卵にさえずり掛けるキンカチョウ、外の暑さを伝達か | パンデモニウム

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※何度かのブログフォーマット変更により改行ポイントがずれてしまい、ほとんどのページがガタガタになっております。
読み難くて申し訳ないです。

 ↓ AFP(2016.8.19) より

 

ある種の鳥は、まるで人間の親たちが妊娠中の母親のおなかに語り

かけるように、ふ化する前の自分の卵にさえずりかける習性がある

との研究報告が18日、発表された。

卵からかえるひなに外の世界の気温上昇への備えをさせることが、

その理由として考えられるという。

 

 ↓ Singing Wings Aviary より  キンカチョウの卵とヒナ


キンカチョウ04 卵とヒナ

 

 

 ↓ Wikipedia より(以下3点)  雄


キンカチョウ01 雄
 

 

 ↓ 雌


キンカチョウ02 雌
 

 

米科学誌サイエンス(Science)に発表された今回の研究では、キンカ

チョウの奇妙な習性を調査した。

キンカチョウは抱卵期間の終わり近く、特に気温が26度を上回る暑さ

になると自分の卵に向かってさえずりかける。

 

卵は親鳥が上に座って温めている間は外部の気温には影響を受け

ず、一定温度の37度に保たれる。

親鳥は一体何を伝えたいのだろうか。

外部の気温と関係があることなのだろうか。

 

このさえずり声が卵にどのような影響を及ぼしている可能性があるか

を調べるため、オーストラリア・ディーキン大学(Deakin University)の

ミレーヌ・マリエット(Mylene Mariette)氏とキャサリン・ブキャナン

(Katherine Buchanan)氏の研究チームはキンカチョウの鳴き声を録音

し、それを孵卵器(ふらんき)の中の卵に向けて再生する実験を行っ

た。

 

一部の卵には成鳥のキンカチョウが普段交わし合う鳴き声を再生した

一方、別の卵には、気温が上昇した時に抱卵中の親鳥がふ化する前

の自分の卵にさえずりかける時の鳴き声を聞かせた。

 

暑さを知らせるこの鳴き声、いわゆる「ホットコール」を聞かせた卵は、

そうでないものに比べて成長のペースが遅く、ふ化したひなも体が

小さかった。

 

小さい体で生まれると暑い気候の中で体を冷やすのが容易になる

ため、生存する上で有利になると考えられる。

 

研究チームによる長期の追跡調査の結果、ふ化する前にホットコール

を聞かされていた鳥はそうでなかった鳥より暑い気候が続く間に多くの

子孫を残したことが分かった。

 

ホットコールは卵の中のひなの成長に何らかの影響を与えていると

研究チームは考えている。

この知らせが伝えられるタイミングが、ひなの体温調節系の発達が

始まる抱卵期間の最後の3分の1に相当するからだ。

 

「キンカチョウの親鳥は、ふ化する前のひなに周辺環境の気温が高い

ことを音響信号で伝えることで、子孫の発達過程をあらかじめプロ

グラムしている可能性がある」と論文は説明している。

 

このような戦略が他の動物にもあることが判明すれば、生物の地球

温暖化への適応を助けるこれまで知られていなかった生存メカニズム

の存在が示唆されると研究チームは指摘している。

 

 

キンカチョウ(錦花鳥,錦華鳥、学名:Taeniopygia guttata)

  ・・・鳥綱スズメ目カエデチョウ科キンカチョウ属

    英名:ゼブラ・フィンチ(Zebra finch)

    インドネシア、東ティモール、オーストラリア沿岸部に生息する

   ティモールキンカチョウと、オーストラリア大陸全土に生息する

   クリミミキンカチョウの2亜種に分けられます。

    体長:10~11㎝

    草の種子、穀物などを中心とした雑食

    日本でも明治以降、愛玩用に輸入され、多くの品種が作られて

   います。

 

 ↓ 幼鳥


キンカチョウ03 幼鳥
 

 

 ↓ Pinterest より  色彩の変異の例


キンカチョウ05

 

 

また、キンカチョウでは、ヒナが雄の求愛のさえずりを父親のそれを

聞いて覚える事が分かっています。

逆に、生後60日頃までに父親の歌を聞かせないと、上手に歌えなく

なるのです。

 

鳴き声を聞くだけで身体の作りまで変わってしまうとは、何とも不思議

ですね!

 

 

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