エドウィン・パウエル・ハッブルは、1889年、米国ミズーリ州のマーシュフィールドで生まれた。父親は保険会社の役員だった。
9歳のころ、ハッブル一家はイリノイ州ウィートンに引っ越し、エドウィンはそこで育った。少年時代は勉強よりもスポーツに秀でていたエドウィンは、走り高跳びの州記録保持者だった。彼はシカゴ大学に入学し、数学と天文を学んだが、学生時代はボクシングの名選手としても活躍した。
大学卒業後、英国のオックスフォード大学の奨学生に選ばれて渡英。法学を修め、3年間の留学を終えて帰米してからは、法律事務所に勤め、高校教師などをした。
第一次世界大戦中、ハッブルは従軍。戦後はシカゴ大学の天文学研究室にもどり、30歳のとき、カーネギー研究所所属のウィルソン山天文台の職員となった。
35歳のとき、ハッブルはわれわれがいる銀河系の外にも銀河があると論文に書いた。そして、40歳のころ、外の銀河からの光が赤方偏移していることを発見。あわせて、現在「ハッブルの法則」と呼ばれている法則を発見した。
第二次世界大戦中、ハッブルはふたたび従軍したが、その期間を除いて、ハッブルはずっと天文台で天体の観測と研究をして生きた。そして1953年9月、ハッブルは心不全のため、カリフォルニア州のサンマリノで没した。63歳だった。
ハッブルの名前を、自分はハッブル宇宙望遠鏡によって知った。大天文学者ハッブルの名前をとって、ロケットで打ち上げられた宇宙望遠鏡はそう名付けられたと、それで本人のほうを知るようになった。
赤方偏移と宇宙の膨張について知ったときは、ショックだった。
赤方偏移というのは、銀河系の外にある遠い星からの光をスペクトル分析してみると、光の帯全体が赤いほうへずれて映るもので、これはその光を放つ物体が遠ざかっていることを示している。
スペクトルのずれ方をよく調べていくと、銀河系の外にある2つの銀河のあいだの距離が大きくなればなるほど、たがいに離れる相対速度も比例して大きくなっていくということがわかった。これが「ハッブルの法則」である。
つまり、夜空に見える星たちはどんどん遠のいている。宇宙はどんどん広がっている、ということである。これを逆算して、時間の流れを逆上れば、宇宙の最初にたどりつくことになる。それが最初の大爆発「ビッグバン」で、以来、星はどんどん遠ざかり、宇宙は膨張を続けている、というので、そうなんだあ、と、自分はとても驚いた。
ハッブル宇宙望遠鏡が写した写真を見ると、自分などはとても感慨深い。
人類がはじまって何万年かたって、ようやく人類も宇宙に望遠鏡を浮かべて、遠くの宇宙を見る目をもった。しかし、この宇宙望遠鏡をもってしても、見えるのは宇宙のはじめに近いころに生まれた銀河の光がせいぜいで、いちばん最初に生まれた星の光はもう見えないくらい遠くなってしまったらしい。自分たちは宇宙の新参者で、宇宙の田舎者。遅れてきた生物だ、という気がする。
(2014年11月20日)
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