30年前に、FM全国ネットで、グランプリに選 ばれたら100万円の資金をプレゼントして夢の実現を応援するという企画で、県代表に選ばれて取材を受けたことがあった。才能なんて全然なくて、ただ文通相手を一度も会わないまま事故で失ったのが悲しくて誰かに気持ちをぶつけたかっただけなのに。彼女の未完成の遺作を前に何も考えが浮かばず、私を選ばないでと思いながら話をした。その気持ちが彼女に届いたのか、放送では私の声が流れる前に音声がおかしくなり、そのまま終わった。今ならやり方はいろいろあるとわかるが、瞬発力のない私はできないとしか思えなかった。あの作品はまだ残っているだろうか。もし賞金を手にしたら、何かの形で世にだしてあげたい。