ママたちへのメール(9) | とりあえず

職場の同僚のママ友に原子力の専門家がいらっしゃり、先日来の彼女からのメールの続きを送ってくれました。


今回もまたより直近の疑問についてその時点のベストソリューションとして書いてくださっていますので、2つ連続してアップします。


特に専門知識のないママが感覚的に持っている疑問や不安について、同じ視点に立ちつつ有識者として責任あるアドバイスをしてくれています。ぜひ読んでみてください。




●第9通目●


みなさま


最初は、妊娠中の母親学級で知り合った方等、出産や育児の悩みや喜びを共有してきた友人に、いきなり原子力の話をメールしていいのだろうか?等、悩みながらメールを送信したのですが、多くの方から感謝をいただき、安堵すると共に私もみなさまの声に感謝し、また、普段からの情報提供や教育のあり方など・・・いろいろ考えさせられています。


ただ、他方、こうした情報を受け取ることが余計に不安を増させるという方もいらっしゃるでしょう。
そうしたご批判が、私に直接届けばいいのですが、私からのメールを良かれと転送した方に届いてしまうこともあり、なんとも申し訳なく感じています。


そうした声をいただいてしまった方、本当にごめんなさい。

とはいえ、上記の通り、感謝の声もいただいていることもあり、自身としてはできるかぎり続けるつもりでおります。質問なども遠慮なくお寄せください。
よろしくお願いいたします。


※なんとなく1日1通という状況が続いておりますが、状況(発電所および私自身)によっては配信がない場合も、あるいは逆に2通以上/日ということもあるかもしれません。了解ください。


本日のラインナップ


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1. 医療被曝について
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第8通目(3月20日8時2分送信)の3点目で、放射線量が測定される都度、レントゲンやフライトと比較されることについて書きましたが、ご自身あるいはご家族等身近な方でいわゆる「医療被曝」=レントゲンやCTなどを多く撮られた方もいらっしゃり、かなり不安をお持ちだったようです。


そうした不安に気付かずごめんなさい。


過去のメールにちょこちょこと書いている通り、医療現場におけるレントゲン等による放射線被曝において、たしかに私達が普通に生活している状態から比べれば大きい値の放射線を浴びることにはなります。


しかし、大きい値であっても、健康に影響を及ぼすような放射線量から見ればごくごくわずかです。
医療による被曝の量はその医療行為(検査の内容など)によりますが、

 胸のレントゲン撮影 0.05ミリシーベルト
 胃のバリウム検査 2.0ミリシーベルト
 頭部のCT 0.5~1.5ミリシーベルト
 胸部のCT 7.0ミリシーベルト

であるのに対し、人体になんらかの影響がではじめる200ミリシーベルトからみるととても小さいのです。


また、医療における被曝は少ないとはいえ、医療被曝行為を行う医者あるいは技術者たちは被曝に関する知識は十分有しています。
むやみやたらに被曝を伴うような検査を行うことはありません。


ただ、いろいろな専門家(医者)の意見を訊きたい等々の理由で、複数の医療機関で、他の医療機関での受診を隠して、大量の医療被曝を受けるような検査を受けるようなことは、個人として避ける必要はあるでしょう。


ちなみに、“臨界”という言葉で思い出される方も多いかと思いますが、1999年に起きたJCO事故という茨城県東海村の原子力の燃料を加工を行っていた工場で臨界が起き、作業員の方が2名被曝により死亡なさいましたが、その被曝線量は

16~20シーベルト=16000~20000ミリシーベルト以上の被曝(事故後3カ月弱で死亡)
6~10シーベルト=6000~10000ミリシーベルト以上の被曝(事故後7か月弱で死亡)

でした。


1~4.5シーベルト=1000~4500ミリシーベルトの被ばくを受けた方は、一時白血球がゼロになる危険な状態でしたが、その後退院されています。


以上が医療被曝についての解説でした。

わかりやすく、あるいは安全に伝えようとの努力の結果が、不安をもたらしていしまっていることに、深く反省です。


次回は、ホウレンソウや牛乳から、食品衛生法上の暫定規制値を超える放射性物質が検出されたことについて触れたいと思います。


・・・って本当は今日触れたかったのですが、如何せん、仕事が休みの日は子が寝てからの作業が主となり+我が家も軽いPTSDなのかここへきてちょこちょこと起きてこられてしまい、都度、横でトントン・・・
思っているように作業ができない状況となってしまっています。


お許しください。・・っていいながら、今、最後のちょっとしたところを書くために時間を区切って「ごめんっ!!!」と作業してたりしますが。


尚、お送りしている情報をまとめているファイルは、修正や新たな執筆分など随時更新しておりますので、より新しいものが欲しい方は遠慮なくおっしゃってくださいね。


以上