜り込む。

 

「でも隠れるところなんてないぞ。」

「もう行っちゃったんじゃない?」

「あいつ、逃げ足だけは早いからな~。」

「はははっ・・・。」

 

クラスメートは何度も目の前を通り過ぎたのに、

俺には気づかずに行ってしまった。

 

 

さらに15分くらい待って、もういいかと出ようとした時、

ポツ・・ポツ・・ザーッ!

急に雨が激しく降ってきた。

 

冬の雨は冷たい。濡れると風邪をひくかもしれない。

少し雨宿りしてから帰ろう。

 

 

 

2月だというのに不思議とその洞の中は暖かくて、

空気もまるで森の中にいるように爽やかだった。

 

木に当たる雨の音が幹を伝って優しく響く。

あまりの心地よさに、知らぬ間に眠ってしまったようだ。

 

 

目が覚めた時には雨は既に上がり、雲の切れ間からは青空が見えていて、

なぜか気分もすっきりと晴れやかだった。

 

 

 

それからはクラスメートに追いかけられたり学校でいやなことがあると必ず
その木の洞に入り込んで本を読んだりゲームをしたり、
時には眠ってしまったりして穏やかな時を過ごすようになった。

 

 

 

 

そんなある日。

 

 

 

「ねぇ、もう日が暮れるよ。」

 

「・・・ん?」

 

柔らかな声に目を開けると、洞の外から若い男の人が覗き込んでいた。

 

「あっ! ごめんなさい。」

 

勝手に入ったから怒られると思い、頭を下げる。

 

「別にいいけど・・・、もうすぐ暗くなるよ?

 帰らなくていいの?」

 

「えっ? すみません。 帰ります。」

 

洞から出たとたん、冷たい外気に触れてぶるっと震える。

まだ春は浅く、夕方になると気温がぐっと下がってくる。

 

「ほんとにすみませんでした。」

 

見上げたその人は、男性なのにすごくきれいで、

優しく微笑む黒目がちな瞳に吸い込まれそうな気がした。

 

 

 

カーッ カーッ・・・。

 

もう空は茜色に染まり、カラスの声が物悲しく響く。

 

妖は寄り付かない神社だけど、こうなると別の意味で怖い。

早く帰ろう。

 

 

走り出してからもう一度頭を下げようと振り返ると、

もうその人はいなくなっていた。

 

 

それが雅紀との出会いだった。

≪つづく≫

 

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Mステ中に失礼します。なんと最初に歌ったんですって? 間に合わなかった~。えーん

今から一回録画止めて観ます。

 

そしてこのお話、完全な見切り発車です。 

上下じゃ納まらなさそうなので一応番号付けましたが、3つくらいの予定でいます。

途中で動画を挟もうかな~なんて考え中ですが、間に合う気がしない。あせる