マレーシア、ボルネオ島にあるレーサー・ケイブ(Racer Cave)の入口。
グヌン・ムル国立公園の地下に何百㎞も続く洞窟群の一部で、
英国の調査チームが現地調査を行っている。
天井からは異様にゆがんだ鍾乳石が垂れ下がる。
英国ケイビング協会(British Caving Association)会長のアンディー・イービス氏
によると、石灰岩層に生息するバクテリアが生み出したという。
洞窟の入口から差し込む光で成長したバクテリアが鉱物を形成し周囲に
沈着していく。
鍾乳石が不規則に伸びてこのような奇観が生まれる理由だ。
同じくグヌン・ムル国立公園にあるディア・ケイブ(Deer Cave)。
探険家アンディー・イービス氏によると、高さ約200m、幅約150mのこの洞窟には
500万匹以上のコウモリが生息し、1日に500㎏のグアノ(鳥糞石)が堆積する
という(2010年5月撮影)。
土壌から染み込む二酸化炭素を含む弱酸性の雨水が、地下の石灰岩をゆっくり
と侵食し、このような巨大洞窟が形成される。
高純度の石灰岩、大量の降水、土壌の二酸化炭素が豊富な熱帯雨林など、
グヌン・ムルは必要な条件がすべて揃っている。
「これこそ世界最大級の洞窟群だ」とイービス氏は語った。
ディア・ケイブの南側の入口。2010年5月の調査時に撮影された。
1978年に始動したムル洞窟プロジェクトの一環で、グヌン・ムル国立公園の
洞窟群データを収集し、その全貌を明らかにすることが目的だ。
2011年にはレーザーを用いて、世界最大の地下空洞であるサラワクチャンバー
の精密測量を行う予定だという。
これまでの測量では、約1100万立方mのサイズと算出されている。
イービス氏は、「閉じた空間としては地球上で最大だ」と話している。
グヌン・ムル国立公園には、有名な洞窟が4ヶ所有ります。
ディア・ケイブ、ラングス・ケイブ(Lang’s Cave)、ウィンド・ケイブ
(Wind Cave)、クリアウォーター・ケイブ(Clear water Cave)です。
これらも十分、魅力的な洞窟なのですが、それを超える洞窟が、
グッドラック・ケイブ(Good Luck Cave )で、その中に世界最大の地下空洞、
サラワク・チャンバー (Sarawak Chamber)が存在します。
1981年に発見され、その広さは、およそ長さ700m・幅400m・高さ80mです。
これらの洞窟の一部は、観光地化されていますので、
いずれは訪れてみたいものです。 (^ω^)