日本でもいよいよクリストファーノーラン監督のバットマン最終作品が上映されるのですね。こちらでは今月20日公開で、とても評判が良いようです。
クリスチャンベール インタビュー
このインタビューで、彼は次のように語っています。
”映画の冒頭で、主人公、ブルース・ウェインは肉体的にも精神的にも打ち砕かれた状態で登場する、そうして今までに無かった、肉体的にも強力な敵に直面するんだ。そして決断を迫られる。バットマンを復活させるか、それとも自分に取って有意義な人生を送るかを。
この映画はローラーコースターみたいに刺激的で娯楽性の高い映画であると同時に、かなり複雑な人格を描いたすばらしい映画なんだ。
最初のミーティングの段階から監督クリストファー・ノートンは言ってたことで、僕もそれに同意したんだけど、主人公ブルース・ウェインはさらにダークな典型的なキャラクターになり得ると。でも、それをオリジナルキャラクターを作ったボブ・ケインが意図していた事だと知って驚いたよ。
彼がバットマンを作ったのは1939年。第二次世界大戦勃発の年にあたる。個人個人がどうしようもない無能感を感じていた時代だ。グローバルな規模での悲劇が起こった時代だ。自分が役に立つと感じられる為に何が出来る? こういう時代背景を基にして、このキャラクターが生まれたんだ。
大勢の人たちが、僕たちがバットマンキャラクターを再生した、っていったけどそうじゃない、オリジナルに帰ったんだ。実際に、その誕生したときのコンセプトに回帰してるんだよ。
この映画で、クリストファーノーランの映画から期待すべきことを、期待を裏切られずに見れると思うね。彼は、これまでにない作品、よりよい作品をつくるのに労力を惜しまない人だから。
彼はこんな壮大な叙事詩のような映画においてでも、アクションと人格描写と、両方出来る事を証明したよ。それってこの手の映画にはほとんど見られない事なんだけど。
一番ぴったりの言葉でこの映画をかいつまんで説明すると、これはバットマンビギンズ(第一作目)とダークナイト(二作目)の統合だね。
記事の中ではこのようにも語っています。
(映画の中では、金融市場の悪用や、政治家の悪行、テロリストの攻撃等、政治的なとか、政治的な背後のテーマとして示唆されている)
”この映画はただ娯楽として楽しめるし、すこし深く突っ込んでみると、そういった(政治的な背景)ことも反映しているのがわかるよ。”
また、主人公に関しては
”彼は健康的なスーパーヒーロ―なんかじゃないよ。多重人格症だし、すごく寂しい、孤独な人間なんだ。世間に向けてはプレイボーイのペルソナをかぶってる。でもバットマンのキャラクターは彼の怒りと不正感の化身なんだ。”
”彼はほとんど悪者で、すごい悪事を働くぎりぎりのとことまでいく、だけど彼の利他的な部分がそれを引き止めてるんだ。
どうして彼がバットマンの衣装を着るのかと言うと、彼自身、自分が怪物みたいに思えるんで、自分でその怪物を作り上げて、バットマンに心の中の怒りを肩代わりさせ、自分のプライベートな生活から引き離すためだ。”
豊富な語彙で、きちんと話す彼の人柄に好感が持てました。