情報は1冊のノートにまとめなさい 完全版 | もはや健康ではない~ネガティブIBS日記~

もはや健康ではない~ネガティブIBS日記~

2015年2月、カプセル内視鏡の検査の結果IBSと診断。
ただ10kg近い体重減少、口内炎、痔ろう、倦怠感もあるため、クローン病の誤診の可能性高し。日々の生活と、炎症性腸疾患にまつわる話をつづります。

 

 

 

旧版を読んでいて非常に参考になったので、完全版も読みたいと思っていました。


当然ながら基本的なスタンスは旧版と同じ。
1冊のノートに時系列順にメモを残すことで、情報を探す手間を省き、そこから知的生産に繋げることができる。
シンプルゆえに継続することができるノート術です。
実際私も旧版を読んだ後実践し、現在もノートメモ術は継続中。
しかし、本書を読むことで新たな発見も多数ありました。



とりわけ参考になったのはライフログを残すこと。
旧版にもあった気がしますが、本作の方がよりフィーチャーされている気がします。
私の現在のノートメモ術は、自分の気になったこと、読書メモなど、メモの内容が限定的でした。
そのため、数週間新しい情報が追加されないなんてこともざら。
直近のものだと新聞を読んだ日付の記録のみという寂しい状況になっていたんですよね。
(読んだ新聞の日付が無駄じゃないかと思われるかもしれませんが、ノートにメモする前はどれを読んだか分からなくなっていたので、これはこれでメモしてる価値はあり)



しかし、本書を読んでライフログを取ることにそれ以上の価値があることを実感。
本文中から引用すると

 

 

P142-144 日常を記録することのメリット

①「何を書くか」というプレッシャーがなくなる
②ついでに考えを巡らせられる
 ③たまには考えや思いをじっくり書くようになる

 

 

この効用についてはよく理解できます。
ノートメモ術と同時に、私は日記をノートに書くようにしました。
最初のうちは良かったものの、数カ月もすると、やる気消失。
すっかり空白の時間を作ってしまいました。
その原因を考えると夜まとめて書くというのが面倒なのと、記述が時系列にならないとイライラするからなんですね。
ライフログだといつでも書けて、基本的に時系列に物事が進みます。
おまけにじっくり書かなくて良いので、時間がかからない。
書きたい時には長文を書けば良いし、そうでなければ行動記録だけでも良い。
見事に欠点を克服しています。



また、何より大きいのが書き癖がつくことですね。

 

 

P144 「何かを強く思ったから書く」ということは、あまりありません。
実際は、「何か書いているうちに何かを強く思う」という順なのだということがわかってきます。

 


そうそう、これこれ。
継続できない人の最大の要因は重要なことでないと書いてはいけないという意識があること。
実際私も役立たないメモだとページの無駄遣いな気がしてしまうんです。
けれども、その無駄を書いているうちに“あのことも書いておこう”、“そういえばこっちはこうだった”という意識が生まれてくるわけで。
書くことへのハードルを下げると意味でもライフログを書くことは役立ちそうです。



本書の良いところは絶対にこうしろ!と提示するのではなく、アレンジできることがノート術の良い点だとしていること。
例えば旧版では著者が利用しているノートの具体的な版型が記述されていましたが、完全版ではサイズが異なっています。
著者も述べるようにその人が置かれている状況だったり、好みだったりで変更を加えて良いんです。
行間が広いものでも良いし、無地のものでも良い。
現に私も1冊にノートをまとめると情報を探すのが上手くできず、カテゴリー別にノートを利用するようになりました。
本書のテーマから外れる行いですが、それでも個々人の使いやすいように使えば良い。
それこそがノートを選ぶことの最大の利点だと思います。



ネットを見るとEvernoteを比較対象にあげ、本書の内容をEvernoteが無かった頃の手帳術とする意見が散見されます。
しかし、本書の旧版が出た頃でさえEvernoteは存在しましたし、本書の冒頭でもデジタルツールよりアナログツールの方が使いやすいと述べられています。
ペンでメモをとるスピードと、スマホなどに情報を入力するスピード。
果たしてどちらが早いか?
少なくとも私は前者ですし、パラパラまくって内容を確認できる点でノートの方が好きです。
もちろん情報が多くて検索性を重視するならデジタルツールの方が良いのでしょうが。
そこは使い分ける場面であり、Evernote万能論を述べるのは違うのではないかと。
それこそコインなどの現物を保存しておけるのはアナログツールでないと不可能ですし。



完全版と銘打たれているだけあって、旧版から非常にブラッシュアップされていて、読む価値がありました。
旧版だけを繰り返し読んでいたのではこうした心理にはならなかったでしょう。
「読書は一冊のノートにまとめなさい 完全版」も出ているので、手に入り次第そちらも読みます。