フジコヘミングさんが
他界してたと聞いて



凄いピアニストがいると聞いて
それが近くの会場に来ると聞いて
カミさんを誘い
出掛けたのは
いつだったか…

かなりの年配で
それでもその味のある音は
多くのファンを魅了し
なんて…

正直
この種の
クラシックは苦手で

やはり
歌詞あっての曲がと
思いながら出掛けてみた

そこそこ高価なそのチケットは
それでもやっと取れた席

その大きな会場は
超満員で驚いた

杖をつき
男性にエスコートされながら
現れた派手な衣装のおばあちゃん

失礼ながら
大丈夫かな? と思っていると
ひとことふたこと話し
ピアノを弾き出した

なんと表現したら良いのか
この僕の
あまりにも浅い知識では
良いのか
悪いのか
それさえも分からないが

会場のファンたちに
それはそれは大きな拍手に包まれ
なるほど
これがか
そういうことかと

なんとなく
分かったふりをした

フジ子・ヘミング


さて
その後
何度かの機会はありながらも

さすがに高価なチケット
ちょいと遠退いていた

それでもまた
近くの会場でならばと
思ってはいたが

本日
その訃報を目にして
知らなかったと
嘆いた

すれば無いものねだり
また聴きたくもなり
YouTubeを探り
それを堪能してみると

賛否両論ありながらも
音楽は
キチンとやれば良いものではなく

その方独自が醸し出す
味こそがすべてなのだと
知らされた

私生活のドキュメンタリーを見れば
ちょいと厄介な姿もあるが
それはそれで
良いのだろう

そんな
わずかに気がつくのが遅く
いつも
後悔などしてる男

今 感じたならば
今 知り得たならば
今 出掛けねばならないようだ

御冥福を…