「夜と霧」
原題:NUIT ET BROUILLARD
公開:1955年
製作国:フランス
監督:アラン・レネ
原作:ジャン・ケイヨール
音楽:ハンス・アイスラー
音楽:ハンス・アイスラー
第二次世界大戦中、アウシュヴィッツで行われたホロコーストの映像記録。
「夜と霧」というのは、ヒトラーが愛聴していたワーグナーから名付けられた総統命令の名だ。
この命令によって「処理」された者達は一切記録がなく、その名の通り夜の霧のように闇に紛れて消えていった。
終戦の10年後に作られた本作は、初めてホロコーストを描いた作品とも言われている。
映画では戦時中のアウシュヴィッツと10年後のアウシュヴィッツが交互に映し出され、ジャン・ケイヨールの詩的な言葉と、ハンス・アイスラーの壮大な音楽が、不気味なほどに美しく流れる。
ドキュメンタリーではあるが、そこに見事な演出がなされていることも、この作品の素晴らしさだ。
世の中には戦争やホロコーストを描いた素晴らしい映画がたくさんある。
それらは私たちに「知る」きっかけを与えてくれる。
しかし、実際の記録からしか伝わらないことというのが、必ずある。
そういう意味でこの作品は、永遠に伝えていかなくてはならない映像遺産だと思う。
それでも、声は自問自答する。
「映像はここで起こったことを見せることが出来るのか?」
きっと10分の1も、100分の1も伝わらないのだろう。
しかしその10分の1を、100分の1を知ることが、私たちの第一歩だ。
この作品を観た多くの人の感想の中に、「授業で観た」と書かれていたことが嬉しかった。
より多くの学校で、これを観て、話し合ってほしい。
誰もが観るべき、知るべき映画だと思う。


