静かに眠るチップ。
その表情はとても穏やかで、今にも起き上がってそばに寄ってきそうな気にさえさせられる。
チップの旅立ちのために何をしたらいいのだろう。
私たち家族は、そんな思いを抱きながらそれぞれの時間を過ごしている。
昨晩、長男はチップとともに一夜を過ごしたようだ。
そして、今晩は長女がチップと一緒にいる。
チップがわが家にやって来た15年前から、同じ家族としてずっと一緒に過ごしてきたのだから、チップとの別れを惜しむ感情がことさらに強いのはごくごく当たり前のこと。
昨日はチップの棺に納める花を選んできた。
夕方、近くの花屋へ家族で出向いて、チップに似合いそうな花をさまざまな思いを込めて一本一本丹念に選んだ。
ママはチップの親元である親戚に連絡を取り、チップの旅立ちの報告と感謝の意を伝えたとのこと。
チップの父親はスムースのダフニス君、母親はロングコートのクロエちゃん。両親とも数年前に亡くなっている。
チップの兄弟のほとんどがこの世を去り、健在なのは2頭だけとのこと。
夜が明けたら、チップとの本当の別れの時がやってくる。
パパはこうしてチップが子供の頃の画像を見てはブログを書いて気を紛らわせながら、まんじりともしない夜を過ごしている。
時がこのまま止まって欲しい。いや、少しで良いから時計の針が戻ってくれないかとの思いが込みあげてくる。