衆院選を前に、自民党圧勝との予測がちまたを飛び交っているが、わたしはどうして人々が自民党に入れようとするのか、わからない。
経済政策については以前に書いたので、今回は外交政策について書きたい。
対外政策について、自民党は「強い日本」を掲げ、国民のナショナリズムの感情に訴えようとしているが、これは危険な方向と言わざるを得ない。
近隣諸国とは、折れるところは折れて、仲良くやっていくのがよいと、自分は考える。
国境問題にしても、たとえば尖閣諸島を日本のものだとしたところで、周辺諸国に遺恨は残る。
近くの台湾や中国からしょっちゅういやがらせを受けているような状況下では、魚をとろうにもままならないし、増してや資源開発などとうてい覚束ない。これは相手にとっても同じで、すると、落としどころは共同利用、協力体制しかない。
尖閣諸島については、台湾や沖縄のことも考えてあげるのが、日本にとって大切だと思う。もともと尖閣諸島は、台湾の地元の人たちと琉球王国が行き来していたわけてで、それを漢民族が台湾をのっとり、日本人が琉球王国を侵略した歴史的経緯があるからだ。
そういう侵略と虐殺の歴史を考えると、いま、自国領土を主張している国の人たちは、ほんとうに野蛮で傲慢な連中の子孫らしいなあ、と感心してしまう。
「あそこは自国の領土だ」
と叫ぶ人たちは、日本にも中国にも韓国にもいるが、そういう人たちの論理は、要するに自国の損得がまずあって、その後で理屈をつけようとしているだけである。
自分が得をして、向こうは損をせよというのが、その論理敵根拠なのだから、相手に通用するはずがない。
たとえ領有権が国際的に認められたとしても、深く長い遺恨を残すことはまちがいなく、それは島を手離すよりずっと大きな損失を日本にもたらすのにちがいない。
落としどころを考えなければ。
中国や韓国、北朝鮮と意地を張りあったところで、日本は疲弊するだけで、欧米諸国を喜ばせるだけである。
日本は国家財政が傾いているのだから、こんなときに軍国主義的な方向へかじをとるのは、国民の生活を犠牲にして軍事費に注ぎ込んでいる北朝鮮と同じで、それは自滅行為である。
そもそも軍隊というのは、何も生産しない集団であって、しかも、世のなかでもっとも高価な商品とその補修をつねに必要とする組織で、国民はそれを養っていかなければならない、このことを頭において経済状態と防衛費のバランスを考えなくてはならない。
日本人が食うものも食わずでがんばって、砲弾や燃料にお金を注ぎ込んで軍事力を高めたとしても、2030年には中国に完全に負けてしまう(現在でも、中国は核弾頭付き弾道弾を日本列島のどこにでも打ち込める能力がある)。
いずれそうなることを考えれば、「寄らば斬る」などとはとうていいえないし、いってはいけないと思う。
いま「寄らば斬る」というのは、「2、3年のあいだなら米国相手に暴れてみせましょう」といって、4年後以降をまったく考えずに真珠湾攻撃に打って出た前の日本帝国海軍と変わらない。
自分は個人的には、中国や韓国、北朝鮮の人々に対しては、過去の日本人はとんでもないことをしでかしてきたので、負い目があると考えている。
北朝鮮の拉致問題というが、日本人は同じことを百五十万人もの韓国・北朝鮮の人々に対してやったのである。無理やり連れてきては、炭鉱などのたこ部屋にたたきこんで強制労働を強い、リンチしたり、殺したり、ということを冷酷にやったのである(だから、拉致問題を見過ごしていいわけではないが)。
朝鮮半島で畑仕事をしていた人に銃をつきつけてきて、そのままトラックに乗せ、日本へ連れ去ったというから、これは拉致、誘拐、奴隷刈り以外のなにものでもない。
この「強制連行」で殺された人の数だけでも、数千、数万レベルに届くのではないか。
「強制連行」問題のほか、慰安婦問題などを含めて、日本側は処理ずみとしてまともに相手にしていない。
それ以外の部分で、日本国内において在日の人たちに対する差別、虐待はひどかった。
これは生きている日本人の口から、直接その証言を聞いている。
その日本人の人もそういったが、わたしも同感で、韓国や北朝鮮の人たちが日本人を憎みつづけるのは、まことにもっともなことだと思う。
あるいは、日本人は、中国大陸を侵略し、中国の一般市民を酷使し、レイプし、殺す、そういうことを大々的にやった。
沖縄でときどき問題になる米兵によるレイプ事件よりもっと残虐なまねを、大陸の一般市民に対してはたらいて、平気でいて、軍法会議にもかけられなかった。
それどころか、日本兵たちは、侵略した中国の地で、中国人の一般子女をレイプした後に腹を切り裂いて殺したり、レイプした一般子女を裸のまま、となりに並ばせて、うれしそうに記念写真を撮ったりしていた。
恥ずかしいくらいに無知で野蛮だった 。
日本人は、戦闘員と非戦闘員を識別する意識などまったくなかった、未開の地域の人たちだったのである。
大陸では、現地の中国人を駆り集めて、強制労働させ、死ぬと、穴を掘ってまとめて埋める、という、アウシュビッツ絶滅収容所とそっくりなことをたくさんやっていた。
あるいは、731部隊の、中国人を人体実験に使用し虐殺した例もある。
それでも中国側は、戦争の賠償を放棄した(これは日本にはちょっとまねできない度量の大きさだろう)。
日本側が同じことをされたら、どうか?
日本に中国人や韓国人がやってきて、自分の親姉妹たちをレイプした挙げ句に腹を切り裂いて殺していったら、それは戦争が悪いのであって、彼らが悪いのではないなどといえるか?
(だから、中国人がウイグルやチベットでやっていることが許されるわけではないけれど。)
と、ここまで述べてきて、逆をいうようだけれど、では、現代を生きる日本人が、韓国や北朝鮮、中国に対して賠償するべきだとは、自分は考えない。
戦争の賠償金は、第一次大戦の結果ドイツに押しつけられた法外な賠償金をみた通りで、新たな憎しみ、新たな戦争をひき興すだけである。
それに、自分など、戦争の後に生まれた世代は、そんなことは知らない。われわれに戦争責任はないだろう。
責任がある日本人は、現在90歳以上の人々ではないだろうか。
それくらいの年齢の人たちの多くは、日本の軍部によに統制の犠牲者ではあるけれど、同時に、アジア諸国の人々に対しては、極悪非道のかぎりを尽くした軍国主義日本の一員とりとして、連体責任があると思う。
しかし、そういう人たちも、たいてい亡くなってしまった。
では、後に生まれた現代の日本人の追うべき責任は何かというと、前の戦争と同じ轍を踏まないようにすることである。
過去に祖先がやったことに対しては、悪かったと頭をさげて謝るべきだと思う。でも、賠償を義務化しない。
もちろん、被害にあった当事者、たとえば従軍慰安婦だった人など、被害者本人には、思いやりある対応をとることが必要だろうし、思いやりあっての日本人だと思うけれど、償いを義務化することまではしない。
わたしたちは、過去を踏まえ、未来を向いていかなくてはならない。
だから、わたしたちがするべき選択は、韓国や中国など近隣諸国と敵対することでなく、なんとかして根気よく話し合いをつづけ、折れ合って、協力していくことである。
わたしたちは、祖先たちのうんざりするような悪行を知っているけれど、それはそれとして、自分はちがう人格である、として生きていかなくてはならない。
いま、東アジア諸国には、たがいにとなりの民族への憎しみが渦巻いている。
不況で食いつめた者や、不遇な境遇に不満を抱く者、あるいは、野心に燃える政治家などが、その憎しみを利用して、ナショナリズムをあおるかもしれないけれど、それはまた戦争への道を開くだけだ。
日本人のすくなからぬ人々は、中国や韓国、北朝鮮の人々への、根拠のない軽蔑の意識を根強くもっているようだ。
とにかく日本人はえらい、まわりの国の人たちはバカなのだから、日本人のいうことが正しいのだ、という考えである。
この考えが、結局は、日本人は生きていかなくてはならない、そのためなら、まわりの国の民族などはどうなってもいい、という行動に結びついていくわけで、この外に対する軽蔑の意識をまずなんとかしなくては、諸外国の人々のなかにくすぶる、日本人への憎しみはとけないだろう。
自分は、たとえば、中国の共産党の指導がなによりも優先するという国の体制には疑問をもつ者だが、一般の中国人の人たちに対しては、まったくちがう感情をもっている。
一般の中国人も、自分も、支配層に牛耳られた社会システムの下で奮闘している、同じ一市民、アジアの同志である、と考えている。
自分たちがそうであるように、彼らだって殴られれば痛いし、腹が立つだろう、家族をなぶりものにされたら相手を憎みもするだろう、そういう、相手の心を思いやる気持ちをもって接したいと考えている。
「そうした甘さに、中国共産党指導部や、韓国の政治財閥連合体制はつけこんでくるのだ」
と批判する向きもあるだろうけれど、では、いうが、すこしはつけこまれたっていいではないか。
極端な言い方をするなら、ほかの民族を邪険に扱い、野蛮にふるまうことを恥ずかしいと感じない日本民族なら、べつに地球上からいなくなってもいいのではないか、とさえ思う。
となりの国が食べるのに困っていたら、食料を送ってあげ、今度こちらが「武士は食わねど高楊枝」を決め込んでいるあいだに餓死者がでた、それくらいの自己犠牲のある変な国として、できたら日本は未来に残っていてほしいと思う。
そういう特異な国としてなら、日本が日本として地球上に存在する価値があると思う。
ただ、安楽で平和な生活をしている人がたくさんいる国、小賢しくうまくたちまわっている国、というだけなら、それはどこかべつの民族におきかえられても、なんら支障はない。
そういうわけで、今回の選挙では、
・政治家と官僚体制の人員削減
・シロアリ官僚OBの天下り組織撲滅
・規制緩和による経済復興
を願う自分としては、
「もったいない」の嘉田由紀子さん率いる、日本未来の党を応援したいと思います。
(2012年12月14日)