BOOK WALKER×読者メーターの戦略の巧みさ | もはや健康ではない~ネガティブIBS日記~

もはや健康ではない~ネガティブIBS日記~

2015年2月、カプセル内視鏡の検査の結果IBSと診断。
ただ10kg近い体重減少、口内炎、痔ろう、倦怠感もあるため、クローン病の誤診の可能性高し。日々の生活と、炎症性腸疾患にまつわる話をつづります。

BOOK WALKERのクチコミに読者メーターの感想が掲載されるようになりました。
これは読者メーターを運営するトリスタが、ブックウォーカーに子会社化されたことから実現したものです。
(ちなみにブックウォーカーの運営元はKADOKAWA)
感想サイトに投稿した感想が、書籍販売サイトへ利用されることを否定的に捉える人もいますけど、ビジネス的には非常に上手いやり方だと思いましたね。



クチコミの重要性はECビジネスで周知の通り。
amazonがあそこまでの競争力を持てたのも、クチコミのおかげとする説は少なくありません。
クチコミが重要だからこそ、かつて電子書籍端末koboの否定的なクチコミを削除した楽天は炎上しました。
そして、amazonの成功以降、数多くの企業がクチコミ投稿数の増を目指しました。
しかしながら、amazonほどの規模のクチコミが集まるサイトはなく、多くの企業が挑戦はしたものの、結果が残せずにいました。
後発企業の多くはクチコミ投稿によるポイント還元まで導入したにもかかわらず―です。



そこで今回のサイト間シナジーですよ。
クチコミはいくら募集しても満足のいく結果が伴わない。
だったらどうすれば良いか?
すでにあるクチコミを丸ごと取り込んでしまえば良いんです。
ブックウォーカーは読者メーターを取り込んだことで、自力では何年もかかるクチコミ集めをあっという間に果たしてしまいました。
これは電子書籍サイトとして、他サイトに勝つ為のアドバンテージに繋がります。



問題点がないわけではありません。
読者メーターに投稿された感想はすでに読み終わってのものだからネタバレになるかもしれませんし、感想とは呼べないようなものもあります。
そのあたりの取捨選択をどうするのかは一つの課題でしょうね。
また、書籍に関してはクチコミが必ずしも役立たないという側面もあります。
クチコミが活きるのは実用的な商品の場合で、書籍だとあっても無くても関係ないとも言えます。
しかし、クチコミがあるだけで利用者がたくさんいるような印象を与えますし、独立したサービスであった読書メーター、BOOK WALKERを利用者が相互に行き来することで、両サービスの稼働率を高めることができます。
独立しているだけでは100+100の成果しか産めなくとも、相互連携させることで、それぞれの価値を110、120と高めることができる。
非常に理にかなった戦略と言えるでしょう。

 


もっとも、残念なのがこれが上手くいっても親会社であるKADOKAWAの業績にはほとんど寄与しないこと。

KADOKAWAはニコニコ動画の不振による影響が強く出ているので、株価もほとんどそちら次第。

ただ、今後のBOOK WALKERの展開が楽しみになりました。

KADOKAWAは取次外しなどもamazonに負けじと取り組んでいますし、今後の動向も見守って行きましょう。