5月3日
この日が5年間突き通してきた嘘をつく最後の日だった。
横浜でヤスと遊んでいた。
夕食のパスタを食べている途中で喧嘩をしてしまった。
滅多に喧嘩などしなかったから
深く考えすぎてしまったんだろう
そのまま駅に向かい早い時間だったが解散することにした。
ヤスは足早にその場をあとにしたのをなんとなく覚えている
しかし、仲直りしないままのさよならに不馴れな私は彼を呼び戻した
直感の行動だった。
これが後に吉とでる。
ヤスと話し合いをし、少し?仲直り。
本屋に足を運び、大好きな数学書を読んでいた。
おかしい。
だんだんと呼吸が早くなるのがわかった。
本屋でそのままうずくまり、異変に気づいたヤスが外へ連れ出した
そのあと、電車で帰ることにした。
乗っている途中で激しい吐き気に襲われた。これ以上乗っていられなくなり降りた
電車を遅延させてしまうほどの大事件だ。
ホームで休んでいて
気づくとヤスがいなくなっていた
いや、誰もいない。
音もしなければひともいない
次に覚えてるのは救急車の天井だった
何が起こったのか。
[ヤスの証言]
私が意識朦朧となり、過呼吸発生
袋を持ってきてと言われコンビニかどこかへ取りに行った
戻ってきたときには私は完全に倒れていて、駅員さんに囲まれていた
やってきた電車はその場で止まった。
過呼吸が落ち着くと
駅員さんは救急車を呼んだ
とのことだった。
救急車で私は正直に話をした。
言語障害になっており、話すのがやっとだった。
全身はしびれている。うまく動けない
『なにか病気されてますか?』
5年間突き通してきた秘密をついにここで打ち明けた
『高校2年のときに、パニック障害の疑いがあると言われました』
親にも親友にも、自分以外のひとに絶対に口にすることはなかった。
しかし
もうヤスの目の前でこれだけ二回も派手に倒れたのに隠しきれないと察したのだ
救急車のひとは
『つらかったでしょう。ずっとひとりで抱え込んで、誰にも言えなくて』
この日は病院に行くことを拒み、ヤスの家で休むことにした。