「Mommy/マミー」
原題:Mommy
公開:2014年
製作国:カナダ
監督:グサヴィエ・ドラン
脚本:グサヴィエ・ドラン
出演:アンヌ・ドルヴァル
出演:アンヌ・ドルヴァル
スザンヌ・クレマン
アントワン=オリヴィエ・ピロン
2015年、障害児の親に対し、育児を放棄し施設に入れる権利を保障する法律が制定された、もうひとつのカナダ。
その法律によって運命を大きく左右される母と子の物語。
音楽の使い方が良く、映像もポップだが、描かれる物語はかなりヘビー。
発達障害の息子を女手ひとつで育て、生活もかつかつ、頼る相手もいない母親のダイ。
息子は思春期に入り精神的にも難しく、身体は母親では太刀打ちできないほどたくましくなっていく。
母は息子が大好きで。息子も母が大好きで。
だけどどうにもならない思いが、時々刃のようにぶつかり合う。
私も思春期の息子を持つ母親だが、母と息子というのは良くも悪くも濃いと感じる。
その濃さというものが本当によく描かれていると思う。
アンヌ・ドルヴァル演じる母親・ダイの、なにかに追われているような焦燥感がとてもリアル。
いつ何をしでかすかわからない息子。周りからの視線。何も見えない将来。
そういったものにいつも怯えながら、そんな弱さを誰にも見せられず、ただ、毎日に急かされている。
そんなピリピリしたダイの空気は、繊細にスティーヴに伝わる。
そんな2人の間に入り込んだ隣人・カイラの存在は、親子にとって救世主だった。
濃すぎる母と子の間に必要なのは、お金でも時間でも距離でもなく、笑い飛ばしてくれる存在なのだ。
広がる世界とWONDERWALLにはやられた。
でも広がった世界がまた小さくなっていく時の、なんとも言えない寂しさのようなものが、いちばん心に残った。
