さて、インフラ巡り①からの続き。
そのまま萬年橋を渡って 清洲橋 のたもとまで歩く。
清洲橋は、都道府県の道路橋として初めて国の重要文化財に
指定された、昭和初期を代表する橋のひとつだ。
我々の世代だと、「男女7人」に出てきた印象的な橋として
憶えてる人が圧倒的に多いね。
若い人だと、映画「容疑者Xの献身」かな。
このまま桃子の気分で そっちかい!日本橋側に渡り、
橋の下に降りてみる。
隅田川テラスではジョギングしているひとがたくさんいた。
弁当食ってるひともいた。
長寿命化のための耐震補強工事の際に、
外観を損なわないように橋桁の下部に施されたダンパーが
ずらっと並んでいる。
鉄の建造物は、白黒写真のほうが重量感が増す。
個人的にはケルンよりも “日本橋中洲の眺め” のほうが好きだ。
ちょうどその下を“HIMIKO”が通りかかったので1枚撮影。
実は個人的に今、日本でいちばんカッコイイ乗り物だと思っているのがこのHIMIKO。
清洲橋(きよすばし):長さ186.2m、幅25.9m 1928/03竣工
そのままカメラでHIMIKOを追うと、向こうに見えてきたのが かわてらす。
京都の川床の東京版 というコンセプトで、ちょうど1年前にオープン。
建物自体は築29年のオフィスビルをリノベーションして誕生した
LYURO 東京清澄 THE SHARE HOTELS という小さなホテルなのだけれど、
このウッドデッキの かわてらす は一般開放されている。
時間は 07:00 ~ 0:00 、禁酒・禁煙。
この日は子連れのグループが占領していて、ちょっといやな感じだったけどね。
今回のインフラとは関係ないけれど、このかわてらすの裏手には、
平賀源内 の エレキテル にまつわる記念碑が建っている。
そのすぐ並びが 清澄排水機場。
自然災害時に水門を閉鎖した際に、水位上昇した仙台堀川の水を
ポンプで隅田川に排出する施設なのだそうです。
ふだんのほほんと過ごしているワタシのような輩は、今回言われるまで
その存在すら知りませんでした。
ただいま大規模な耐震補強工事中。(今秋終了予定)
ここに排水機場ができたことによって撤去された 上之橋 の親柱が
そのまま残されている。
反対側に回るとこんな感じ。
よくわかんないけど、なんかすごそうだってことは伝わってくる。
そしてまた横道にそれるが、この施設の向かいは国産セメントの発祥の地。
浅野セメントの創業者、浅野総一郎翁が立っている。 いや、翁の像が建っている。
現在もここでセメント工場が操業しているってとこがすごい。
平賀源内のエレキは、その名残りすらなかった。
こう言っちゃ失礼かもしれないが、ちょっと欲しくなるような
小さくて可愛らしい像だった。
清澄排水機場(きよすみはいすいきじょう): 1986竣工
さて、隅田川に戻ろう。
清澄排水機場の対岸には、土地開発と同時に盛土で構成された
緩傾斜型で幅の広い、その名も スーパー堤防 が築かれている。
東京都建設局では1985年から東部低地帯の主要5河川で
このスーパー堤防の整備を進めているのだそうだ。
無機質なコンクリートの防潮堤にはない、緑のスーパー堤防がきれい。
横から見ると、こんな感じ。
その上に建つユニークなビルディングは、リバーゲートビル。
水辺には 箱崎町防災船船着場 が設置されていて、
災害時における水上交通・輸送に備えている。
そしてその隣が 隅田川大橋。
隅田川大橋(すみだがわおおはし):長さ385.3m 幅30.0m 1979/10竣工
個性的な隅田川の橋の中で、実用性だけを考えたいちばんシンプルな橋。
上部の首都高速9号深川線が開通するのに合わせて建設された。
右手方向先にTCAT(東京シティエアターミナル)があり、
左手方向先には、あの名医紹介所がある。
この橋のいいところは、
歩道がやたらに広いこと。
水面からの高さがあるので、眺めがいいこと。
上流側: 清洲橋と“ホタルナ”
下流側: 永代橋と“竜馬”
逆に、あまりよくないなと思う点は、歩行者はまるで歩道橋のように
階段を昇り降りしなくてはならないことかな。
だからというわけでもなかろうが、ご老人が渡っているところは
あんまり見たことがない。
橋の南側のIBMビルの前にも、スーパー堤防が整備されていて
そのまた南側には日本橋川が注ぎこんでいる。
そしてその日本橋川の河口に架かる鉄でできた白い橋が 豊海橋。
現在は補強工事中で車両通行止めになっている。
あまり他に見ない重量感のある珍しい構造をしているので
これだけだともったいないから、以前撮った写真を1枚。
こういう感じ。( 2015/10)
夕刻になると、内側がライトアップされていい感じになる。
( 2017/07 飲んでたのでちょっとてぶれ。)
豊海橋(とよみばし):長さ46.13m、幅8m 1927/09竣工
そしていよいよ 永代橋 なのであるが、ここでまたまた休憩。
あー長くなったなー。
(参考) 東京都建設局 土木技術支援・人材育成センター「インフラガイド」