最近テレビでこんな浮世絵を見かけて驚きました
伊勢参りをする群衆の中に、犬がたった一匹で伊勢神宮に向かって歩いている図なんです。
空想で描いてるの?と、思いきや調べてみると、これは「おかげ犬」と言って病気などの事情で参拝できない主人に代わって、参拝を代行しているワンちゃんなのだそうで…
驚きました!
そんなことってあり得るの?( ; ゚Д゚)
犬が、たった一匹で主人の代わりに伊勢参り?
いやいや、無理でしょ…
と、思っていたらこんな話が…
福島県の須賀川市十念寺というところに「シロ」という秋田犬が市原さんというお宅に大切に飼われいたのですが、ある時当主の市原さんが毎年行っていた伊勢参りに病気で行けなくなってしまったので、代わりに飼い犬の「シロ」が行くことに決まったのだそうです。
シロは、日頃から人の言葉を理解し、買い物や用事をこなしていたので(えー!マジか!)、大丈夫だろう…と思ったらしく…。
そして、出発の時には、道順を記した紙とお金と、
人の言葉を理解するので道順を教えてあげてください。
シロを助けてあげてください。
というメモを入れた袋を首に巻き付け、伊勢参りに送り出したのだそうです。
人の言葉を理解するワンコ?
信じられない…
でも、でも!
信じられないのは、ここから…
たった一匹で、健気に主人の代参を務める飼い犬シロくんでしたが、
途中途中で、ちゃんと色んな人々が助けてくれるんです。
伊勢神宮までの長い道程を懸命に歩くシロくんを行きすがら出会った人々が寝床を提供したり、ご飯を上げたりして優しくサポート。
そして、出発の時には袋の中に旅の安全を願って、ご祝儀まで入れてやり、そのお金が重くなると両替をしてくれる人までいたとか…
旅費は道中の宿場の人たちが少しずつ負担し合い、犬が無事に伊勢にたどり着けるように協力し合ったのだそうです。
もちろん、犬の袋のお金を盗もうなんて良からぬことを考える輩なんていません。
この「おかげ犬」を見掛けると誰かれ構わずお世話したのだそうです。
人々は、誰かの「願い」をその身に一身に背負った健気なワンちゃんを、とても神聖なものとして受け止め、大事にして送り届けようと思っていたらしいです。
そして、伊勢神宮は、本来なら犬は入れないそうなのですが、「おかげ犬」だけは本当にお参りをするように本宮の広場で伏せをして、信じられないような立ち居振舞いだったので、特別に抱えてお祓いをして、お札を授けてやったのだそうです。
シロは、宮司さんに竹筒に入れて貰ったお札を体に巻き付け、帰路につき、出発してから約2ヶ月間もかけて無事に十念寺に帰ってきたのだそうです。
毎日、シロの無事を祈りお灯明を上げていた市原家の人々は大喜びでシロを出迎えたのだとか…
あー、そんな事ってあるんですね~(*´-`)
以前、動物愛溢れる江戸時代の人々の様子をブログに書きましたが…
今回も、「おかげ犬」の利口さもさることながら、道中「おかげ犬」が出会った人々の優しさにもとても感動してしまいました。
この「おかげ犬」参りは、明治維新前まで続いたのだそうです。