ぱぴさんの本棚 パセリとともに -2ページ目

ザンゲ・・ほんとはアレでした

このところザンゲっぽいお話に走っていますが、どさくさにまぎれて本当に本当にゴメンナサイのお話をします。
時は昭和29年3月、小学校へ入学する前のことです。
我が家に幼稚園のときの友達が遊びにきました。
家族は留守で二人で遊んでいたのです。
そのとき、友達がタンスの上にある物に気付いて、「あれナニ?」ときいたのです。
それは表面がピカピカに光って何かが映っているようにみえました。
そしてソレは私があこがれていた、ある物を連想させたのです。
「テレビ」
「へえー」
そのとき母親が帰ってきて私たち二人は外に遊びに出ました。
そして「うそだよ」のタイミングもなく彼とは再び会っていません。
彼は何時までアレをテレビだと信じていたのでしょう。
本物のテレビを見たとき、どう思ったのでしょう。

ほんとうに、本当にゴメンナサイ。
名前も忘れた君へ。

アレとは買ったばかりのトースターでした。今のようにポップアップ式ではなくふたを手で開くものです。その表面はピカピカの金属性でした。
いつもは食器棚にあるアレがなぜ高いタンスの上にあったのか謎でしたが、たぶん留守時に私がいたずらすることを母は予見していたのでしょう。
昭和29年にテレビは見たこともありません。