今年もまた
帝釈天では
寅さんサミットが開催されると
発表があった





その日は
全国から
多くの寅さんファンが集まり
帝釈天の参道を埋め尽くす

中でも
寅さんに扮した
あの姿の熱いファンたちが
誇らしげに歩き回り

僕らはその姿を追い
かつてそこに居たはずの
寅さんと重ね

似てるかな?
違うんじゃね?

なんて
嬉しくもなる



そう
大抵の方は
その衣装だけがそっくりで
顔姿は別人なわけだけれど 笑

数年前に出会ったその方は
なんともそっくりで
嬉しくなって 一杯なんて 
高木屋さんでご一緒した





帝釈天裏の
イベント広場には
山田洋次監督や
倍賞千恵子さんもお越しになり

今まだ
まだまだな
寅さん人気に拍手を贈った

寅さんミュージアムから
荒川の土手へと出たら
渡し船に乗り

すれば更に
寅さん気分は膨らんで
昭和はまだ健在と
この町を誇らしくも思う




しかし
昨今
駅前は開発され

かつての
寅さんの像も位置を変え
後追いで備えた
倍賞さんの像もまた

仕方なくも
狭くなってしまった
その駅前広場では
あの頃って時が
消えてしまったようだ

寅さん


それでも
寅さんを知る方々が
今まだ多く残るから
この秋もまた
帝釈天は
寅さんサミットは
賑わうのだろう

この日ばかりは
僕も寅さんの姿で
帝釈天を
歩いてみたいとも思うが
なかなか
あの衣装は手に入らない 笑


そんなで
♯527


時折
新宿の地球堂へと
画材を買いに出掛けると

わずかに足を伸ばし
寅さんの墓前で手を合わす

そこは
ビルの谷間に佇み
寅さんとも
渥美清とも書かれず
ひっそりとしている

すると
あんたね
時折 こうして来るけれど
ここは
寅でも
渥美でもないから
おかえんなさい なんて
言われた気がするが

それでも
まことすんません と呟き

失礼ながら
また来ますがと
一礼し振り返る


そうそう
ぱふがいた頃
大井川に掛かる蓬莱橋
寅さんの橋にと出掛けたっけ

それが今頃
旧東海道だと知り
また出掛けようかな なんて
思ってもいる