ビオラ・アルベンシス
Mottさん(http://ameblo.jp/kleingartenmotta/ )も私のブログを参考に育種に取り組まれているお一人。
極々小輪に興味がおありで、原種のビオラ・アルベンシスには特に興味を持たれています。そこで、冷蔵庫の奥に眠っていた種をお送りしたのですが、どうも発芽しなかったみたいです。
導入当初からしばらくは、アルベンシス自体の選抜も行っていました。
開花時期などを早めることで使い勝手のいい原種にしようという目的。ところが、断然交配種(ののはなイエロー、ブルー、チアフルイエローなど)を使った方が効率がいいのとが分かったので、いつしかやめてしまいました。
しばらくは庭のあちこちや鉢植えの中で雑草のように生えてきていたのが、除草や場所に適応しなかったのか、最近はすっかり生えてこなくなりました。
もしかすると、ここだったらあるかもしれない。実家の裏山の圃場に行ってみると、数は少ないもののありました、ありました。
「さて、問題です。アルベンシスはどこにあるでしょうか?」(イモトアヤコさんが叫んでいます)。
ね、小さすぎる上に白い花。なかなか見つけられないでしょう?
アップにしてようやく分かります。
見てお分かりのとおり、率先して育種に使おうという花(原種)ではありませんよね。
こんな感じでヨーロッパ全土に生えているという話なので、日本でいえばオオイヌノフグリやキツネノボタンを育種に使おうと誰も思わないと同じ感覚でしょう。
ビオラの原種はそれだけでも野趣に富んできれいなものが多いです。だから、この原種を初めて見てガッカリ、ガックリした時の私の気持ちが分かってもらえると思います。
でも、私使っちゃった。使わざるを得なかった。だって、この原種しかなかったんですから。だって、わざわざ苦労してイギリスから導入したんですから。でも、これが思いもよらない展開をするんですよね。
誰も返り見ることがなかった原種を使ったことによって、日本独自の進化が始まった!そう、極々小輪、細弁(バニー・ラビット)が出現したんです!!
今や主流になりつつある花型、多くの方がこの花型に取り組まれています。
その始まりは、こんな原種(種から育ったのはたった4株)であり、単なる偶然(使わざる得ない状況と株が伸びるのでしだれ咲きができるかもしれないとのひらめき)だったんですよ!
一見どうしようもない原種でもどんな遺伝子を秘めているかは不明。
だから、環境破壊で種の絶滅なんて問題は本当に身近に感じます。だって、このアルベンシスがなかったら日本独自の花型なんて生まれなかったですから。
何とか、生き残っていることは分かりましたので、キチンと今回は種採りをしようと思っています。
ちなみに、ビオラ・アルベンシスについては「すみれの部屋さんの@花の写真館」
http://www.io-net.com/violet/violet3/arvensis.htm
に大変詳しく書かれています。ご参考までに。