メンバーのお名前や雰囲気をお借りしたお話となっております。
BL的描写が含まれている場面があります。
苦手な方は入らないでください。
最初のお話はこちら ⇒ 「シーマス915c 1」
前回のお話はこちら ⇒ 「シーマス915c 31」
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「この船には医者はいないのか?」
サトシがジュンに向かって尋ねる。
「そうだよ! 乗ってるはずだよね。」
「いるにはいるが・・・。」
「いるが、何?」
「一度起こしたら、その人にも俺達と同じ運命を背負わせることになる。」
「あっ! ・・・そっか。」
「だが、専門家だったらもう一度冬眠する方法も知ってるんじゃないのか?」
「いや。この冬眠ポッド自体がそういう仕様には造られていないんだ。」
「それでもいい。 医者を起こせ。」
サトシがジュンに詰め寄る。
「起こした医者が治療法を知らなかったらどうするつもりだ?」
「だったら他の医者を起こせばいい!
わかる医者に当たるまで何人だって・」
「サトシ、落ち着け。」
珍しく声を荒げるサトシをショウがなだめる。
「片っ端から医者を起こすのか?
そんなの無茶だ。
それにもし治療法がわかったとしても、
この船にはそれに対応できる設備はない。
診断機が言った通りだ。」
「じゃ、どうしたらいいんだ!?」
「サトシ、もういいって。」
ジュンにつかみかからんばかりのサトシに、カズが静かに声をかける。
「よくない!」
「・・・ありがと。
でも大丈夫。そんなに悪い話じゃないよ。
だって一生をこの船の中で終えるのに比べたらさ。
期限がある方がまだましかもしれないじゃない?」
「そんなのだめだ!」
ダンッ!
サトシがジュンの胸倉を掴んで壁に押し付ける。
「今すぐ医者を起こせ。」
「それはできない。」
「きさま・・・。」
怒りに燃える瞳で潤を睨みつける。
「お前には感情がないからそんなことが言えるんだ。」
「・・・。」
「そうだろ?」
掴まれた方のジュンは、特に抵抗するでもなく静かに見降ろしている。
しかしその貌からは次第に表情が失われていく。
「・・・気づいていたのか。」
「ああ。 お前がアンドロイドだってな。」
「えっ!? アンドロイド!?
うそっ!!」
マサキが信じられないというようにジュンを見る。
「やっぱり・・・、そうだったんだね。
さっき、血が出てなかったから。」
「ちょっとカズまで! みんな何言ってんの?」
マサキがおろおろと皆の顔を見回す。
「ああ。さっきは失敗したからな。」
「ジュン?」
ジュンが静かに目を伏せる。
再び開いた瞳からは一切の感情が失われ、表情もマネキンのように固い。
「はい、その通りです。
私はアーク3号のシステム関連を担当しているアンドロイドMJ830です。」
声のトーンまでが変化している。
「うそだ。 だって人間とかわんないじゃない。」
「人に溶け込んでも違和感がないように造られた、最新式ってことだ。」
「私はMJ8型。2274年製です。」
「2274年? 最新ってわけでもないのか。
こんなに進歩しているなんて知らなかったよ。」
「ジュン? ほんと・・に?」
「今まで隠していて申し訳ありませんでした。」
静かに頭を下げる。
「は~、全然わかんなかった。
顔が整いすぎてるとは思ってたけど。」
「それは誉め言葉として受け取っておきます。」
マサキの軽口にも表情は変わらない。
「クルーって言うのも嘘?」
「私はクルーではなく、クルーの補佐をするためのアンドロイドです。
元々クルー以外と接触することはないはずでした。」
「船の運航も任されていたのか?」
「いえ、それは自動操縦です。
私も他のクルーや乗客と同じように、
112年間スリープ状態で航海するはずでした。
運航に支障が起きた時にのみ作動するプログラムになっていたのです。」
「それで今回も目覚めたんだ。」
「はい。 本来であれば小惑星と衝突した際に作動するはずでしたが、
衝突の衝撃はこのプログラムにも影響を与えました。
私が作動したのは衝突から1か月も経ってからで、
その間、重大な障害が放置されてしまいました。」
≪つづく≫
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や~っと「Find The Answer」観ました。
ちょっと後記に書いてたんですが、文字数制限に引っかかってだめなので、
他のと一緒にあがられそうなら別記事であげようかなと思ってます。
このジャニーズファンのジャンルって、このままいても大丈夫なんでしょうか。
苦情とかはこない?(笑)
うちの場合、ランキングとかはあまり関係ないレベルなので、抜けるかどうか考え中です。