The Voice Portugal Season9 Gala第4週・セミファイナル | fumufumuのブログ

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ギリシャ・ネタ、音楽ネタを適当に綴っています。
ヘッダー画像はシフノス島のエプタマルティロス教会です。

「The Voice Portugal」Season9、
Gala(Live Show)の第4週
を見て行きますよ!

今回は各チーム2人→1人を決めるセミファイナル。
コーチ票50・視聴者票50の合計を競います。
コーチ票50ポイントの割り振りですが、ルールが変わりました。
これまでの、優劣決めかねての26:24というのが出来なくなり、
今回は最低でも10ポイント差をつけないといけないルール(=30:20が最小差)。
視聴者票は50ポイントを票数に応じて割り振りです。
さすがに視聴者票が二人完全に同数ということはないだろうね。

番組はコーチと出場者によるチーム歌唱を挟みつつ、出場者8人がランダムで登場。
公式チャンネルの再生リストが実際の歌唱順の模様。→ここ
(kids版優勝者でジュニア版ESCに参加した少年がゲストでしたが、ここでは割愛)
記事では比較しやすいように、チームごとにまとめて見ていきます。

その前に、8人全員でのパフォーマンス。番組では中盤で披露。

Semifinalistas 2021 cantam "Estou Além"

これ、António Variaçõesの曲なのよ(https://youtu.be/AKQvTS73jI0)。
8人それぞれがソロを取りつつ、全体で歌えるようにアレンジしてるのがいいね。
曲の雰囲気はかなり違うけど(そもそも40年前の曲だし)、
ポルトガルが誇る希有なアーティストの曲を取り上げるのが嬉しいわ。
同じ曲を歌うとなると、個々人の個性と歌唱スタイルの違いがわかりやすい。
ねっとりのエドムンドはやっぱりねっとりだったのに(大分きれいになってはいるが)、
ファドのジョアンがストレートに上手くてびっくりした!
ヒゲのジョアンはここでもヒゲナイズ(©シーラさん)で唯一無比だなと思うな。
そしてそしてロドリゴがめちゃくちゃ上手いぞ!!!
オペラ歌唱のダニエルよりも迫力だぞ!
いや~、自分だったら、歌いながら泣いちゃいそうだな。
勝ち進むとチーム関係なく長丁場で一緒になるわけだし、
この曲だってみんなで練習したんでしょ?色々思い出しちゃうじゃん。
コーチもにっこり、良いパフォーマンスでした。
白で揃えたお衣装も、各自のらしさがあって素敵だね。


それではファイナリストは誰になるのか、各出場者の歌唱です。

マリザのチーム
João Neves - "Running Up That Hill"

ああああ、この曲はっ!!
最近、この曲を他国の「The Voice」動画で見て、やっぱりいい曲だなと思っていたところ。
オリジナルのKate Bush版の、追いたてるようなバックの音がかっこいいし、
優雅でいてシャープという、相反するイメージを同時に呼び起こすボーカルもすごいのよ(語彙
ジョアンは声が優しいのと浮遊感がある歌唱なので、そこまで激しさはないけれど、
二人は世界観が近いような気がするね。
この曲はオルタナバンドのPlaceboのカバーも有名で(https://youtu.be/d-mYX0qKkB8
ジョアンのアレンジもそっちに近いのかな?
Placeboに感じる重さはないから、単に今の音で構成しているってことかしら?
でも彼の歌唱は誰とも違うから、たとえ既存のアレンジで歌ったとしても、
全く別のものにしてしまうんだよね。
何て言うか、他の星から来たと言われても信じてしまうくらい、進化を感じるのよ。
勝負を賭けた曲には向かないけれど、“Wuthering Heights”も歌ったら合うだろうなあ。
衣装も独特だよなあ。色もフォルムも、これを着こなせる人はそうそういないよ。
ジョアンは音楽だけじゃなく、美術の方のart workも手掛けるそうなので、
まさにアーティストって感じ。
惜しむらくは音響がよろしくなくて、ジョアンの声が後方に聞こえてしまうこと。
RTP、毎年何かしらやらかすよね。今年はイヤモニ不調が目立つけど、しっかりして。


João Leote - "Loucura (Sou do Fado)"

アカペラ???
ファドと言ったらギターラとヴィオラ(クラシックギター)を従えて歌うのがお約束。
それを外して、でも歌うのはここ一番で歌われる印象がある"Loucura"だ。
これまでファドの王道をあくまで正統派で歌ってきたジョアンだけれど、
ここに来て勝負に出たということかしら?
勝負の相手のヒゲ・ジョアンは毎回インパクトの強い歌唱をするからね。
何か「おお!」と思わせるものを見せる・聴かせるのは作戦としては正しいな。
ファド・ジョアンの実力の証明みたいなものでしょ。
どちらかというと、重めの迫力ある歌唱が合う曲だと思うけれど、
本来は軽やかな声が持ち味なジョアンが魂込めて歌うから、言葉に重みがある。
スタイルとかタイプは関係なくなっているよ。
セミファイナルまで来ると、この一曲に人生を賭けているような歌唱を聴くことがある。
ジョアンの歌唱は自分のファド人生を賭けているよ。ファドの未来を賭けている。
自分の勝利だけでなく、ファドが勝利するために歌うんだ。
ザンブージョさんがコーチに就任してから、ファドを歌う出場者は増えたけれど、
ファドへの思いが一番強い人だわ。


Marisa Liz, João Leote e João Neves - "Perdidamente"

ヒゲ・ジョアンは初めてのポルトガル語歌唱かな?
母国語だからか、いつもの浮遊感より、立ち姿同様に背筋がピンとする歌唱。
軽い軽い言ってきたファド・ジョアンだけど、ヒゲ・ジョアンと一緒に歌うと、
思いの外、情熱的でびっくりだわ。
マリザとヒゲ・ジョアンの合わせがめちゃくちゃきれいだな。
ソロで歌う時よりも「語る歌唱」に聞こえるのは、マリザに向けているからだろうな。
ファド・ジョアンとマリザは声質が合わないようにも思えるけど、ハートで補う感じ?
そしてそしてマリザですよ。
上手いよなあぁぁぁ
二人の歌唱をきちんと聴いて、公平に接する姿はコーチの鑑。
歌唱後に「あぁ~」みたいに頭に手を当てるけど、この後の選択を考えて気が重いんだな。
毎回マリザのチームは優秀な出場者が集まるけど、二人のタイプが全く違うし、
どちらも今までの出場者と違うから、悩むのもわかるわ。
ワイルドカードで、二人ともファイナルに進んで欲しい。


結果 (コーチ票+視聴者票)
João Neves 20%+19%=39%
João Leote 30%+31%=61%

そうなるかぁぁぁぁ~
マリザはファドを選んだという感じなのかな。
視聴者もポルトガル愛を優先させたということだろうなあ。
ヒゲ・ジョアンの、国とか特定のジャンルに縛られない歌唱は素晴らしいけれど、
優勝しそうな人だからこそ、投票されにくいのかもしれないね。


ザンブージョさんのチーム
Rodrigo Lourenço - "Naufrágio"

青みがかったライティングとスモークだけのシンプルなステージ。
ロドリゴの衣装も青なのか…あ!これ、歌詞に合わせているのか!
https://youtu.be/tpiLWznS47Y
アマリア・ロドリゲスの歌唱で有名な"Naufrágio"
ちょっと調べたけど、The Voiceで歌われたことがないようなんだ(もしくは話題にならなかった)。
そりゃあ、こんなに重く苦しい内容だもの…
これを歌うのか、ロドリゴ…
何て寂しい歌唱なの…
涙こそ見せないけれど、心の中は嵐じゃん…
今ここで、すべてを終えようとしているかのような歌唱じゃん涙
若いロドリゴに、そこまで絶望を感じるような経験があるとは思えないので、
歌の世界を解釈して、どっぷりと入り込んでいるんだよね。
ザンブージョさんが「彼は音楽のold soulを持っている」と言っていたけど、
実年齢関係なく、古い歌であっても歌に歩み寄り、歌を引き寄せる、そういうことが出来るんだ。
そして毎回、本当に声がきれいにすっと出ているから、言葉がはっきり伝わる。
ポルトガルの人にとってはグサグサ刺さりそうだよな。
重い歌ばかり歌って大丈夫かなと思うど、歌い終わるとわりとけろっとしているのよねw、
その辺りの切り替えも凄いな。


Maria Inês Graça - "Malhão de S. Simão"

意外だなw
昨年のティアゴ・シルヴァの女性版みたいで楽しいぞw
表情豊かなマリア・イネシュだから楽しさ全開のステージが様になるし、
踊りながらも歌唱がぶれないのもすごいな。
こういう選曲が出来るのはザンブージョさんだけだよね。
それにきっちり応えるのは、コーチを信頼しているから。
彼女がBオデで重苦しいファドを歌った時は、正直あまり好きじゃなかったけど、
進むにつれて魅力を増していったよね。
元々実力があった人だろうけど、コーチが色んな良い面を引き出してくれた。
The Voiceに挑む、実力があって、特にポルトガル音楽を愛する出場者が、
初シーズンこそ遠慮がちだったけど、今ではザンブージョさんをコーチ指名するのもわかるわ。


Zambujo, M. Inês Graça e Rodrigo L. - "Quem te Viu, Quem te Vê"

楽しいぃぃぃぃぃ~
今回チーム内にブラジル人はいないのにシコ・ブアルキさんの曲を選んだのは、
ザンブージョさんが歌いたかったからに他ならないwww
許す、私は許すぞ!
だって3人(+ゲストのバンドの方々)ともめっちゃ楽しそうじゃん。
自分だけの歌唱では絶対に笑顔を見せないロドリゴも、かわいく笑ってるし。
まあ、一番嬉しそうなのはザンブージョさんだけどなw
コーチと一緒のチーム歌唱って、余興というか、ご褒美的なものでありつつ、
出場者の実力を再認識させる場でもあると思うんだけど、
ここではそんなの関係無いもんな。
たくさん友達を呼んだ、家族のパーティー状態ですわ。
歌唱後も楽しい様子の動画 → https://youtu.be/nWqFVUiK9uE


結果 (コーチ票+視聴者票)
Rodrigo Lourenço 30%+32%=62%
Maria Inês Graç 20%+18%=38%

ロドリゴが凄かったもんな。
マリア・イネシュも良かったよね。この二人がセミ進出で良かった。


アウリアのチーム
Mariana Rocha - "Everybody Hurts"

古い調査だけど、男泣きする曲の1位になったのが"Everybody Hurts"だそうで。
BGT等でお馴染み、毒舌のサイモンも好きな曲だと言うR.E.Mの名曲。
私がポルヴォで聴くのは初めてかな?
実は前回のGalaでアウリアが、「これまでのマリアナはハートの部分が欠けていた」って言ったんだよね。
それを何とかするために、前回はポルトガル語の曲を歌わせた(感情を入れやすいから?)。
今回は誰にとっても思い当たる様な歌詞の"Everybody Hurts"。
うむ、アウリアはちゃんとわかってコーチングしてあげているんだ。
この曲は、単純な歌の上手さではないところで勝負しないとだめだからね。
それでも、セミファイナルで周りに超絶感情表現のモンスターみたいな出場者がいると、
どうにも薄味に聞こえてしまうよなあ。
で、技術的な上手さは完璧だから、かえって嘘っぽくなってしまうという皮肉。
マリザが途中でけっこう醒めた表情を見せていたよね。
あれは熱唱のようで何も伝わって来ないからだろうなあ。
そういえばこの曲、Brendan MurryがX Factor UKで歌っていたな。
あれは素敵だった(https://youtu.be/1K2TN4c_scE
ブレンダン、元気かしら。


Francisca Oliveira - "La Vie en Rose"

いいなあ~ドキドキ
思わずハートを飛び散らかしてしまうわ。
甘いけど甘すぎず、強く出ても強引ではなく、押すと引くとが絶妙なんだよね。
フランシスカの場合、アウリアの熱血コーチングの影響を余り感じないけど、
それはすでにフランシスカが自分のスタイルを確立していて、
アウリアもその方向は間違っていないと認めているからなんだろうな。
基本的にきちんと歌える上手さを持っているからこそだけど、
やりたいことと出来ることが一致する、幸せな例だと思うわ。
あまりルックスのことを言うのはよろしくないけれど、
フランシスカのステージは見た目にも華やかだし素敵だよね。
今回の様な楽しい歌唱はもちろん、しっとり歌唱やドスの効いた歌唱も、
映像があることで魅力増し増し。
ビジュアルもやっぱり大事な要素だよ。


Aurea, Francisca e Mariana - "Can't Help Falling in Love with You"

この曲はフランシスカ有利かなと思ったけど、マリアナもきれいにまとめている。
…いや、やっぱりねっとりが過ぎるか。ピッチもリズムも正確なんだけどね。
フランシスカはいつもの自分の歌唱を出せば曲に合うのよ。
それよりも!アウリアが本気出しちゃうからw
毎回のことだけど出場者がかすんでしまうわ。
そういう手抜きなしのところがアウリアらしくて好きなんだけど。
きっとマリアナとフランシスカが自分の本気に着いて来れると思っているんだよね。
昨シーズンのアウリアチームのセミファイナルは男性ばかりだったのに対し、
今年はタイプの違う女性二人。
締めで3人で集まる姿は女子高ノリだな(私も女子高卒)


結果 (コーチ票+視聴者票)
Mariana Rocha 30%+29%=59%
Francisca Oliveira 20%+21%=41%

アウリアはマリアナを選びそうな気がしたんだよなあああああ。
前回のGalaでマリアナに苦言を呈したのだって、克服出来ると考えてのことだろうし。
鍛えるという意味ではマリアナの方がやりがいがあるんだろう。
それよりも視聴者よ、どっちが次も見たいかと考えたらフランシスカじゃないの?え?


ディオゴのチーム
Edmundo Inácio - "Sonhos de Menino"

マオカラーの衣装、束ねた髪とお髭のせいで、何だか怪しい東洋人ぽい。
慣れは怖いなw 
繰り返す視聴出来るようになったよ。
何回聴いても上手いのか上手くないのかわからんのだがw、
ここまで徹底すれば一つの世界観として出来上がるもんな。
ポルトガルの名曲を選び、意外なアレンジで熱唱するスタイル。
このアレンジは誰がやっているんだろうね?
Bオデからずっとこのスタイルだから、エドムンドの希望だと思うが、
優しいというか控え目なコーチングのディオゴだから(←憶測です)、
無理に手を入れることなくやらせてあげたんだろうな。
これがマリザやアウリアがコーチなら、力技で方向修正させただろう。
バトル敗退のセーブでマリザの下からディオゴのチームに移ったわけだけど、
エドムンドにとっては結果的には良かったんだね。
ところでステージで、最後までコーチに背を向けたままなんだね。


Daniel Fernandes - "Con te Partiró"

エドムンドは上手いのか上手くないのか判断に迷うが、
ダニエルはあかんやろ…
選曲は間違っていない、というか、歌唱スタイルを考えたら選んで当然だわ。
しかし、ここまで演奏と歌唱がズレズレだと、聴くのがストレスになる。
1:30のマリザの表情だよ。
あんな感じで「やばいじゃん、どうなってるの???」って。
ダニエルって毎回絶対にイヤモニを着用しないんだよね。
RTPがやらかすので、着用していても外してしまう人は少なくないけど、
演奏をジャストでとらえるのは難しい。
しかも通常と違うセットのGalaのステージだよ?
プロの演奏陣が合わせようとしても、先走られたら追い着けないよなあ。
走ったと思ったらもたつくし。
いっそアカペラで歌わせたら良かったのに。


Diogo Piçarra, Daniel Fernandes e Edmundo - "Haja o que Houver"

ディオゴよ…
聴き返すのが辛いじゃないか。
この曲はディオゴ自身がカヴァーしているポルトガルの名曲で、
昨シーズンはファイナリストのディオゴ(紛らわしい)にGalaで歌わせて、凄く良かったんだ。
https://youtu.be/gXVyoaJRGyQ
ピアノメインなのは当時と同じかな。
エドムンドはいいんだよ。曲に合った歌唱が出来ているし。
問題はダニエルで、ここでもリズムが合わないんだ。
誰かと合わせる歌唱も出来でいないんだ。
勘弁して、ディオゴ。


結果 (コーチ票+視聴者票)
Edmundo Inácio 30%+16%=46%
Daniel Fernandes 20%+34%=54%

うわぁぁぁぁぁ、ポルトガル視聴者っ!!!
ディオゴがエドムンドの方を評価したのに、それをひっくり返すとは!
私だってエドムンドのねっとり歌唱が好きではないが、出来栄えは彼の方が上だぞ。
ダニエルの人気が謎だわ。


さて、この結果各チームのファイナリストは以下の4人。
・マリザのチーム João Leote
・ザンブージョさんのチーム Rodrigo Lourenço
・アウリアのチーム Mariana Rocha
・ディオゴのチーム Daniel Fernandes
 

そしてチーム内対決で敗退した4人の中から、一人だけワイルドカードでファイナルに進めます。
視聴者投票の間、ゲストでThe Black Mambaのおじ様達が登場。
新曲を披露です。

The Black Mamba - "Sweet Amsterdam"

これを聴くと、この人達は本当にアメリカのサウンドが好きなんだなあ。
タンバリンも入れて、まんま、モータウン・サウンドだもん。
バンドの理想形みたいでかっこいいぞ。
ちらっと映ったのは、ワイルドカード選出結果を待つ4人だね。
内心はドキドキしているのかもしれないけど、楽しそうにしてくれているのは嬉しいな。


The Black Mambaのステージを終え、ワイルドカード・5人目のファイナリストは、
・ディオゴのチーム Edmundo Inácio
まあ、チーム内対決でコーチが推したのに通過しなかったのはエドムンドだけだしな。
ディオゴもほっとしたことだろう。


はい、これで「The Voice Portugal Season9」、セミファイナルを視聴しました。
推しが見つからないまま来てしまったけれど、多くはコーチの力でレベルアップしているし、
セミファイナルにふさわしい歌唱が並んだと言っていいんじゃないかな?
一部、反省文を書かせたいような歌唱もあったけれど、
これはThe VoiceであってESCではないんだから目をつぶろう。


次回はついにファイナルです。
早いなあ~~~あっという間だな。
終わってしまうのは寂しいけれど、ファイナルでは複数の豪華ゲストも期待出来るからね。
楽しみましょう♫