『怪、刺す(かい、さす)』 は、『ゲッサン(月刊少年サンデー)』(小学館)の
連載を纏めたものです。
はな刺(し):木原浩勝氏・・・小説家。怪異蒐集家。
中山市朗氏との共著『新耳袋シリーズ』 や、
『隣之怪』 『九十九怪談』 など。
刺し絵:伊藤潤二氏・・・伊藤氏については → コチラ
木原浩勝氏の実話系怪談に、伊藤潤二氏が絵を付ける形式で、
フォントのタイプや大きさ、段組を恣意的に変え、伊藤氏の絵も位置や大きさなど
変則的で、コラージュなどの手法も取り入れています。
短編形式で9話+完全コミック化1話+あとがき(木原氏)2ページ
今回のコンセプトは、『週刊少年サンデー』 黎明期の石原豪人氏、小松崎茂氏
らの「読み物」ということらしいです。
「怪談」と「挿し絵」で、「怪、刺す」です。
しかし、これはどうした事か。
木原氏の「はな刺」です。
『新耳袋』 の鮮烈さは無く、ステロタイプな部分部分を組み合わせて、
巧妙に(でもないが)目新しい話を作り出した様にしか思えません。
話の内容はそんな風だし、それを表す文体にも閉口しました。
また、絵と文の組み合わせはともかく、フォントは「怖さ」を引き立てる事に
役立っているとは思えず、寧ろリズムを崩している様に感じます。
(このコンビでの 『ミミの怪談』 は良かったのになぁ・・・)
伊藤潤二氏に依る部分で読了した、その一点に尽きます。
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