学生時代に好きだった人がフェイスブックを更新した。妻の社宅に居候したと書いてあった。それまでは妻子について全然書いてないので結婚してないのかと思ってた。私が逃げたから家族を持てなかったのかと。でも結婚はしてるのかな、それぞれ仕事してるから別居してるということなのかな。罪悪感が消えて良かった。
昔アマ劇団に一年間だけいた。ある日、本読み(だったかな?)するのに、同い年の男性が私の隣に席をわざわざ移って座った。私のこと好きなのかな?と気になった。彼が主役に選ばれて、キスシーンがあった。なかなかキスしなくて皆に責められて辛そうだった。私なんてバカで出来損ないで世の中にはもっと可愛くて出来の良い女がたくさんいるんだからと恋愛しないようにしてたから、声かけることはしなかった。私が稽古に遅れて行った日に、座長が彼のことを唇の処女と言ってた。好きな人の前で他の人とファーストキスなんて嫌だよね。彼の気持ちをきちんと気づいて相手してあげたら彼はファーストキスを芝居に捧げなくて済んだのに。今は結婚して子供がいて幸せに暮らしてるみたいだけど、今もちょっと後悔してる。
30年前に、FM全国ネットで、グランプリに選ばれたら100万円の資金を プレゼントして夢の実現を応援するという企画で、県代表に選ばれて取材を受けたことがあった。才能なんて全然なくて、ただ文通相手を一度も会わないまま事故で失ったのが悲しくて誰かに気持ちをぶつけたかっただけなのに。彼女の未完成の遺作を前に何も考えが浮かばず、私を選ばないでと思いながら話をした。その気持ちが彼女に届いたのか、放送では私の声が流れる前に音声がおかしくなり、そのまま終わった。今ならやり方はいろいろあるとわかるが、瞬発力のない私はできないとしか思えなかった。あの作品はまだ残っているだろうか。もし賞金を手にしたら、何かの形で世にだしてあげたい。