昨日に引き続き、通勤手当についてのお勉強。
昨日はわが社のお話を書きましたが、今日は一般論としてです。
相談サイトでも通勤手当の受給については意外と件数があって、悩んでいる従業員や会社担当者、経営者も多いように思いました。
なので、一助になればと調べたことを掲載しておきます。
まずは、通勤手当とは何ぞや?
通勤手当とは通勤にかかる費用を会社が現金、または定期券等の現物で社員に支給する制度。
本来、通勤にかかる費用は労働者が負担するべきものだが、社員の福利厚生の一環として住所や通勤経路の届けを求めた上で合理的かつ経済的な経路による費用を賃金の一部として支給するもの。
参考として・・・労働基準法11条(賃金とは、賃金、給料、手当て、賞与その他の名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう)の賃金に該当するが、通勤手当は一般的に労働社の通勤距離、または通勤に要する実際費用に応じて算定される手当てであり、任意的、恩恵的とされていない。
ズバリ!実際は通勤について法的な規定ははっきりしていませんので、各々の社の規定によります。
しかし、申請した方法でない通勤手段にしてお小遣いを稼ぐ行為・・・つまり虚偽申請の場合は・・・以下の条項に抵触するでしょう。
刑法第246条(詐欺罪)人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
刑法第253条(業務上横領)業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。
刑法第235条(窃盗)他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
で、その場合は、返還義務があります。
民法第703条(不当利得の返還義務)法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
民法第704条(悪意の受益者の返還義務等)悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。
さらに詳しく・・・・一般債権の請求権の消滅時効は10年ですが(民法167条第1項)、労働基準法には賃金の請求権の消滅時効(賃金2年、退職金5年)にかかわる規定(労働基準法第115条(時効)この法律の規定による賃金(退職手当を除く)は適用されない。
(災害補償その他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。)があるが、不正に受けた通勤手当にはこれも適用されない。
なので従業員が不正に受けた賃金全額の返還を請求することができる。
従業員本人が通勤手当を受ける資格がないのを知っていたにもかかわらず受給していた場合(=悪意の受益者である場合)は、受けた利益に利息を付して返還を求めることができます。(前述の民法第704条)
また会社は年5%の法定利息を上乗せして従業員に返還請求することができる。
これは、「民法404条(法定利率)利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年5分とする。」が理由。
不当利得の返還方法は、賃金の全額払いの原則(労基法第24条)により賃金から控除することはできないので、過払い額(返還額)を双方で確認確定し、返還方法等について同意を得て、書面にて保存することがベストかと。(書面=契約により給与控除の方法を取ることもできる)
と、まぁこんな法律から、一応、全額請求されることも考えられるし、充分懲戒対象案件となり得ます。
難しいけど、勉強になった???
(専門家じゃないから、気になる方は裏付けとって調べて下さい)