The Voice Portugal Season9 Gala第5週・ファイナル その1 | fumufumuのブログ

fumufumuのブログ

ギリシャ・ネタ、音楽ネタを適当に綴っています。
ヘッダー画像はシフノス島のエプタマルティロス教会です。

「The Voice Portugal」 Season9、
ファイナルですよ!


記事のUpが遅くなりましたが、実際の放送は2月6日でした。
セミファイナルは1月の16日でしたから、3週間も間が開いています。
実は、当初の放送予定の23日直前に、出場者の一部にCovid-19の陽性が判明で急遽延期、
そこから隔離を終える予定の2週間後の30日は、選挙特番があったため。
これまでのGalaでもライブ出演出来なかった人がいたからね。
どんなに注意していても起こり得る事態ですよ。
とはいえ、急なスケジュール変更で、進行役のお一人・ヴァスコさんが出演不可に。
先に入れていた予定(仕事ですかね?)があったからだそうだけど、
ご本人、ファイナルに立ち会えないのがすごく悔しかったとか。
私もヴァスコさんが大好きだから残念だわぁ。


ファイナル進出者は、セミファイナルで各チーム内の勝ち上がりとなった4名に、
視聴者投票での敗者復活(ワイルドカード)1名を加えた計5名です。
コーチの席順で以下の皆さん。
・マリザのチーム João Leote
・ザンブージョさんのチーム Rodrigo Lourenço
・アウリアのチーム Mariana Rocha
・ディオゴのチーム Daniel Fernandes、Edmundo Inácio(ワイルドカード)

昨年は全員が男性でしたが、今年も女性は一人だけか。

公式SNSに予告兼PR動画がありました。BMWはスポンサーで、優勝の副賞として車が贈られるんだよね。

昨シーズンと比べたら小粒感は否めないが、納得のメンバーか。


今年もプロのゲストを迎え、その方とのコラボと出場者のみの歌唱とが交互になっています。
去年はチームに対しゲスト一人でしたが、今年はファイナリスト一人に対しゲストも一人。
うん、それがいいわ。公平だもの。
歌唱順はチーム関係なくシャッフル状態。
比較しやすいように出場者のみの歌唱とプロとのコラボ歌唱とを分けて視聴します。
視聴の順番は番組での登場順です。
(実際の放送順はyoutubeの再生リスト → こちら


その前に、オープニングはコーチ全員による歌唱。
Mentores cantam "À Minha Maneira" | Final | The Voice Portugal

ポルトガルが誇るロック・バンド、Xutos & Pontapésの曲をしっとりアレンジ。
(オリジナル → https://youtu.be/2s8_a7PGyI0
4人とも楽しそうで素敵。全力女子と、力を抜いた男子って感じ。
お衣装は黒で揃えたのかな。(一瞬、誰かに何かあったのかと思ってしまったけど)


それではファイナリストの歌唱を見て行きましょう!

Daniel Fernandes - "Who Wants to Live Forever"

ディオゴの「いいよ、いいよ」の表情がw
どうしてそんなに伴奏とずれてしまうのよ?
イヤモニしていないから、完全に自分だけのテンポで歌っているんだよなあ。
ダニエルの高音てピッチは確かなのかもしれないけれど、どうにも歌唱が一本調子なんだよね。
歌の中身を感じさせないと言うか。
高音を出すことが一番の目的で、歌が発声練習の延長線上にあるような。
アクション交えて熱唱しているように見えても、中身スカスカのような(暴言)。
歌唱後にすぐに笑顔を見せるけれど、歌の世界に入っていたらあんな表情にはならんよな。
最近、他国のVoiceで同じ曲を聴いたんだけど、比較しちゃうわ。
アレンジがよりドラマチックになっているせいもあるけれど、込めているものが違うのよ。
https://youtu.be/LACcvKttfac


Mariana Rocha - "Procura por mim"

マリザがボーカルを務めるバンド、Amor Electroの曲だ。
アウリアはマリアナのために選んだというより、マリザに聴かせたかったような気がするわ。
それはともかく、ポルトガル語だと、やっぱり感情の込め方が変わるのかな?
これまで、上手いけれどそれ以上のものは感じなかったマリアナの歌唱だけど、
今回は自分の言葉で表現しているように思えるね。
おそらくオリジナルのマリザをなぞったところで届くわけもないから、
自分らしく歌うことをアウリアが指導したのだろう。
勝手に描いた満点歌唱に近付けるのではなく、自分の思いを出すことを恐れるなと。
マリアナがプロを目指しているなら、そこは克服しないといけないからなあ。


Edmundo Inácio - "Canção do Engate"

あああ~、私の好きな歌を歌うのかぁぁぁっ
ポルトガルの名曲を歌うというポリシーを持ってここまで来たエドムンドなので、
正しい選曲ではあるが。
…あ、濃すぎないかも?
ねっとり歌唱は変わらないけれど、一抹の寂しさとか哀愁を感じさせている。
オリジナルのAntónio Variaçõesは何を歌っても寂しさを漂わせる声だけど、
そういう持って生まれた儚さではなく、いつも前向きだった人が気づいてしまった。
だから、より絶望感みたいなものが出ている気がするな。
真っ白なお衣装も、空虚さを表しているように見えて来る。
コーチ席から立ち上がり、エキサイトするディオゴ。
エドムンドに関しては「いいよ、いいよ」の全肯定コーチングが合っていたな。


Rodrigo Lourenço - "Senhora do Almortão"

これまで聴いたことがないタイプの曲は、ポルトガルの地方に伝わる歌。
出だしの表情から、すでに曲の世界に入り込んでいるロドリゴがいる。
(まばたきが少ないよw)
凄いな。
The Voiceの枠組を完全に超えてしまった。

昨年のティアゴ・シルヴァさんもポルトガル色全開だったけど、
あちらが陽ならロドリゴは陰、ダークに染め上げる。
歌うことに対する信念があるから微塵もぶれないし、
自分の個性というより、その曲を解釈し、こうだという形で表現するんだよ。
ザンブージョさんが「年齢がどうこうじゃなく、ロドリゴが歌を正しく解釈できることが重要」って言ってた。
まさにこれが歌の描く世界なんだ。
ザンブージョさんが誇らしげに、嬉しそうに見ているのがいいよなあ。
教え子が歌って欲しい曲を期待通り、あるいはそれ以上に歌う姿は、コーチの喜びよ。
コーチコメントを聞くと、こういうポルトガルの伝統歌を歌うという考えは、
Galaに入った時点でザンブージョさんとロドリゴ、二人の間で決めたことらしいのだけど、
歌うのは取って置いたそうで。
ファイナルまで絶対進むと確信していたからなのか、
反対に、これまでは賭けは出来ないという安全策を取っていたのか、どっちだろう?
選曲はもともとロドリゴも知っている(自分の動画チャンネルで歌っている)曲で、
ザンブージョさんはそれを知って決めたそうです。
この師弟コンビは思うことが同じなんだなw
ところでステージ左側でファド・ギターを弾くお兄さんがめっちゃイケメンな気がする。


João Leote - "Fado Português"

ミスする気配が全くないもんな。
ファドを歌い続けて来た自信とプライドと、コーチのマリザから得たすべてと。
Bオデから着実に、しっかりと歩みを進めて来たジョアン。
正統派ファドゆえに、誰かを蹴散らす様なインパクトとは無縁だけど、
毎回、とても丁寧に歌っているし、背筋の伸びた立ち姿がファドへの敬意を感じて好き。
ポルトガルに行った時、流れて来るのはこんな歌声であって欲しいわ。
そして、ラストはいつにも増して情熱的。
ファイナリスト5人の中で、一番気合を感じたよ。
こちらはマリザの表情がいいよなあ。
出来ることは全部伝えたから、ジョアンを信じている安堵の表情。
ちらっと映るザンブージョさんの表情が「やべえな、上手い」w


ソロでの歌唱はここまで。
ロドリゴが一歩リードといったところかな。
選曲の意外性も良い方に展開していたし。
次いで安定のジョアンと、変わらないことが吉になったエドムンドか。
ダニエルとマリアナは、これまでの評価をひっくり返すことはなかったかなあ。


続いて、それぞれがゲストを迎えてのデュエットを聴きます。
相性もあると思うけど、プロとどこまで張り合えるかな?

Rodrigo Lourenço e Gisela João - "Louca"

こ、これは…
プロのジゼラさんが凄いのは当たり前だけど、それに喰らいつくロドリゴよ。
不穏なピアノから始まる、どこまでも暗く重たい曲はロドリゴ向き。
ちょっと表現として良くないけれど、二人揃って落ちて行くような世界観じゃん。
真っ赤な背景も狂気を表していて、絶望のど真ん中ですわ…
憑依型のロドリゴが、タガが外れたように転げ落ちて行くのが凄過ぎる。
特に3:17からですよ!
血管が切れてしまいそうなくらい、全部を振り絞って。
その後のロドリゴ、肩で息して放心状態だもん。
熱唱のロドリゴに呼応するように、ジゼラさんの情念も最大級の放出。
すげえ…

ゲストを呼んでのコラボって、ご褒美的なおまけという認識だったのよね。
去年のルイシュとシモーネ御大みたいに、憧れの人と一緒!みたいな。
それはそれで「ふふふ、ファイナリストもただのファンになってしまう」って楽しいけど、
その前提を覆す、圧巻のパフォーマンス。
かつて、ここまで熱くなるゲストと出場者のコンビがあっただろうか?
しかもこれ、番組としては2番目に登場したのよ。
こんなの聴かされたら、後に続く人はやりにくかろう…
歌唱後のトークの中で、ロドリゴがジゼラさんに歌唱動画を送ったという話をしていて、
どうもロドリゴは、前からジゼラさんの歌を聴いていたようなんだね。
彼がVoiceで歌った曲をジゼラさんも歌っているし。
ぴったりなゲストを呼んでくれて、ザンブージョさんとRTPはいい仕事しましたよ。


Mariana Rocha e Fernando Daniel - "Recomeçar"

なるほど。そう来たか。
前に、「マリアナの歌唱はフェルナンドのThe Voice時代の歌唱に近い」と書いたから、
この組み合わせは納得出来る。
もっともフェルナンドは当時と比べたら、相当歌唱にまろやかさが加わったからね。
似たようなタイプとは言え、レベルの違いははっきりしているかな。
まあ、ここまで歌えるのだから、マリアナは上手いんだよね。
フェルナンドがマリアナに合わせてくれているのもあって、デュエットとして完成に近い。
2:20~ここはもうちょっと頑張って欲しかったかな。


Daniel Fernandes e Vitorino - "Queda do Império"

ううむ、優しい素敵な曲なんだが…
ヴィトリノさんはカンテ・アレンテージョ界隈の人のようなので、
オペラ歌唱のダニエルとはちょっと方向性が違うと思うんだよね。
それだからか、合わせのところも個々に勝手に歌っている印象。
多分、先の二人に比べてリハーサルに費やした時間が少なかったんじゃないかな?
(→ Covid-19で陽性になったのはダニエルらしいので、実際、そうだったかも)
聴き返すのが辛い。


Edmundo Inácio e Paulo de Carvalho - "Flor sem tempo"

すごい大御所連れて来たな。
ESC出場経験もあり、FdCを語る上で必ず名前が挙がるパウロさんだぞ。
しかし、そのことをわかっているのかエドムンドwww
お前、やりたい放題じゃんww
あまりに自由なのでパウロさんも面白がっているけれどもw
ポルトガルの名曲を歌いたいエドムンドに、これ以上ないくらい贅沢なゲストなのに、
合わせてくれるの、パウロさんの方じゃん。
ソロ歌唱の際にスタンドマイクであまり動けなかった反動か、
「お前はアスリートか」というくらいに屈伸しているw
2:34~ あれ、完全にエドムンドが主役になっているんだけど、
それで良かったのか?
笑い過ぎて腹筋痛いwww
てか、ディオゴも笑っておるがなw


さて、番組内ではJoão Leoteもゲストと一緒に歌ったのですが、
非公式も含め、動画が全く残っていないんですよね。
放送に合わせて一時的にはUpされたようなのですが。
ゲストは、ジョアンのBオデ後に飛び入りデュエットをしてくれたSarra Correiraさん。
歌ったのはこちらの曲。

この曲の作詞作曲はCarolina Deslandesなんだけど、
以前、カロリナがThe Voiceにゲスト出演してディオゴとコラボした際も、
Voiceの公式チャンネルには動画がなく、ディオゴ自身のチャンネルにのみ上げられたんだ。
今回もそういう問題かな?
カロリナはKids版のコーチもしているのにダメなんだね。
写真だけはありました。



ジョアンの歌唱を確認出来ないのが残念だけど、他の4組を見た中ではロドリゴでしょ。
番組史上に残るゲストとのコラボだわ。


ここで最初の視聴者投票が行われ、上位3組が次のラウンドへ進出。
4位、5位についてはここで終了となります。結果含め、次の記事に続きます。

※途中、ゲストによる歌唱があったのですが割愛。