さて、難しい部分は飛ばして、
π中間子は3種類あるので、3I+1=3 より I=1(1,0,-1)である。
π中間子1個と核子1個の系でのアイソスピンは
で、1/2と3/2である。
上の式は、直積と直和を表していて、自分なりに解釈はしているが、いい加減なことは書けないので、自分で理解するように。
加速器で加速した陽子を原子核に衝突させ、発生した荷電π中間子(π^{+}, π^{-})を集めて、運動量のほぼ等しいものを選び、これを陽子(水素)標的に衝突させると
などの反応が起こる。
この際、微分断面積がπ中間子のエネルギー320MeV付近で山が三つ出来ることが発見された(1953年シカゴ大学)。
これは1230MeV/c^2の質量の共鳴によるものであるし、この共鳴のアイソスピンも3/2であるとすると、すべて説明できることが明らかになった。
この共鳴を(3,3)粒子、またはΔ(1230)粒子と呼ぶ。
ここで、共鳴とはなんであるか復習しておこう。
一番わかりやすいのは、バイオリンやチェロの弦である。
たとえば、開放した弦がド(C)の音を出すとすると、その隣で違う弦で指で押さえてオクターブ違いのドを出すと、解放された弦も振動する。
これは物体が固有振動数を持っているので、外部で同じ振動数を与えれば、共鳴する。
例えば、金属でもいい、叩くとカーンと音がなる。
その同じカーンという音を人工的に作って、その金属の近くでならすと同じように共鳴する。
電気も同じである。
のような同調回路を考えると、これも固有振動数を持っているのである。
具体的にはこの回路で電流実効値が最大になる電源の周波数である。
この周波数と同じ電波が入ってくると、この電波によって、この回路に電流が流れるわけである。
さきほどの弦の例と似ている。
これも共鳴である。
この回路にとらえられる電波のエネルギーは
であり、回路に蓄えられている電磁気的エネルギーは
である。
これ、長くなるので、例えば ファインマン力学 p314とp325にまったく同じ式が載っているので、それ以前から読むように。
ファインマンなら図書館にあるだろう。
ランダウ=リフシッツは期待できないが。
ランダウ=リフシッツは全部揃えるのに苦労したが、まさに猫に小判。
(つづく)