今まで私が見てきたいわゆる「読み聞かせ」というものは、大抵が子どもたちをまず「大人しく座らせて、黙らせて、聞かせる」というものばかりでした。
そして、子どもたちは、最後には「面白かった」と言わされるのです。
そういう「読み聞かせ」だけは絶対に避けたいと思い、
子どもたちが本当に心から喜んで聞いてくれるために色々な「工夫」をしました。
(でも、本当の読み聞かせの名手なら物語に信頼してそんな小細工はせずに堂々と読み、子どもたちを引き付けるのですが、小細工を駆使してしまうところが私の力量のない情けないところなのです…💧)
今回も、
(これを劇にしたら面白いかも…)という小細工を考え付き、やってみてとても盛り上がった例です。
使わせて頂くのは…
を元にしたクイズ劇です。
どんな劇になったかお楽しみに…
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まずは、画用紙で簡単な小物を作ります。
●赤いぼうし 2つ
●白いぼうし 3つ
●王冠 1つ
登場人物は四人です。
やりたい子に挙手をさせて決めます。
前に出てきてもらって、王様役の子に王冠をかぶせます。
子どもたちはお友達が王様に変身しただけで結構な盛り上がり様です。
そして、お話をはじめます。
「あるところに王様がいました。
王様は囚人3人を前にしてこう言いました。
「ここに赤いぼうし2つと白いぼうしが3つある。
今からお前たちにかぶせるが、もし、自分がかぶっているぼうしが白かったら家に帰ってよし。
ただし、赤いぼうしをかぶっているにもかかわらず帰ろうとしたらその場で死刑だ!」
と言いました。
そして、王様は囚人に目隠しをさせると全員に白いぼうしをかぶせました。
(残ったぼうしが何色なのかは囚人たちには知らされません。)
「あー!そっか!」と言って帰って行きました。
すると、また1人が、
「あー!そっか!」と言って帰って行き、そして最後の1人も
「あー!そっか!」と言って帰って行きました。
囚人たちはどうして自分が白いぼうしをかぶっているのがわかったのでしょうか?
わかっている情報は、相手の二人が白いぼうしをかぶっているということだけです。」
劇の間、私が登場人物の子どもたちを動かします。
動かす度に笑いが起こります。
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このお話は、元々は私が中学生の時に数学の先生が授業中に出して下さったクイズです。
私は何度も先生に答えを聞きに行きましたが先生はとうとう答えを教えてはくれませんでした。
なので、私は暇さえあればこのクイズの答えを考えるようになり、そのため「考える楽しさ」というものを体感することができました。
このお話クイズは非常に良くできた問題で、子どもたちがこれから習う「もし、何々ならば…」という数学の仮定法を用いた思考の方法を楽しく学ぶことが出来ます。
そして、「相手の立場になって物事を考える」という新しいものの見方の世界を体験することができます。