前回あらすじ
赤ちゃんは可愛いもの
私はアトピーという言葉に
誰よりも敏感だった。
それは
私自身がアトピーで
ずっと
苦しんだ人生だったから
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私がアトピーになったのは1歳の時。
まだ自覚がなかったから
物心ついた時から
アトピーが当たり前だった。
喘息も発症し
ステロイドの塗り薬と
吸入の毎日を繰り返した
小学生になってからも
それは変わらなくって
皮膚科と耳鼻科の定期通院があるから
学校を遅刻するのは日常茶飯事。
授業に遅れが出て勉強に
ついていけない。
家庭科の授業に出れなくて
ミシンの使い方が
今でもよくわからない。
できない、が増えてきて
コンプレックスが
蓄積していった
プールに入るとかゆみが増して
膝と肘裏は掻きむしる毎日。
旅行に行っても
埃とダニに
アレルギーを起こして発熱したり
鼻水も一年中ずっと垂れていて、
「コニタンいっつも
鼻詰まっているね」
って言われるし
鼻の下は鼻水に反応してかゆくて
真っ赤になって
毎日が恥ずかしかった。
アトピーさえなければ・・・
アトピーのせいで自由に生きられない
小学生でも
そんな風に葛藤していた。
でも私の悩みをすぐに
解決してくれる強い味方がいた。
それは
ステロイド
ステロイドが
私のコンプレックスを一気に消し去る
魔法の薬
みたいにその時は思えた。
塗ると痒みも赤みも一瞬のように
なかったことにしてくれた。
「ステロイドがあってよかったな。
私の人生は
ステロイドがあれば安泰だね!」
って ずっと思っていた。
ステロイドを塗ると一瞬は落ち着く。
でも塗らなくなると
また湿疹と痒みが出てきてしまう。
とにかく
とにかく
ステロイドで蓋をした
何もなかったことに
見なかったことに
毎日、塗るか塗らないか
鏡を見て睨めっこしてた。
ステロイドは副作用があるから
なるべく少なく塗ること!
そんな医者からの説明は
聞く耳もたず、
そんなことより
ストレスから
コンプレックスから
解放されたい!
その気持ちが優っていた。
中学生になった途端
ステロイドを使う頻度が
激減した。
なんだか分からないけど、治ったんだ
嬉しいな。
私はここから
「肌が普通の子」
になって
みんなと一緒の
普通の生活が始まるんだ
ホッとした
それから何も知らない私は
「普通」「当たり前」を
追い求めた
普通が欲しくて
しょうがなかったから
今までアトピーのせいで
できなかったことを繰り返した。
普通にジャンクフードを食べたい
刺激があっても可愛いお化粧がしたい
普通にアクセサリーをつけたい
どんどん自分の体を痛めつけていった。
大学で飲み会やジャンクフードな生活に溺れていた矢先
突然アトピーが再発してしまい
またステロイドとのお付き合いが始まった
またか・・・
特にこの頃って見た目が
命
みたいなお年頃だったから
肌が荒れるのも
目が腫れあがるのも
全然かわいくないから、
何かあればすぐに薬に頼っていた。
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そのまま大学を卒業し
就職し
結婚し
不妊治療を経てやっと妊娠。
1人目出産後はまだ
「お母さん」
になりきれていなくて
毎日必死の子育てだった。
自分の時間が全然なくて、
でも子供はめちゃくちゃ元気で、
さらに
子宮頸がん検診で異常が見つかって、
徐々に喘息が悪化して、
咳が止まらなくて肺炎になってしまい
気付いたら
あんなに魔法の薬だと思っていた
ステロイドが
効かない
あんなに最高だと思っていた
ステロイドって、
悪いものなんじゃないかな?
不安になって調べてみると、
出てくるのはたくさんの副作用・・・
しかも自分に当てはまる項目が
たくさんあった
不安になった
恐くなった
こんな自分の経験から
ステロイドは「悪」
揺るがなくなってしまってて
娘に大量の湿疹が出ても
遺伝しちゃったんだ…
私のせいなんだ
病院に行って
ステロイドを貰う選択肢を
自分の中から削除していた
次回予告
ステロイドを使わなくても
何としても平気な身体を手に入れてあげたい・・・
私が必死に取り組んだこととは?