とある夫婦の会話。


 妻 「 はい、餃子、焼き上がったよ」

 夫 「美味しそうだな」

 妻 「今迄、手抜きをしてて、冷凍物だったけど、、、、ごめんなさい。毒物混入事件とか有ったし、やっぱり、手作りが一番よね」

 夫 「そうだな、安全が第一だよ」

 妻 「全て、国産物の材料だからね。どうぞ召し上がれ」

 夫 「いただきまーす」

 

 モグモ゛グ ムシャムシャ モグモ゛グ ムシャムシャ モグモ゛グ ムシャムシャ ・・・ゴックン。

 

 妻 「どう?」

 夫 「うん。やっぱ、安全が第一だよ・・・」




国産だから安全とは限りませんけどね。

鼻の穴の下の辺り、妙な腫れ物が出来た、、、、んで、暫くの間、マスクを装着する事にした。

この時期、花粉症の人に悪いような気もしたけど、余りに見苦しいので、仕方なかった。

最近のマスクは、かぜ用のも花粉用のも、形状の全く変わらないものが主流なので、どちらにしても(腫れ物隠し用のは無かった)、区別は付かない。三層構造(保温効果とバリア性)と一層構造(バリア性と通気性の両立)とかの違いだ。

だから、、、、


 「おっ、花粉症デビューか?」


とか決め付けられる、、、、頻繁に。

でも、説明が億劫なので、、、、

 

 「そういう兆候が感じられるので、念の為、、、、」


という風に遣り過ごす。

ただ、困るのは、花粉症の人から、熱烈な仲間意識を持たれる事だ。これに、話が合わせられない。


 「まだ生り掛けだから・・・」


この場凌ぎだし、何れ、襤褸が出る、、、、んで、心苦しいし、カミングアウト。


 「実はさ、これこれこういう訳で、こうだったんだよ。アハハハ」


あの、一変した、冷たい態度・・・。『騙された』みたいな、、、、蔑みの視線が浴びせられる。

途端に余所余所しく、理不尽に突き放された疎外感、、、、息の詰るような空気、、、、今度は、酸素マスク(色付き)を用意してこないといけないようだ。


 「此処、ハウスダスト酷くなってね? 誰かがドタバタさせてくれた御陰でさ」


いや、防毒マスクの方か・・・?

大勢の人前に出る時、緊張しないように、【人】の字を掌に書いて、飲み込む。これを三回、繰り返す。

つまり、人の多さに飲み込まれるのでは無く、逆に飲み込んでしまい、優位に立とうとする、所謂、“暗示”だ。



 筆者  「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! 人を食べてるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!! しかも、三人も、ぺろりとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

食人鬼(仮) 「いやいやいやいやいやいやいやいや」

 筆者  「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! 襲われるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!! たすけてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!! 人食い人種だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」



筆者の持ちネタなんですがね。

緊張を解そうと、序文に示したような、呪いめいた行為に勤しんでいる、初々しいタイプの人を見掛けると、からかいたくなっちゃうんですね。

でも、最近、この手の迷信に依存する人少なくて、、、、殆ど見当たらない・・・。寂しいなあ・・・。


昔観た、<食人族>って映画の事を唐突に思い出して、感慨に耽ってしまいました。お粗末様です。


緊張から逃れるのに、最も良い手立ては、相手を人間と思わないようにするのでは無く、自分を人間と思わないようにする事ですよ。

大丈夫、元には戻れます。それを、周りが認めてくれればね。